VGAザウルス「SL-C700」は、「PCのように使える」か(1/2)VGA液晶を搭載したザウルス「SL-C700」が目指すのは、従来のPDAでは成しえなかった「パームサイズでありながらノートPCの代替になる」というニーズに応えること。果たしてどこまで「PCライクに」使えるのだろうか
発表会でも語られたように、VGAザウルス「SL-C700」はノートPCの代替用途を意識している(11月12日の記事参照)。もちろんノートPCでできることのすべてを詰め込んだわけではないが、ビジネスマンの日帰り出張程度ならノートPCを持たずに済む──といった利用シーンを想定している。 「SL-C700」には、ビジネスマンの出張に必要そうなほとんどの機能が搭載されている。メーラー、Webブラウザ、ワープロ(Wordデータ互換)、スプレッドシート(Excelデータ互換)といった具合だ。これらの機能はPocket PCも標準で備えているが、本製品にはPocket PCの4倍という情報量を表示できるVGA液晶が搭載されており、これが大きな武器になる。 もちろんノートPCの代替として利用するには、ほかにも求められるものは多い。本当に640×480ピクセルの情報量で十分なのか、操作感は快適なのか──今回はこういった点を見ていくことにする。
本製品にはWebブラウザとしてACCESSの「NetFront v3.0」が搭載されている。HTML4.1、cHTMLに準拠、複数のWebページを同時に開けるタブブラウザで、自動巡回機能も備えるなど高機能なブラウザだ。Pocket PCに搭載されている最新の「Internet Explorer」と比較しても、よりPCのWebブラウザに近い再現性と使い勝手を実現している。 このブラウザが便利なのは、縮小モードがあることだ。画像だけを50%に縮小し、フォントサイズはそのままで表示できる。この縮小表示が、フォントサイズを最小にした場合とマッチングがよく、情報量はPCの800×600ピクセル表示相当まで向上する。もちろん画像はある程度つぶれてしまうわけだが、よほど小さなリンク用のボタンなどでないかぎり、情報が完全に失われることはない。
動作も非常にテキパキしている。HTMLの展開も速く、複雑な表組みでも含んでいないかぎりストレスを感じることはない。横スクロールも快適で、上下キーを使った行単位でのスクロールでもストレスを感じさせない Pocket PCのInternet Explorerと比較すると、Webページの表示を開始してからスクロールが可能になるまでの待ち時間が格段に短い。読み込みながらのスクロールもスムーズで、読み込み中でもリンクをクリックして別ページにさっと移動できる点などが優れている。これはPocket PCでストレスを感じていた部分でもあり、感覚としてはPCでブラウジンするのににずっと近い。 さすがにPC上でのブラウジングと比較して、表示速度が同等とまではいえないが、感覚としては従来のPDAというよりPCに近い使い勝手といって差し支えないだろう。
メーラーは本製品独自のものが用意され、こちらも機能的にはPDAというよりはPCのそれにかなり近い。マルチアカウント、フォルダ分け、フォルダ自動振り分けに対応し、今時のメーラーとしての基本機能はしっかり備えている。POP3、POP3(APOP対応)、IMAP4のメールサーバに対応しているからモバイル用途で困ることはないだろう。個人的に「困るな」と思ったのは、サーバから一覧を表示させ、必要なメールだけを受信する機能がないことだろうか。
VGAだと本文の閲覧も楽だ。横長画面ではフォントサイズ小で横39文字(78バイト)が表示でき、フォントサイズ最小なら横49文字まで表示可能。縦長画面でもフォントサイズ最小なら横36文字(72バイト)が表示できるから、ほとんどのメールをPCで表示する場合と同じイメージで見ることができる。
[坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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