Mobile:NEWS 2002年11月29日 01:54 AM 更新

CM曲はテレビより着メロで先取り?〜着信メロディGIGA

着信通知の役割から、聞くための音へと進化する着信メロディ。古参の着メロサイト「GIGA」は、携帯電話が情報発信メディアとしての可能性を秘めていることに注目している

 和音数が増え、豊かな表現力を備えるようになった着信メロディは、“新しいメディア”としての地位を確立しつつある。

 古参の着信メロディ総合サイト「着信メロディGIGA」のマーケティングマネージャーを務める河野誠司氏が、「発信するメディア」としての着信メロディの可能性について語った。


MCF総会記念セミナーのパネルディスカッションに登場した「着信メロディGIGA」のマーケティングマネージャー、河野誠司氏

CDのセルランキングと一致しなくなった着メロランキング

 河野氏がメディアの定義とするのは、その媒体が「知らない商品や曲を買わせる力がある」だけの情報発信力があるかどうか。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大メディアの後追い的に情報発信している状態では、いくら6000万人が持っている携帯電話といえども、まだメディアと言い切れる段階ではないという考えだ。

 しかし一方で、メディアとなり得る兆しが見えていることにも言及。それを示しているのが、着メロサイトのダウンロードランキングだ。1年前まではCDのセルランキングと変わらない順位だったものが、ここ最近では、「上位3曲ぐらいは同じだが、4位以下はがらりと変わることもある」(河野氏)というように、変化が見られるという。

 その理由は、着メロが新曲だけを後追いで提供するだけではなく、アーティストの来日に合わせた着メロ、すぐにCD化されるわけではないテレビCMのオリジナル曲の着メロ、季節に合わせた音楽の着メロなど、「旬曲」を提供し始めたことによるものだと河野氏は分析する。

 そもそもこのような着メロ提供を始めたのは、「携帯電話の検索性に難があったため」。当初は100曲程度だった着メロも今や千曲を超え、携帯電話のスペックや入力方法では検索が煩雑になるという問題が出てきた。そこで「お手軽、お気楽に」着メロをダウンロードしてもらうために、曲に話題性を持たせるなどの仕掛けが必要になり、その過程で「旬曲」が登場。人気を博すようになったという。

CMで聞くより先に着メロで認知

 「旬曲」のなかでも人気が高いのがテレビCMで流れた曲の着メロだと河野氏。島倉千代子の「人生いろいろ」の着メロに、マンダムのCMソングというキーワードを付けて配信することで、この曲をトレンドソングにした実績がある。また、同じ曲のCMオリジナルバージョンを配信したところ、6月には月間14万ダウンロードを達成。コスト面からCD化されるかどうか分からない曲を、着メロとして素早く提供するという、携帯電話ならではの速効性を活かしたアプローチを図った。「情報発信の方法で(他メディアとの)違いを出せるようになってきた」(河野氏)。

 面白いのは、常盤貴子を起用したマンダムのテレビCMの着メロをダウンロードしたユーザーに対する調査結果。「CMを見ずにアクセスした人が15%いた」(河野氏)。テレビCMで注目された曲がランキングの上位にくると、CMを見たことがない人でもダウンロードするため、CMで聞くより先に着メロで認知するという現象が起きているというのだ。こうした動きから、ダウンロードランキングが「旬を知るためのメディア」としての役割を果たすようになりつつあるというのが河野氏の見方だ。「メーカーのテレビスポットが入った時期や、季節の移り変わりまでダウンロードランキングから知ることができる」(河野氏)。

 ケータイコンテンツの中でも人気の高い着メロは、そのサイト数も多く、曲数や価格で熾烈な争いを繰り広げている。メディアとしての可能性が見えてきた今、オリジナルのメディアとしてどのような付加価値を付けて発信するかが問われるようになりそうだ。



関連記事
▼ 勝ち組と負け組が二極分化〜ケイラボの真田社長、公式メニューを語る
ケータイコンテンツの世界に異変が起きている。公式コンテンツの中では勝ち組と負け組の2極分化が進み、公式コンテンツ以外で成功するサイトも現れている


関連リンク
▼ モバイルコンテンツフォーラム

[後藤祥子, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!