携帯電話を世界最小の映画館に〜「ケータイシネマ計画」携帯電話で映画を見る──そんな新しい上映形式を提案するのが「ケータイシネマ計画」。音声付き動画を楽しめるようになった携帯電話向けに映像作品を制作・上映しようというプロジェクトだ
最近の携帯電話は、音声付き動画を閲覧できるものも増えてきた。そんな中、「携帯電話を小さな映画館にしてしまおう」というのが「シブヤマニア」の1コンテンツ「ケータイシネマ計画」だ。
2002年夏に登場したケータイシネマ計画は、静止画と動画を組み合わせた映像作品を携帯電話向けに制作・配信するプロジェクト。 auのezmovie対応機向けには15秒のケータイシネマを12本、動画非対応の端末向けには静止画とテキストによるパラパラ漫画風の作品を公開。J-フォンの動画写メール対応端末向けには、動画を使った出演者のコメントを提供している。 ハチ公前の街頭ビジョン「QFRONT」での予告編上映を経て、2月24日から27日にかけてディレクターズバージョンの劇場公開を実施した。 ディレクターズバージョンの公開会場となった「シネマ下北沢」は、映画出演者の舞台挨拶もあって超満員。梶研吾監督作品「Aka-Tuki」、前田哲監督作品「○死に方のコツ●生き方のツボ」、井上秀憲監督作品「MEN SOUL」が上映された。
携帯版では15秒の連続ショートドラマ風だった「Aka-Tuki」。天才ミュージシャンの醍葉月光が新しく作った曲は、自画自賛の傑作。真っ先に妹の赤月に聞かせようとした時、新曲入りのCDが何者かに奪われてしまう。零視聴覚という特別な能力を持つ赤月がその行方を追うと、CDが怪しいコレクターに渡ろうとしていた──というストーリーだ。ディレクターズバージョンは、不思議な雰囲気を漂わせながらCDをめぐる命がけの対決へと一気に展開していく。 「○死に方のコツ●生き方のツボ」の携帯版は途中でストーリーが終わっており、本編を見て初めてオチが分かるというもの。ある男が自殺しようとビルの屋上にいると、向かいのビルにも思いつめた顔の男が。互いに「お先にどうぞ」と譲り合っているうちに、タイミングを逃す2人。自殺したい男たちは、どんな方法なら死ねるのか──そのオチは、思わず吹き出してしまうユニークなものだ。 「MEN SOUL」は、登場人物の自己紹介クリップを携帯版で配信し、本編への期待を高めるというアプローチだ。コンピュータオタクのYUHKIが、秋葉原で買ったパーツを組み合わせて作ったノクトビジョン。これを巡って兄弟喧嘩が始まった──一方、公園ではインラインスケーターのCHIAKIがタイ帰りの先輩MITSUGUにつかまり、怪しいグッズの数々を押し付けられる。ピザ屋の出前をするBMXのKAZUMAを始めとするエストリームスポーツのプロフェッショナルや、ヤクザ軍団、警官などが集結、渋谷の街を駆け抜けていく──。この作品は、とにかく登場人物が多く、見終わったあとに携帯版で顔と名前をチェックしなおすとさらに楽しめる。
ディレクターズバージョンは、それぞれ10分程度の長さ。それぞれ完成度が高く、ユニークでスピード感のあるショートフィルムに仕上がっている。
ケータイシネマの魅力は、いつでもどこでもショートフィルムを楽しめるところ。何気なく見たケータイシネマが、日常に小さな笑いや感動をもたらしてくれるかもしれない。 俳優の松田悟志さんは「携帯で何でもできるんだと感じた。誰もが持ってる携帯電話から映画に親しんでもらうことで、映画離れを解消したい」とケータイシネマに期待を寄せる。 「ケータイシネマ計画」では、携帯電話を起点に街頭ビジョンや劇場、ブロードバンドなどと連携して、より広く作品をアピールしていきたい考えだ。メイキングビデオを加えた、全バージョンのブロードバンド配信は、TTNETの「パワーブロード」で配信予定。興味のある方は「シブヤマニア公式サイト」をチェックしてほしい。 携帯電話から「シブヤマニア」へのアクセス方法は以下の通り。
「J-フォンメニュー」-「関東メニュー」-「タウン・レジャー」-「シブヤマニア」
「EZインターネット」-「グルメ・タウンガイド」-「タウンガイド」-「全国」-「シブヤマニア」
月額利用料金は300円 関連記事 ケータイ専用「世界最小の映画祭」 CTIA Wireless 2003の一環として米プロダクションBigDigitが主催した携帯電話用ミニムービーのフェスティバルに、100以上の映像作品が出品された(ロイター) 関連リンク シブヤマニア [本田亜友子, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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