Mobile:NEWS 2003年2月28日 01:19 AM 更新

au端末の型番の謎

これまで動画対応は「5000シリーズ」の特権だった。しかし「A1300シリーズ」の登場で、型番と機能の関連が分かりにくくなってきている。現在の機能をまとめると共に、au端末の今後の進化の方向を探ってみよう

 KDDIが新端末、「A1301S」と「A1302SA」を発表した(2月27日の記事参照)。これまである程度型番によって機能が分かれていたau端末だが、従来5000番台シリーズのみが備えていた動画機能が、A1000番台にも搭載されたことで、シリーズごとの機能差が分かりにくくなっている。

 これを機に、新機能の位置づけをまとめてみよう。

au端末の型番の見方

 現在、auのCDMA端末は大きく2種類に分けられる。頭に“A”が付くものと“C”が付くものだ。これは、通信方式の違いを表している。

A1301S
通信方式機能1機能2出した順番メーカー名

 Aが付くのが、CDMA2000 1x──2002年4月に導入した、KDDIの第3世代携帯電話の通信方式の端末だ(2002年3月の記事参照)。最大通信速度は下り144Kbpsとなっている。

 Cが付くのは、cdmaOneという一世代前の方式。KDDIはcdmaOneからCDMA2000 1xへの切り替えを進めており、今年の3月には、1400万の契約者のうち半数をCDMA2000 1xに移行させる計画だ。

 次の“1”は機能の違いを表している。従来、1と3と5があり、1はエントリーモデル、3はミドルモデル、5はハイエンドモデルを現していた。3と5には、GPS機能およびJavaが付いていたわけだ。

 3と5の違いは、「動画再生ができるかどうか」だったのだが、現在は少々変わってきている。A1300シリーズの登場で、動画は5000シリーズの特権ではなくなったからだ。またBREWは普及帯機にも入れていくされており、アプリケーションが動くかどうかも違いではなくなってきそうだ。現在のところ、「GPS機能があるかどうか」が1と3&5の違いとなっている。

 次に出てくる“3”は、動画メール対応かどうかを示しているようだ。現在、“Ax3xx”という型名の機種は、「A5301T」「A5302CA」「A5303H」「A5304T」「A1301S」「A1302SA」と6機種あるが、いずれも動画メールに対応している。ちなみに、1機種のみだったが“1”が付いている機種はWAP2.0対応を示す(3000、5000シリーズはもともとWAP2.0対応なので、1は付かない)。

 次の二桁は、そのシリーズで出た順に付けられる。1機種目は“01”、2機種目は“02”という具合だ。

 最後の英字は、製造メーカー名を示す。

アルファベットメーカー
T東芝
H日立製作所
CAカシオ計算機
SA三洋電機
Sソニー(ソニー・エリクソン)
ST鳥取三洋電機
K京セラ
P松下電器
Mモトローラ

標準機能は型番に現れない?

 シリーズごとに切り分けず、標準的に搭載される機能は型番には反映されないようだ。例えば、カメラは基本的に標準搭載であり、カメラが付いているかどうかでは型番は変わっていない。

 逆に言うと、新機能が盛り込まれても型番に変化がないのなら、単発で終わる機能か、標準搭載となる機能だと見ることができる。

 端末を出た順に並べて、機能の有無をまとめると、以下のようになる。

機種名カメラ送信文字数拡大絵文字数着うたBREWフォトミキサームービーメール
A1012K190
A3011SA190
A3012CA190
A3013T190
A3014S190
A1013K190
A1014ST190
A3015SA190
A5301T497
A1101S497
A5302CA497
A5303H497
A5304T497
A1301S497
A1302SA497
今後標準搭載標準搭載ツインCPUモデルを除き標準搭載標準搭載標準搭載?

今後のau端末の進化は?

 では、今後大きく型番が変わる可能性のある進化点はどこだろうか。確実にいえるのは、CDMA2000 1x EV-DOへの対応だ。

 KDDIは4月にEV-DOの試験サービス、秋には800MHz帯で本サービスを予定している(2002年7月の記事参照)。秋の段階では、EZwebでEV-DOが使えるとしており、大きく型番が変わるのは確実だろう。

 また前後して、ベースバンドチップもMSM6000シリーズに変わる予定だ(2001年7月の記事参照)。MSM6000シリーズではダイレクトコンバージョン方式(ZIF)の「Radio One」技術を盛り込むと共に、上位チップでは従来のARM7コアからARM9コアにプロセッサスピードもアップさせる。同時期に、基地局情報を使わないGPS測位(MSベースド)も可能になると見られている。



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[斎藤健二, ITmedia]

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