PDAとしてのVGAザウルスは買いか?(1/2)VGA液晶やLinuxの採用、小型ノートPCの代替用途が注目される「SL-C700」だが、PDAの基本となるPIM機能なども無視できない部分だ
PDAのコアとなるPIM(個人情報管理)に関してシャープは、電子手帳を皮切りに多くの端末を開発してきた。それが今のザウルスに結実しているわけだ。筆者のPDAの歴史もシャープ「PA-6500」から始まり、その後複数の「PIシリーズ」を経てパワーザウルスに至り、今でもPCのOutlookのアドレス帳にはPA-6500時代から継承されたデータがある。 「SL-C700」のPIMも、基本的には従来のザウルスの流れを汲むものだ。筆者の主観では、Pocket PCのそれよりは確実に使いやすいと思う。Pocket PCのPIMもビューワとしては悪くないのだが、まずデータ入力を行う気にならない。Windowsライクといえばそれまでだが、中途半端にオーバーラップウインドウを採用して「わざわざ入力エリアを狭くしているのでは」とすら思ってしまう。そのためiPAQ Pocket PCでデータ入力することはほとんどない。手書きメモを便利に使っているくらいだろうか。 この点「SL-C700」は、PIMデータのほとんどはいわゆるプレーンなカード型での入力で、特徴もないが不満もない。データ入力画面では、フォントサイズが変更できないことが多いが、さほど不満には思わない。画数の多い漢字の入力を考慮すればこれでいいのだろう。 PIMでももちろんVGA表示の恩恵にあずかれる。たとえば最小のフォントでは、縦長表示ならアドレス帳で1度に26人を一覧表示可能であり、視認性も十分。しかしアドレス帳は、一覧できる項目が3つ(名前以外の2項目は自由に変更できる)と少なく、せっかくの画面の情報量を生かせない部分もある。ただし表示項目は、一覧表示のまま簡単に切り換えることができ、いちいち設定を変更するといった手間はない。
カレンダー(スケジューラ)は、月単位の一覧でもスケジュールを文字情報として表示可能で、週一覧ですらスケジュールの有無しか判別できないPocket PCとは対照的。一覧画面ではフォントサイズこそ変更できないが、文字の視認性という意味ではVGA液晶が有効に活かされている。
今回は試作品の本体のみを借りたため、試すことはできなかったが、「SL-A300」から採用された、PCの画面情報をそのまま取り込めるザウルスショットも、VGA液晶ではさらに便利に使えるはずだ。
一体型カード端末、無線LANカードなどを用いた通信機能はとても優秀だ。CFカード型PHSやCFタイプの無線LANカードは、ドライバなどを入れることなく利用できる。無線LANカードのドライバまで標準でサポートしているのは、日本独特の通信事情に配慮した結果であり好感が持てる。 アシスト機能には、CFカード型PHSならNTTドコモやDDIポケット、ケイオプティコム端末向けの設定が準備されて、無線LANではYahoo!BB モバイルやHOTSPOT用の設定がある。Pocket PCに比べて接続面のストレスが軽減されている。
[坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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