家庭用ゲームとは異なる携帯Javaゲームの収益構造機能の向上により、今やいつでもどこでも遊べる簡易ゲームセンターと化した携帯電話。そのビジネスモデルや収益構造は家庭用ゲームとは異なるようだ
ゲームセンターや家庭用のゲームが複雑化していく中、携帯Javaのゲームは70−80年代の懐かしのゲームが多数移植されていることもあり、「気軽に遊べる」ものとして人気を集めている。 「いつでも買える」「どこでも遊べる」「たくさんのゲームの中から選べる」「決済手段がある」という携帯電話による配信特性が、端末に「仮想ゲームセンター」の役割を与え、コンテンツ資産を持つゲームメーカーがこぞって参入している。 「(世界市場において日本は)『電話の強さ』と『ゲームの強さ』で負けるはずがない」──と、携帯のJavaビジネスに自信を見せるのが、ナムコWMCカンパニーの石村繁一プレジデント。 モバイルコンテンツフォーラムのセミナーに登場した石村氏は、同社のゲームサイトの事例を紹介、会員数の推移と収益構造について語った。
モバイルコンテンツフォーラムのセミナーに登場したナムコWMCカンパニーの石村繁一プレジデント
ナムコは1999年10月1日に、Webベースのゲームサイト「ナムコiランド」を立ち上げた。当時はまだJavaがなかったころで、リンクをたどるWebベースのゲームが中心。サイトの月額利用料は300円だったが、通信料がかさむため、1人が3000円も通信費を払うような状況もあったという。iアプリに対応した「503i」シリーズの登場に伴い「パックマン」や「ギャラクシアンmini」など往年の名作がiアプリとして登場すると、会員数が急増。同社はiアプリ専門サイト「アプリキャロット」を2002年3月6日にスタートした。
「アプリキャロット」は1カ月で6万人ほどの登録があり、当初のラインアップは「パックマン」「ギャラクシアンmini」「ワニワニパニック」「チェインショット」の4タイトル。それにもかかわらず、ダウンロードは20数万にものぼったという。その後もサイトを解約する人を減らすべくタイトルを投入、「ミスタードリラー」や「ファミリースタジアム」などメジャータイトルをラインアップし、12月の時点で28タイトルを揃えている。
家庭用ゲームが、(人気ゲームの場合には)発売と同時に瞬間的に収益が上がるのに比べると、携帯電話のゲームは(収益が上がるまでに)数カ月から1年かかると石村氏。 開発費をかけてサイトをオープンしてから収益を出すまでに大事なのは、ユーザーを引きつけるコンテンツを提供し続けることと、解約率を下げることだと石村氏。会員数はオープン直後は右肩上がりだが、ピークを付けると平行線をたどり、収支はだいたい数カ月から1年でプラスに転じるという。家庭用ゲームに比べると、1千万−2千万円と開発費が低廉なこと、在庫や流通の経費がかからないことなどから、「ローリスクで勝ち残ればハイリターン」だという。 ただし、携帯電話サイトの場合は、サーバ運営費や新機種対応などのランニングコストもかかるため、会員数を増やせないサイトでは苦戦を強いられる。「グロスでやっているから収益を上げられているが、中には運営費すら出ないサイトも正直言えばある」(石村氏)。
今後のモバイルゲームの課題として石村氏が挙げたのは、1)新規コンテンツの開拓 2)課金の仕組み作り3)海外展開など。 新規コンテンツの開拓は、携帯やモバイルの特性を活かしたゲームとは何かを模索している段階だという。課金の仕組み作りは、今後カーナビやPDA、PCに向けたコンテンツを用意していく上で考えなければならない点。ナムコは三菱電機製のカーナビに「パックマン」など3コンテンツを実験的に提供しており、この分野には意欲的だ。 海外展開は6つの通信キャリア向けにコンテンツを提供中。Javaゲームの状況については「韓国はそこそこ、それ以外は(始まって間もないため)これから見えてくるだろう」と語った。
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