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2003年1月31日　06:34 PM 更新

「ワーキングマザー支援グッズ」としてのPalmデバイス（1/2）

仕事に、遊びに、生活に──。持ち主のライフスタイルにとことんつきあってくれるのがPalmの持ち味だ。子育てに忙しいオクサマの「お助けデバイス」としての魅力を、ワーキングマザーのPalmユーザー、バジルさんに聞いた

　シンプルで直観的なインタフェースが魅力のPalmデバイス。ビジネス、趣味、生活などさまざまなライフスタイルをサポートするソフトウェアが多数公開されているのもファンが多い理由の1つだ。

　ソニーは既存のユーザー層に加え、若い学生や主婦層など、より幅広い層にCLIEをアピールしたい考え（2002年10月2日の記事参照）。先に発表されたエントリーモデル「SJ33」も、親しみやすいデザインのボディに音楽再生機能を標準搭載するなど、PDAに縁のなかったユーザーにもアピールするようなアプローチを図っている。

　こうしたデバイスは、忙しくて自由な時間がこまぎれになりがちな主婦層にはもってこいに思える。彼女たちに広く受け入れられるためには何が必要なのか──。ワーキングマザーでPalmユーザーのハジルさんに、お話を伺った。

出先で子供がぐずっても、Palmがあれば大丈夫

──お子さんが小さいときにPalmを購入なさったとのことですが、子育てに役立つことはありましたか？

　Visorを買ったのは、息子が1歳ちょっとの時で、立って歩き出して、外に出かけることも増えた時期でした。「Palmがあってよかった」と思ったことの1つに、子供を遊ばせられるというのがあります。自分が使おうと思ってPalmを取り出すと、子供が引っ張るんですよ。電車に乗っている時、子供が飽きて泣き出したりするのを止めるためにはすごく効果がありました。

　特に「Amusement Park」というソフトは、子供がすごくハマって遊んでました。風船が飛んでくるのをタップして止めたり、真ん中に出てきた動物と周りにいる動物で同じものをタップするという、とても単純なゲームばかりなんだけど、すごく面白いの。始めは電車に乗ってる間、静かにさせようと思って遊ばせていたのに、そうじゃなくてもやりたいやりたいって騒ぎだすから、Visorを息子から遠ざけちゃったこともありました（笑）。

神経衰弱や正しい時刻を指し示している時計当てなど、子供も楽しめる単純なゲームを集めた「Amusement Park」。難易度が3種類用意され、ゲームごとにスコアが表示される。単純だけに奥深く、大人もハマること必至（現に筆者はサルのように繰り返し遊びました）

　息子が乳児のときにPalmを手にしていたら、「Time Now DA」でスケジュールに授乳時間を入れて活用していたでしょう。ほかのお母さんに「こういうのがあるよ」と教えてあげました。

Palmのランチャーである「ホーム」画面を、自分の好みにカスタマイズできるソフトが「HOME」。背景を選択し、好きなボタンを使いやすい場所に配置できる（作者：福本修仁氏、シェアウェア）（左）。任意の文字列をボタンに登録しておけば、そのボタンをタップするだけで予定表に予定を挿入してくれるソフト。標準の予定表とは違い、開始／終了時刻を設定する必要がないので、少ない操作で予定が作れる（作者：原口 武久/TAKEONE、フリーウェア）（右）

──お子さんが大きくなってからは、お仕事を再開されたんですよね。

　仕事に行くようになってからは、買った食材と、それを元にした献立を先に考えて、Palmで管理するようになりました。というのも、朝、冷蔵庫をチェックして買うものを考えても、会社帰りに食材を買いに行く頃には冷蔵庫に何が残っていたかを忘れちゃっているからです。まだ残りがあるのに新しい食材を買ってしまうことも多かった。

　そこで、食材は土日にまとめ買いして、「コレとコレを使ってこの献立を何曜日に作って……」というふうに1週間の予定を立てて、Palmの予定表に入れてしまうことにしたんです。会社でPalmを見て、帰りに「今日はコレを作るんだな、そういえば卵が足りなかったな」と考えて買ったり──そういう使い方が便利でした。

　冷蔵庫の在庫を管理するアプリケーションも使ってみましたが、買った食材を入力するのはともかく、使用後に「使った」というチェックマークを入れるのが面倒で、忘れがちだったんですよね。在庫管理という観点はさておき、1週間分買った食材で作れる献立を先に書き出して計画を立ててしまった方が楽だし、食材を無駄にするのを防げました。でも、会社のパソコンとPalmをシンクロすると、これまでの献立がスケジュール表にズラッと並んでいるのがちょっと恥ずかしかったかな（笑）。 　友人が「Palmってすごく役に立つ」と絶賛していたのは、底値管理。スーパーで、おむつの一番安かった値段を常に書いておくんです。新聞の折り込みチラシを見て「安い！」と思えた価格でも、Palmでチェックしてみるとそれより100円高かった、なんていうこともあるそうですよ。

土日にまとめ買いした食材を使った献立を作り、Palmの標準付属ソフト「予定表」に書き記した状態。献立の重複も防げる（左）。使用したい食材を記入すれば、その食材を使った献立の候補を並べてくれる「ConDate」。レシピまでは表示されないが、1週間の献立を考える際のヒントになる（作者：higo氏、フリーウェア）（中）。複数のキーワード検索や、置換などに対応したメモ帳ソフトが「めもめも」（右）。レシピのデータベースをメモ帳に入れておき、めもめもを使って検索すれば目当てのものがサッと表示される。小さいPalmは台所にあっても邪魔にならない（作者：福本修仁氏、シェアウェア）

──Palmでは、Webコンテンツの閲覧ができるのも便利ですよね

　私はAirH"でインターネットに接続できるようにしていたので、通勤のために最寄り駅へ歩いている最中にいつも見ているWebサイトをダウンロードして、電車の中でそのコンテンツを見る──といった使い方をしていました。子育てをしていると、なかなかまとまった時間がとれないので、手が離せないときにダウンロードさせておいて、手が空いたら時に読む──といった使い方も、お勧めです。

携帯とPalm、それぞれの良さがある

──現在お使いのPalmは、ソニーの「CLIE PEG-T600C」とのことですが、CLIEはその後もさまざまなラインアップが発表されていますよね。デジカメやムービー、ボイスメモ機能が付いたNXシリーズには興味をそそられますか？

　ダンナが使っているんすが、ちょっと大きくて重いかな。手に馴染むサイズでないと使いにくいし、カバンに入れておくのに困るんですよね。女性にブレイクするために必要なのは、小ささと手軽さ、あとはかわいさではないでしょうか。

──発表されたばかりの「PEG-SJ33」（1月27日の記事参照）あたりはよさそうですね。女性を意識した「フレームオレンジ」も用意されている。あれならPDAに馴染みがないオクサマでも「かわいい、使ってみたい」と思えそうですが

　見かけはそうでも……Palmが普及するのに「ちょっと難しいかもしれない」と思うのは、「一見、何をするものかが分からない」ということだと思うんです。どのボタンを押せばいいのか、それによってどうなるのかが分からなくて、怖いという感覚があるのかもしれない。

かわいいデザインに小型ボディの「SJ-33」（左がフレームオレンジ、右がルーセントブラック）。音楽再生機能内蔵で、SonyStyleの価格は2万9800円。フレームオレンジとアズールブルーは限定販売モデル。アズールブルーはSonyStyleでは完売

[野田幾子, ITmedia]

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