Mobile:KEYWORD 2002年12月16日 11:26 PM 更新

3D液晶【すりーでぃーえきしょう】

3D液晶は縦方向と横方向、奥行きを加えた3次元の物体(立体)を表示させることを目的としたデバイス。シャープはゴーグルなどを必要とせず立体画像を閲覧できる液晶を開発した

 3D液晶は、3D(Three-Dimension)、すなわち、縦方向と横方向、さらに奥行きを加えた3次元の物体(立体)を表示させることを目的としたデバイス。NTTドコモから3D液晶画面を搭載した「SH251iS」(特集記事参照)が発売されたことで、一気に身近な存在になった。

 そもそも人間が「奥行き」を感じるのは、左目と右目の働きによるものだ。それぞれの目から飛び込んだ網膜上の画像の大きさが変化したり、運動方向が左右の目で相違を持つ場合に、それを奥行きとして知覚するものとされている。

 そこで考案されたのが、後者の「左右の運動方向の相違」を利用して、液晶シャッターを用いたゴーグルで視覚に刺激を与え、奥行きを再現させる方法。これがいわゆる3D眼鏡である。

 だが、テレビやPCのディスプレイならまだしも、携帯電話の画面を3D化するのに、専用の3D眼鏡を利用するのは不自然。そこで眼鏡なしで立体表示を実現させるための策として、「ある1点を見つめたときに左右の目で異なる角度を持っていること」を利用した方法が考えられた。これなら同じ場所であっても、左目と右目で見せる画像を変えることができる。技術的には、横方向に1ドットずつマスクをかけることで実現している。


3D液晶の原理(シャープサイトの当該リリースより引用)。右目からの角度で見たときは、マスクで「左」が隠され「右」の情報だけが網膜に映る。同様に、左目の角度から見たときは、「右」が隠され「左」情報のみが映る

 ただし、マスクが効果を発揮するには、左右の目から等しい距離に画面を置く必要がある。画面を傾けたり、横から人の携帯(3D液晶)をのぞいても、立体には見えない。さらに、マスクをかけることで本来の情報量(ここでは横方向の解像度)が半分になることも知っておきたい。

 また3D表示させるためには、左目用と右目用の2つの画像を用意しなければならず、内蔵カメラで撮影した画像は、専用ソフトで加工する必要がある。

 NTTドコモは、3D液晶で立体画像を鑑賞する際の注意点として、立体感には個人差があることと、長時間の鑑賞によって目の疲労などが発生することをアナウンスしている。特に、幼児や小中学生に長時間の使用をさせないよう保護者が気をつけたい。



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関連リンク
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▼ 三洋電機 ニュースリリース
立体視の可能範囲を前後方向に大幅に拡大したメガネなし3Dディスプレイを開発

[江戸川, ITmedia]

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