Mobile:NEWS 2003年1月31日 11:43 PM 更新

PIM機能にフォーカスしたFOMA「F2051」〜前編

FOMAの課題であった待ち受け時間が大幅に改善された第2世代FOMA。富士通初のFOMA端末「F2051」は、Outlookとの連携も可能なPIM機能重視の多機能端末だ

 富士通初のFOMA「F2051」は、10万画素CCDカメラを内蔵し、静止画と動画撮影に対応した多機能端末。同時に発表されたNEC製の「N2051」やパナソニック モバイルコミュニケーションズ製「P2102V」と共に動画メールを送受信できる「iモーションメール」(2002年12月10日の記事参照)に対応している。

 ここでは「F2051」を、「ハードウェア」「PIM機能」「カメラ機能」「操作体系」の4点から検証、前編・後編の2回に分けて紹介する。

Symbian OSを採用した多機能端末

 「F2051」の特徴として注目を集めたのが「Symbian OS」(用語参照)の採用だ。本製品のPIM機能や実用的なマルチタスク機能は、Symbian OSによるところが大きいのだろう。

 マルチタスク用には専用の「Task」ボタンが備えられ、通話、通信、その他の機能から最大2つの機能を組み合わせて同時に利用できる。これまでにもマルチタスク機能を備えたFOMA端末は存在したが、本製品ではかなり柔軟にマルチタスクを活用できるようになっている。

 静止画、動画撮影に利用するカメラユニットはカバー部のトップに位置し、270度回転する。レンズ部を完全に隠すこともでき、それがレンズカバー部の保護機能も兼ねる。画素数は有効10万画素と、情報量指向のものではない。

 ボディは多少の無骨さも感じるが、サイズはちょっと大き目の折りたたみ携帯電話という印象。ただし、直線的で厚みがあるデザインで、キーが上下に長い範囲に配置されているため、手の小さい人は片手での操作に難を感じるかもしれない。


左から「P504iS」「F2051」「N2002」(第1世代FOMA)。さすがに最新のPDC端末よりは大きいが、カメラを内蔵しない「N2002」と比較しても特にサイズが大きいということはない。もっとも厚みは「N2002」より増している。背面液晶はモノクロで、その下に表示内容を切り替えるための3つのボタンを備える


端末を開くと「P504i」より長い。ボディの絞り込みがほとんどないので大きく見えてしまうようだ。キーの数は多く、最下段にマルチタスクを簡単にコントロールできる「Task」ボタンを備える

 メインディスプレイは2.2インチと大型で、文字サイズは4段階に切り替えられる。最小フォントサイズならメール本文が最大で17×13文字、1画面221文字表示でき、行間も余裕をもって確保されているので視認性も悪くない。


左から最小、中、大。これに小も加わる。最小でも視認性は十分で、文字が判別しにくいことはない

 背面液晶は、今どきのカメラ内蔵端末では少数派になりつつある2行表示のモノクロ液晶。背面部には3つのキーが配置され、さまざまな情報をカバーを閉じたままで確認でき、センター問い合わせなども行える。

 操作部は独立した4方向キーで、「Task」キーを最下部に備えるのが特徴。全体に操作感は悪くなく、キータッチは折りたたみ型としては良好だろう。

Outlookとのデータ交換もできるPIM機能

 「F2051」には、最大登録数の700件すべてに顔写真を登録でき、1件に電話番号とメールアドレスをそれぞれ5つ、住所や会社名なども登録できるアドレス帳がコアとなるPIM機能が搭載されている。アドレス帳以外にスケジュール、メモ機能などがPIMに属する機能だ。


アドレス帳には1データに電話番号、メールアドレスがそれぞれ5件、住所や会社名なども登録できる。1画面には収まらないので、左右キーで画面を切り替えて詳細表示を行う

 スケジュールは表題、開始/終了日時、メモを登録可能で、アラーム(開始時刻)と予告アラーム(3〜60分前)をそれぞれ設定できる。毎日、毎週、毎月、毎年、曜日指定で繰り返しのスケジュールに設定できる。スケジュールは月間カレンダーからその有無と内容を確認できるので、かなり実用的だ。


月間カレンダーではスケジュールのある日は青丸で囲まれ、先頭のスケジュールが確認できる。日を選択するとデイリービュー、さらに1件のスケジュール表示となる

 スケジュールにはアドレス帳からメンバーリストに登録しておくと、まとめてスケジュールの通知メール(決まったフォーマットのメール)を送信できる。通知メールを受信したF2051ユーザーは、ワンタッチでスケジュールに取り込むことも可能だ。


メンバーリストを登録しておくと、スケジュール内容を同報メールで送れる。アラームは予告設定にも対応、スケジュールは繰り返し設定も行える

 Outlookとの連携は、付属のデータリンクソフトで行う。PCと本機を別売りのUSBケーブルで接続すれば、本機からOutlook、Outlookから本機へスケジュールとアドレス帳をコピーできる。同期はできないが、スケジュールはコピーする日付の範囲指定は可能。「月単位程度でコピーするようにして、入力は常にPC」というように利用するには便利だろう。


データリンクソフトのインタフェース。PIMのバックアップやOutlookとのデータ交換に加え、静止画、動画、メロディなどのバックアップに対応する。静止画や動画はそのまま個別のファイルとして保存できる

 本機の大きな特徴であるPIMのOutlookとの連携だが、実用的かといわれると首をかしげる部分もある。同期ができないのはもとより、メンバーリストやアラームはOutlookに反映されず、Outlookで入力して本機に反映させることもできない。もしOutlookとの入出力を頻繁に行うなら、メンバーリストやアラームの利用は事実上諦めるしかない。

 PIMの情報はデータリンクソフトに取り込んで(バックアップ)、一覧したり詳細を表示させられるが、情報の入力はできない。せめてデータリンクソフトがPC側のPIMソフト代わりになれば、少なくとOutlookにこだわりのないユーザーにとってはPIMの使い勝手が向上したのではと思えてならない。



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[坪山博貴, ITmedia]

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