Mobile:NEWS 2003年3月3日 09:45 PM 更新

無線LANに指紋認証〜HPの「H5450」英語版を試す(2/2)


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 普及度では無線LANには及ばないBluetoothだが、H5450ではCFスロットを持たないことをカバーする役目も果たす。内蔵BluetoothユニットはPAN(Pesonal Area Network)やオーディオゲートウェイ(ヘッドセット)もサポートする最新仕様のものだ。  cdmaOne端末+Bluetoothアダプタでインターネットへのダイヤルアップ接続を行ってみたところ、快適なインターネットアクセスが行えた。


Bluetoothユーティリティもオリジナルのもの。ダイヤルアップ接続もここから起動できて便利だ

 同じ2.4GHz帯を利用するため干渉が気になる無線LANとBluetoothだが、両機能を有効にしておいてもメール受信、Webアクセスなどでは特に通信速度の低下を感じることはなかった。

簡単、確実に高セキュリティを実現する指紋認証

 もう1つの特徴が指紋認証だ。4方向キーの下部にセンサーが内蔵されており、この上で指を滑らせて指紋を読み取らせて認証に利用できる。

 指紋認証は、もともとPocket PCが備えるパスワード機能の認証手段の1つとして利用できる。簡易な数字4桁のピンコード、英数字の複雑な文字列の代わりとして使え、併用もできる。

 PDAはノートPCに比べ、そのコンパクトさゆえ紛失の可能性も高く、本来ならばパスワードロックは必然のセキュリティ対策だ。しかしペン入力のPocket PCで、起動のたびに文字入力でパスワードを解除するのは煩わしく、Pocket PCの手軽さをスポイルすることにもなる。しかし指紋認証ならワンタッチでパスワード解除できるのだ。

 組み合わせて利用できるのも便利。指紋認証も十分認識率は高いとはいえ100%ではないし、センサー部が故障する可能性もゼロではない。「指紋認証又はピンコード」「指紋認証又は文字列」といったパスワードロックにしておけば、普段は指紋認証を使い、指紋認証がうまくいかない場合にはほかの方法で──という融通も利く。


指紋認証時には使い方がアニメーション表示される。登録済みの指も表示されるので、どの指で登録したか迷うこともない。パスワードロックとしてはピンコードや文字のパスワードと組み合わせて(両方、もしくはどちらかで認証)使うことも

 指紋認証は横長のセンサー上を指でなぞる、いわゆる「動き感知式」だが、“ゆっくり”とか“一定速度で”などと気を使わなくても指紋は認識される。両手の指すべてを登録してしまう(親指はセンサーの幅からいっても辛そうだが)ことも可能だ。

 本来は指を下から上に移動させるようになっているが、筆者の場合、上から下へ移動させた方がスムーズであった。これは「動き検知」ががどちらの方向にでも機能していることを示しており、かなり融通の聞くセンサーだといえる。

 使ってみると、PDAでこれ以上に便利なパスワード管理はないという印象だ。右手の人指し指と薬指を登録し、本製品を左手で保持して指紋認証を行うスタイルで使っていたが、認識率はほぼ100%で指紋認証に必要な時間は実質1秒程度。これならばパスワードロックを常用できる。

日本語版が待ち遠しいハイエンドモデル

 H5450の英語版モデルは、ウリとなっている無線LAN機能や指紋認証機能が極めて快適に、実用的に利用できる。

 半面、CFカードスロットを内蔵していないのは国内ではマイナス材料にもなる。ジャケットを利用すればCFカードもPCカードも利用できるが、スマートさが大幅に失われてしまうからだ。

 SDカードスロットも、H3900シリーズでSD/IOに対応したはずなのだが、依然ドライバなどは供給されていない。日本ではAirH"のSDカード型端末が提供されており、本製品もハードウェア的に対応済みならば日本語版発売時には、ドライバの提供を望みたい。「無線LAN以外でのインターネット接続には結局ジャケット必須」となれば、無線LAN内蔵のメリットが半減してしまう。

 H5450は、米国での直販サイト価格が699.99ドルと決して安くはない。しかし無線LANやBluetoothカードに投資が不要なことから魅力を感じる人も多いだろう。いずれにせよ、日本語版の発売が待たれる魅力的な製品であることには間違いない。



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[坪山博貴, ITmedia]

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