Mobile:NEWS 2002年12月6日 04:35 PM 更新

Mobile&Movie 第41回
恋は負けない「携帯電話を持っている人は嫌い」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。今回は、携帯電話がリッチな生活の象徴として登場する映画「恋は負けない」。携帯電話なんか大嫌い──といっていた恋人未満の友達があっさり心変わり!? 主人公ポールはどう動く?

作品名恋は負けない(LOSER)
監督エイミー・ヘッカリング
制作年・製作国2000年アメリカ作品


 田舎育ちの純朴な青年ポールは、猛勉強の末、ニューヨークの大学の奨学生に選ばれます。家族に暖かく励まされ、送り出されたポールですが、憧れの大都会の風はポールに冷たく吹き付けます。

 学生寮で相部屋になったのは、遊ぶことしか頭にないボンボントリオ。映画「ファーゴ」の小道具みたいな帽子をかぶったポールは、浮いた存在に……。ルーメイトと仲良くしようとしますが、それも空回り。

「勉強ばかりしていてつまらない。お前は嫌われ者だ」

と言われても、成績が悪くなると退学になってしまう奨学生のポールには、遊んでいる時間はないのです。そんなポールに初めて優しい声をかけてくれたのは、文学のクラスが一緒になったドーラ。ポールは好感を持ちますが、ドーラは既にオルコット教授の恋人だったのです。

 ポールとドーラの共通点は、お金持ちではないこと。限られた時間の中で、バイトに勉強に精一杯打ち込んでいるポールとドーラは、だんだん仲良くなっていきます。

「携帯電話を持っている人は嫌い」

 ドーラは、ポールにしか言えない胸の内を打ち明けます。

「全員?」

「CDを買える人も嫌い。好きな物を食べられる人も、勉強時間がある人も」

「嫌いな人が多いな」

「私、性格の悪い人間なの」

 悪びれず、本音を語るドーラ。

「君は違うよ」

 ポールは叶わぬ恋と知りながら、ますますドーラに惹かれていきました。せっかくニューヨークにやって来たのに、ほとんど出かけたことのないポールに、ドーラが“お金を使わないニューヨークの楽しみ方”を教えてくれたのです。2人は、セントラルパークで「パーティの余り物ランチ」を楽しみ、秘密の作戦でオペラ「キャバレー」も見に行きます。ポールのカントリーファッションも、ドーラが改造して見違えるほどに。

 幸せなデートに満足したポールでしたが、ドーラとオルコット教授が一緒に暮らすことになってしまい、敗北感に見舞われます。携帯は嫌いと言っていたドーラが携帯を持っているのを目撃して

「携帯電話は嫌いだろ?」

とポールは聞きますが

「エドワードがくれたの」

とドーラは嬉しそうに答えるのです。エドワード=オルコット教授の優しさには、裏があることも知らずに……。ポールは“いいひと”なお友達として、ドーラの近くにいることに決めますが、オルコット教授の本心を知ったとき、ついに“いいひと”をやめて立ち上がるのです。

 優しい心を利用され、「どうしてそこまで?」と悲しくなるほど、誰に対しても“いいひと”だったポール。このまま“ルーザー(負け犬)”の烙印を押されてしまうのか、お金はなくても真心で幸福を掴むことはできるのでしょうか?

 この作品で携帯電話は、お金持ちのアイテムとして登場します。最近の学園映画でも携帯電話はお金持ち学生の象徴として携帯電話が出てくることも多く、日本の普及ぶりとは事情が異なるのかもしれません。携帯電話は嫌いと言っていたドーラも、恋人に貰えれば使ってしまうもの。そんな素直さも茶目に映る、ハートフルなラブストーリーです。

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[本田亜友子, ITmedia]

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