Mobile:NEWS 2003年1月8日 00:35 AM 更新

急展開を迎える中国の携帯事情

世界第1位の契約者数を抱える携帯電話大国、中国。音声通話からデータ通信利用への移行に向けたサービス展開の兆しが見え始めている

 2002年11月末には、携帯電話利用者数が2億を超えた中国(2002年9月6日の記事参照)。2003年には次世代インフラの商用サービスが開始されるといい、音声からデータ通信サービスへの移行が始まろうとしている。

チャイナモバイルはJavaの試験サービス、チャイナユニコムはCDMA2000 1xの商用サービス

 中国は、中国移動(チャイナモバイル)と、中国聯通(チャイナユニコム)の2つの通信オペレータが携帯電話サービスを展開している。

 チャイナモバイルは、2002年9月にGPRSネットワークを利用した携帯電話インターネットサービスを開始、10月にはMMS(用語参照)の提供を始めた。6機種前後あるという、チャイナモバイル推奨の対応端末でMMSサービスを中国全土で利用できるようになったと、インデックス国際事業部の渡辺孝弘氏は言う。

 チャイナモバイルの携帯電話によるインターネットサービス「モンターネット」では、携帯インターネットのパケット課金が開始され、MMSでは和音の着信メロディ(1月7日の記事参照)やカラーの待ち受け画像など、よりリッチなコンテンツの配信が可能になった。パナソニック2002年6月3日の記事参照)やSony Ericsson(8月19日の記事参照)などのカメラ付き端末を使った画像付きメールの送受信にも対応、カメラ付き端末の価格は「高いもので日本円で10万円ぐらい」(渡辺氏)。日本の販売価格に比べると高価だが、カメラ付き端末の品薄状態が続いていたからか、好調な売れ行きだという。

 1月中旬には広東省でJavaの試験サービスが始まる見込み。渡辺氏は「春頃には携帯Javaのサービス動向が見えてくるのでは」と予測している。

 CDMAとGSMネットワークを使ったサービスを提供しているチャイナユニコムは、1月下旬にも広州を起点にCDMA2000 1xの商用サービスを開始する予定。CDMA2000 1x方式ネットワークのマルチメディアメッセージングソフトにはACCESS製品を採用するといい、ACCESSは中国にソフト販売子会社を設立している(2002年8月20日の記事参照)。2002年11月には「BREWに関するフォーラムが立ち上げられた」(鄭氏)といい、次のステップの視野に入っているようだ。

 3Gサービスについては、チャイナモバイルがW-CDMA(2002年8月2日の記事参照)、チャイナユニコムが、CDMA2000 1x(2002年10月22日の記事参照)からCDMA2000 1x EV-DO(2002年4月23日の記事参照)という路線が語られている。

 しかし、2002年10月29日にウォール・ストリート・ジャーナルは、中国政府が「TD-SCDMA」と呼ばれる同国独自の3G携帯電話技術を推進しており、そのためのアライアンス結成に向けて中国の主要通信機器メーカー/金融機関/チャイナモバイル/チャイナユニコムの代表や中国の高官らが会合を持つ予定があるという事情通の話を報じている(2002年10月29日の記事参照)。



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[後藤祥子, ITmedia]

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