PIM機能にフォーカスしたFOMA「F2051」〜前編FOMAの課題であった待ち受け時間が大幅に改善された第2世代FOMA。富士通初のFOMA端末「F2051」は、Outlookとの連携も可能なPIM機能重視の多機能端末だ
富士通初のFOMA「F2051」は、10万画素CCDカメラを内蔵し、静止画と動画撮影に対応した多機能端末。同時に発表されたNEC製の「N2051」やパナソニック モバイルコミュニケーションズ製「P2102V」と共に動画メールを送受信できる「iモーションメール」(2002年12月10日の記事参照)に対応している。 ここでは「F2051」を、「ハードウェア」「PIM機能」「カメラ機能」「操作体系」の4点から検証、前編・後編の2回に分けて紹介する。
「F2051」の特徴として注目を集めたのが「Symbian OS」(用語参照)の採用だ。本製品のPIM機能や実用的なマルチタスク機能は、Symbian OSによるところが大きいのだろう。 マルチタスク用には専用の「Task」ボタンが備えられ、通話、通信、その他の機能から最大2つの機能を組み合わせて同時に利用できる。これまでにもマルチタスク機能を備えたFOMA端末は存在したが、本製品ではかなり柔軟にマルチタスクを活用できるようになっている。 静止画、動画撮影に利用するカメラユニットはカバー部のトップに位置し、270度回転する。レンズ部を完全に隠すこともでき、それがレンズカバー部の保護機能も兼ねる。画素数は有効10万画素と、情報量指向のものではない。 ボディは多少の無骨さも感じるが、サイズはちょっと大き目の折りたたみ携帯電話という印象。ただし、直線的で厚みがあるデザインで、キーが上下に長い範囲に配置されているため、手の小さい人は片手での操作に難を感じるかもしれない。
メインディスプレイは2.2インチと大型で、文字サイズは4段階に切り替えられる。最小フォントサイズならメール本文が最大で17×13文字、1画面221文字表示でき、行間も余裕をもって確保されているので視認性も悪くない。
背面液晶は、今どきのカメラ内蔵端末では少数派になりつつある2行表示のモノクロ液晶。背面部には3つのキーが配置され、さまざまな情報をカバーを閉じたままで確認でき、センター問い合わせなども行える。 操作部は独立した4方向キーで、「Task」キーを最下部に備えるのが特徴。全体に操作感は悪くなく、キータッチは折りたたみ型としては良好だろう。
「F2051」には、最大登録数の700件すべてに顔写真を登録でき、1件に電話番号とメールアドレスをそれぞれ5つ、住所や会社名なども登録できるアドレス帳がコアとなるPIM機能が搭載されている。アドレス帳以外にスケジュール、メモ機能などがPIMに属する機能だ。
スケジュールは表題、開始/終了日時、メモを登録可能で、アラーム(開始時刻)と予告アラーム(3〜60分前)をそれぞれ設定できる。毎日、毎週、毎月、毎年、曜日指定で繰り返しのスケジュールに設定できる。スケジュールは月間カレンダーからその有無と内容を確認できるので、かなり実用的だ。
スケジュールにはアドレス帳からメンバーリストに登録しておくと、まとめてスケジュールの通知メール(決まったフォーマットのメール)を送信できる。通知メールを受信したF2051ユーザーは、ワンタッチでスケジュールに取り込むことも可能だ。
Outlookとの連携は、付属のデータリンクソフトで行う。PCと本機を別売りのUSBケーブルで接続すれば、本機からOutlook、Outlookから本機へスケジュールとアドレス帳をコピーできる。同期はできないが、スケジュールはコピーする日付の範囲指定は可能。「月単位程度でコピーするようにして、入力は常にPC」というように利用するには便利だろう。
本機の大きな特徴であるPIMのOutlookとの連携だが、実用的かといわれると首をかしげる部分もある。同期ができないのはもとより、メンバーリストやアラームはOutlookに反映されず、Outlookで入力して本機に反映させることもできない。もしOutlookとの入出力を頻繁に行うなら、メンバーリストやアラームの利用は事実上諦めるしかない。 PIMの情報はデータリンクソフトに取り込んで(バックアップ)、一覧したり詳細を表示させられるが、情報の入力はできない。せめてデータリンクソフトがPC側のPIMソフト代わりになれば、少なくとOutlookにこだわりのないユーザーにとってはPIMの使い勝手が向上したのではと思えてならない。 関連記事 ドコモ、バッテリー強化、動画メール送信対応のFOMA〜3機種発表 NTTドコモは続待受時間が約170−180時間と向上、動画のメール送信に対応したFOMA端末3機種を発売する。12月中旬以降順次投入予定 写真で見る、新型FOMA 待受時間を伸ばすと共に、カメラ・赤外線を標準搭載。さらには「ニューロポインター」「回転する液晶」など新フィーチャーを盛り込んできた、新しい3つのFOMA端末。それぞれの端末を写真で見ていこう 「FOMA F2051」登場、新規価格は3万円を切る バッテリーライフが強化され、動画メールに対応した新しいFOMA。1月18日に先陣を切って登場した「F2051」の新規価格は3万円を切っている 新世代FOMA、待ち受け時間向上の秘密 新しい3つのFOMAでは、待ち受け時間が170-180時間と、従来の3倍にまで伸びた。しかし電池容量はほとんど変わっていない。いったいどのようにして待ち受け時間を伸ばしたのだろうか? 富士通製FOMA「F2051」はSymbian OS搭載 関連リンク 富士通 NTTドコモ [坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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