Mobile:NEWS 2003年1月6日 09:19 PM 更新

携帯電話の2003年を占う

2001年が携帯Javaの年なら、2002年はカメラ付携帯の年だった。では2003年は何の年になるのだろうか。端末に目を向けてみると、1つには携帯の“OS”とも言えるプラットフォームが話題になりそうだ

 第3世代携帯電話(3G)や動画対応などさまざまなトピックがあった2002年は、結局のところ、カメラ付き携帯の年だったといえるだろう。期待されたNTTドコモのFOMAも普及は難航し、3G端末で順調といえるのはKDDIのCDMA2000 1xだけ。ところが“カメラ”については、ツーカーグループを除く各社がほぼ標準装備としてきた。

 では2003年は何がトピックとなるのだろうか。携帯電話のプラットフォーム争いは、2003年の焦点の1つになりそうだ。性能が向上しエリアも拡大する3G端末が普及を始めるのも2003年と見られる。そして留まることを知らない端末の高機能化は、今年、どこまでいくのだろうか。

必須となる開発プラットフォーム

 携帯の高機能化に伴い、ソフト開発の難度は格段に上がっている。端末の試験項目数は、iモード登場以前は3万−5万件だったのが今や10万件以上。3GのFOMAではそれ以上になっている。

 携帯電話開発のかなりの部分をソフト開発とテストが占めている現状では、開発負荷を減らすのが重要な課題だ。そのためのアプローチはいくつか考えられる。なかでも注目されるのが、ハードウェアとアプリケーションの間に抽象化層(プラットフォーム)を入れる方法。このプラットフォームは、PCでいうWindowsのようなもので、その上で動くアプリケーションは(ある程度)互換性を保つことができる。

 KDDIがau端末への搭載を進めているのが、クアルコムの「BREW」というプラットフォームだ。高速な動作が特徴といわれており、BREWアプリケーションはクアルコム製チップセットに特有の「gpsOne」(2002年8月の記事参照)などの機能を利用できる。BREWは他社のチップにも移植が進められていると言われるが、現状、動作するのはクアルコムチップが中心となる。

 近いうちにBREWを搭載した端末の発表を行うKDDIは、BREWを標準に近い仕様と位置づけているもようだ。

 もう一方の、まさに“OS”と呼べるプラットフォームが、Symbian OS(用語)。これまでNokia端末などへ搭載されていたが、国内でも富士通がドコモのFOMA端末「F2051」に搭載する(2002年12月の記事参照)。ドコモがSymbian OSをどう位置づけているのかは不明だが、開発コスト削減のため、共通のOSを搭載することも検討している。立川社長は記者会見で「1社のOSを共用したらどうか。3GのOSとしてSymbianはどうかという話も出ている」と話した(2002年9月の記事参照)。

 携帯向けプラットフォームとしては、ほかにもMicrosoftの「Smartphone」と「Pocket PC Phone Edition」や(2002年6月の記事参照)、Palmの「Palm OS」などが挙げられるが、国内では出遅れている。

2003年の端末はどこまで行くのか

 2003年の携帯の進化をひっぱるのも、やはりカメラになりそうだ。1つは高画素化(2002年10月の記事参照)。100万画素オーバーのカメラを搭載した端末の噂は、2002年秋頃からずっと流れており、「見た」という人も多い。

 画素数が上がると共に、撮影した画像を保存する外部メモリの重要度も増す。2003年のトピックはメモリカードと話す関係者も。

 合わせて、メインディスプレイの解像度も上がる。既に東芝製J-フォン向け端末「J-T08」はQVGA(240×320ピクセル)の液晶ディスプレイを搭載しており(2002年12月の記事参照)、カメラ性能を生かすためにも高解像度化は進むだろう。

 なお、分かっている2003年の新端末のスケジュールとしては、KDDIが「A5304T」などBREW端末を2月あたりに少なくとも1機種。そのほか、ソニー・エリクソンの「A1301S」や、京セラの「A5305K」が予定されている。ドコモはカメラ内蔵の251iSシリーズを2、3機種程度、GPS内蔵のiモード端末を1機種予定。J-フォンのスケジュールは不明だが、NECがパケット対応端末と思われる「J-N51」、シャープが「J-SH010」、東芝が「J-T09」、三菱が「J-D07」を準備しているようだ。



関連記事
▼ 富士通製FOMA「F2051」はSymbian OS搭載
富士通は、シンビアンが提供するSymbian OS搭載のドコモ向けFOMA新端末を開発したと発表した

▼ “携帯のOS”に狙い定めるMicrosoft
携帯の世界でも“標準OS”が必要な時期にきている。Microsoftは、「Smartphone」と「Pocket PC Phone Edition」を武器に、携帯電話OSでもスタンダードを目指す

▼ 100万画素の戦いへ〜ローム、携帯向けSXGAカメラを展示
ロームはCMOSを使った携帯向け130万画素カメラモジュールをCEATECで展示した。CCDカメラモジュールの開発を進めるシャープも、高画素化に意欲的だ

▼ モバイルスタンダード対応の“温度差”
Javaやマルチメディアメール、Webなどが世界的に普及するにあたり、端末メーカーなどからはサービスの標準化が求められている。しかし、推進役の一翼を担う通信キャリアの本音は、“自社のサービスプラットフォームをデファクトスタンダードに”することなのかもしれない

[斎藤健二, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!