日本初。行政が提供する「市民向けiアプリ」登場これまで行政から市民への情報提供は市報や掲示板がほとんど。最近でこそサイトで情報提供するところもあるが、まだまだ多くはない。そんな中、福岡県飯塚市がケイ・ラボラトリーと共同でiアプリを使った「市民向けニュースブラウザ」を開発した
小学校の入学通知書のお知らせや、乳幼児健康診断の日程、公民館サークル生の募集──。これら市町村からの情報を、市民ははどうやって入手しているのだろうか。通常は、市報や市役所の掲示板などで見ることが多いが、忙しくて見られない人もいるはず。 そんな人達のために、福岡県飯塚市(人口約8万人)が、携帯電話向けソフトウェアの研究開発を行っているケイ・ラボラトリーと共同で、「市民向けニュースブラウザ」(iアプリ)を開発し、3月6日より配信を開始した。
飯塚市江頭貞元市長(中央)とガッチリ握手をする、ケイ・ラボラトリーの真田哲弥社長と、九州飯塚ラボに勤める九州工業大学のみなさん
iアプリでは項目を「掲示板」「健康」「イベント」「施設」などの6つに分け、それぞれ最大で7つのニュースを配信。1回のアクセスで各項目の見出しだけを取得し、見たい情報だけを読める。一度取得した情報はアプリに保存され、何度でも見られる上、通信料もかからない。 「これまでのサイトだと何度も通信し、パケット代がかかった。見やすさもアプリのほうが数段上」(ケイ・ラボラトリー真田哲弥社長)というように、使い勝手だけでなく通信料も節約できる。さらに、長い情報を読んでいる途中に「しおり」をはさみ、次回その場所から読めるといった機能も備わっている。
左が同時にオープンした飯塚市のサイト。右がiアプリの画面。どちらも見られる情報は同じだが、Java版の方が見やすさや操作性がよい。例えば予防接種の日時など、市報を探さなければ分からないような情報を、いつも持ち歩いている携帯電話で見られるという手軽さがある。サイトはiモード、EZweb、Jスカイ対応
飯塚市の江頭貞元市長は、「行政情報や観光情報だけでなく、健康情報などもJavaアプリを使って閲覧できる」と多くの情報が閲覧できることをアピール。市報「いいづか」(月2回刊)、イイヅカコスモスコモン(月1回刊)に掲載している情報を提供していく。 実際に情報の発信を担当する、飯塚市役所の肘井政厚氏(情報化推進本部 地域情報係長・情報推進主査)は、「飯塚市民はもちろんですが、全国の皆さんに飯塚を知ってもらいたい」と話し、今後はシーズンごとの観光紹介も取り入れていくという。 さらに、将来的には市のキャラクター画像のダウンロードや、主要施設に直接phone to機能を使って電話できるような仕組みも視野に入れている。
この取り組みは、飯塚市が行ってきた「TRY VALLEY」構想と、ケイラボが地方で進めている産学連携の研究開発拠点「ラボ」の構想とが合致したもの。ケイラボは、九州工業大学などの学生を雇い、「九州飯塚ラボ」としてJavaの開発を行う拠点を飯塚市に設立。今回のiアプリはその九州飯塚ラボの学生社員が制作した。 ケイラボの真田氏は、「2002年4月に『九州飯塚ラボ』を開設してから、いろいろな市町村から誘致のお話を受けた。しかし、実際に市政から受注をされるなどの結果が生まれたのは飯塚市が始めて」と話す。今後も九州飯塚ラボの学生が飯塚市と協力しながら、新しい機能の追加など、より市民に市の情報を伝えやすいアプリに仕上げていくという。 さらに、「この行政iアプリは、市民への有効な情報伝達手段として、まずは飯塚市でトライし、それをプロトタイプとして全国の行政にも使ってもらいたい」(真田氏)とも話すように、これからこのアプリをベースに、全国の自治体に向けてソリューション提供を積極的に行っていくという。 今後、同じようなiアプリが他の市町村でも展開される日は、そう遠くはなさそうだ。 関連リンク 飯塚市携帯Webシステム「e-zuka市役所」 ケイ・ラボラトリー ニュースリリース [iモードスタイル編集部 近藤正充, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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