写真で見る、カシオ「A5302CA」スリムなボディに最新機能を詰め込んだ──auの最新端末「A5302CA」は、流行機能をしっかりと盛り込みつつ、操作性も犠牲になっていない。カタログスペックは強力だが、使い勝手は今ひとつ……という端末も見受けられる中、安心してお勧めできる端末だ
KDDIのカシオ計算機製端末「A5302CA」は、期待を裏切らない出来だ(11月18日の記事参照)。大ヒットしたKDDI初のカメラ内蔵端末「A3012CA」の後継機として(4月4日の記事参照)、機能面はもちろん、ソフトウェアの使い勝手でも、細かな強化が図られている。今回は、概要を中心に写真で紹介していこう。
KDDI端末の機能は、型番を見ることである程度分かるようになっている。頭に「C」が付くのはcdmaOne端末、「A」が付いているのはCDMA2000 1x対応の3G端末だ。2つの違いは基本的には通信速度。cdmaOneが下り最大64Kbpsなのに対して、CDMA2000 1xでは144Kbpsまで高速化されている。 次の「A5000」「A3000」「A1000」という数字は、大まかな機能の違いを指す。1000番台は付加機能なし、3000番台はGPSとJava(ezplus)付き、5000番台はさらにムービー再生(ezmovie)が行える。
カシオの「A5302CA」は、型番のとおりハイエンドの端末だ。さらに新サービス「着うた」にも対応している(12月10日の記事参照)。内蔵メモリ12.8Mバイトも業界最大級だ。長さにもよるが、最大800本の動画を保存できる。 ムービーメール対応のA5300シリーズは現在3機種がラインアップされている(A5303Hは20日前後の発売予定、12月5日の記事参照)。各機種の特徴的な機能を比較すると以下のようになる。
開いたところのデザインは近未来の端末をイメージさせる。スリムなイメージだ
閉じたところのデザインは賛否両論あるかもしれない。カメラを強調したシンメトリーなフォルム。au端末の中では23ミリとかなり薄い部類に入る。液晶部と本体部の間は絞り込んであり、うまく指がかかって開けやすい
ダイヤルキーのストロークは少々不足。触っただけではボタンの位置が分かりにくく、クリック感もない。ただし十字キーと決定ボタンの押し心地はいい。側面のボタンは、EZweb表示中やメール表示中にページ送りキーとして使える 十字キー周りの4つのキーは、オーソドックスな機能が割り当てられている。
A5302CAで感心するのは、ちょっとしたことながら、ユーザーの期待を裏切らない機能が、ことごとく搭載されていることだ。 例えばメールを入力しているときに、「○○さんの電話番号を入力したい……」と思ったする。いったんメールを保存して終了、アドレス帳を開いて該当の電話番号をコピー。再びメール編集画面で貼り付ける。これが通常の流れだ。A5302CAでは、サブメニューから「アドレス帳」を選べば直接引用できる。メールの送信履歴さえ引用可能だ。 写真の整理も見てみよう。1000枚近く写真が撮れる最近の携帯電話では、フォルダ分け機能は必須(7月8日の記事参照)。しかしいざ整理しようとすると、1枚ずつしか移動ができない端末は多い。A5302CAなら、複数の画像にチェックを入れてまとめて移動が行える。
左は静止画撮影画面。中央は動画撮影画面。右はデータフォルダのフォトフォルダを開いたところ。サムネイル表示はありがたいが、とにかく表示が遅いのは欠点の1つ。サブメニューを開くたびに再描画されるのもいただけない。また、サムネイルかリストかの設定がフォルダごとに行えず一括のため、着信メロディまでサムネイル表示されるなど不可解な仕様も見受けられる。とはいえ、アドレス帳や待受画面に設定した画像にはリンクマークが付くなど、使い勝手をよくする工夫はされている こうした細かな機能は、個別に見ていくと他社の端末でも備えているものが多い。しかし「あれはできるかな?」と思ったときに、たいてい可能なのがA5302CAだ。 動画撮影機能もその1つ。最大15秒と長時間の撮影が可能なKDDIのムービーだが、撮影している最中にズームが行えるのはA5302CAだけ。さらに、別途、動画撮影用のマイクが付いているのもうれしい。A5301Tなどで撮影してみると分かるが、通話用のマイクは撮影者の方を向いているので、被写体のしゃべっている声はうまく録れない。結果、アフレコ機能が大活躍するわけだが、A5302CAならば音声もしっかり撮れる。 ムービー端末で唯一、ライトが付いているのも注目点。ライトは動画撮影でこそ威力を発揮するともいえる。ただし、ライトだけを点灯させて、懐中電灯代わりに使う機能はない。もったいない部分だ。
液晶裏側に設けられたマイク(左)。目立つようにデザインされたカメラの左右には、高輝度LEDを使ったライトと、着信時などに点灯するランプが並ぶ 撮影後、A5302CAでも動画の圧縮にかなり時間がかかるが(10月4日の記事参照)、圧縮前にプレビュー再生で確認できる。A5303Hのようにアプリケーションプロセッサを搭載してリアルタイムに圧縮するという手法もあるが、それはコストと消費電力に影響する。ソフトウェアの改善で使い勝手を向上させたのはさすがだ。なお、撮影中に電話がかかってきても、その時点で撮影が終了し、後から保存できる。圧縮中に「中止」できるのも便利だ。 ソフトウェア部分は、前機種A3012CAで不満だった部分もかなり改善されている。ここは次回、詳しく紹介したい。反応速度も“サクサク”とはいかないが、悪くない。反応速度の際だって遅い、東芝製「A5301T」と比べると非常に快適だ。
A5302CAは、メインディスプレイがセイコーエプソン製MD-TFD液晶の「Cristal Fine」、カメラが東芝製31万画素CMOSセンサの「Dynastron」。“TFTかTFDかSTNか”“CMOSかCCDか”という議論では一段低く見られがちだが、わざわざブランド名を冠しているあたり、デバイスメーカー、カシオ共に自信を持っている部分だ。 右の写真はメインディスプレイの様子。参考として並べたのは東芝の低温ポリシリコン液晶を使った「A5301T」だ。A5302CAの圧倒的な輝度がよく分かる。「輝度200カンデラ以上」をうたう端末は最近多いが、A5302CAの明るさは群を抜く。例えば昨年、そのディスプレイの明るさで話題となった「N503iS」と比べても、A5302CAの明るさが際だつほどだ(5月28日の記事参照)。 ただし初期設定では明るさは5段階中の3となっている。それでも十分に明るいのだから、余裕を持ったということでもあるだろう。 カメラについても、カシオが「ぜひ他社のCCDと比較した記事を……」とリクエストするほどの自信作。カメラ周りは別途改めてレポートしたい。
背面と右側面。アンテナによって背面のスピーカーの下にはうまく空間ができる。音量も十分だ。ただし「着うた」を最大音量で鳴らすと音が妙な震え方をすることがある。側面のボタンは「マナー」と「メモ」。カメラ起動時はどちらもシャッターボタンとして使える。液晶部に見えるのが、接写の切り替えスイッチだ
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