Mobile&Movie 第49回
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作品名 | 13階段 |
監督 | 長澤雅彦 |
制作年・製作国 | 2002年日本作品 |
傷害致死罪で服役後、仮釈放された三上純一。事件の影響で、実家の仕事は取引先から断られ、妹の結婚は破談。被害者家族への多額の慰謝料を払うために借金を重ね、出所後の生活は厳しいものでした。ある日、三上のもとを、刑務官の南郷が訪れます。
南郷は刑務所内で、ほかの受刑者とはどこか違う三上の姿に自分と通じ合うものを感じていたのです。死刑確定囚の冤罪を晴らす調査を依頼された時、その仕事の助手にと思い浮かんだのは、静かな三上の横顔でした。三上は前科のある自分が関わることに抵抗を覚えましたが、報酬が家計を助けることにもなるため、それを承諾します。
さっそく南郷は、クライアントの仲介役である弁護士、杉浦のもとへ、三上を連れて行きます。ここで初めて聞かされた事件の全容──。10年前の夏、発生した残忍な殺人事件。被害者は樹原亮の保護司夫妻で、当時、樹原は仮出所中の身、そして窃盗の前科がありました。現場には、樹原が保護司夫妻を金目当てで殺したことを裏付けられる状況証拠が残っていましたが、樹原は犯行時刻の記憶をまったく失くしていたのです。
記憶のない樹原は犯行の否認も自供もできず、そんな彼に言い渡されたのは“死刑”判決。執行まであと3カ月に迫った時、樹原は事件当日のことを1つだけ思い出したのです。それは“階段を登っていた”という記憶の断片。その記憶を確かなものにするため、南郷と三上の調査が始まったのです。
クライアントの身元を明かすことはできないが、真犯人が分かれば多額の成功報償を保証するという杉浦。
「これが、南郷さん。これは三上さん」
箱ごと渡された新しい携帯電話は、Jフォンのもの。
「通信費は経費でまかないますので、バンバン使ってください」
こうして、2人は調査に使う携帯電話を持つことになりました。限られた時間の中で、新しい証拠探しに没頭する2人。犯行現場の周辺に絞り込み、可能性を信じてあらゆる場所へ“階段”を探しに行くのでした。
その中で発見した新事実──。南郷には信じられないことでしたが、三上は保護司夫妻が殺された日、この町に来ていたのです。
事件当日のことを語ろうとしない三上を、それでも南郷は信じようとします。南郷がここまで、この冤罪事件に力を尽くすのは、南郷にも一生背負っていく癒えない心の傷があったからなのでした。刻一刻と期限が迫る中、南郷の携帯が鳴ります。
「死刑執行通達が来ました」
刑務官の仲間から、教えられた最終的なタイムリミット。
「死刑は4日後の朝です」
それまでに真犯人を見つけ出さなければ、樹原は罪を償うこともできないまま死刑に、そしてその後真犯人が発見されれば、同じように死刑が確定してしまいます。南郷は残された時間で、事件の真相を究明できるのでしょうか。
関連リンク[本田亜友子, ITmedia]
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