Mobile:NEWS 2003年3月21日 05:26 PM 更新

回転する液晶を備えたFOMA「P2102V」を試す(2/2)


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VGAサイズも可能な静止画撮影

 側面に搭載されたカメラユニットは31万画素CMOSのカメラユニットは、静止画ではVGAサイズの撮影も行える。「ファイン」で撮影したところ、周辺部での画質低下も少なく光学系の質のよさを感じる。これは奥行きが確保しやすいヒンジ部にカメラユニットを収容したメリットだろう。

 静止画の撮影は本体メモリ、SDカードへの保存ともに撮影サイズは共通。静止画、動画とも本体←→SDカード間で相互にコピーでき、SDカード内の静止画、動画にはPCから普通にアクセスできる。


左がP2102Vで撮影したVGA撮影、右が三洋電機「MZ1」で撮影したVGA撮影。P2102Vは明るい部分の白とびが気になり少々シャープさにも欠けるが、実用的なレベルには達している。周辺部での樽型ゆがみもほとんど感じない


上段がCIF(352×288ピクセル)、下段がQCIF(176×144ピクセル)で、左がもっとも広角、右が望遠寄りとなる。ズームは電子式だが無段階で、CIFでは1.5倍程度、QCIFでは3倍程度となる。望遠寄りでもそれほど情報量は落ちていない。これら以外にもっとも小さなSubQCIF(128×96ピクセル)、壁紙サイズ(176×198ピクセル)での撮影も可能


夜間のファーストフード店内。照明の影響もそれほどなく、ほぼ適切な露出。ナイトショット、フラッシュなどの機能は持たないが、夜間の室内程度の撮影なら問題ないだろう

SDカード対応で長時間録画も可能な動画撮影

 動画撮影機能は本体メモリに保存する場合は「長時間」「標準」「高品質」が選択可能で、撮影サイズはSubQCIF(128×96ピクセル)、QCIF(176×144ピクセル)、QCIFの3種。ノーマルとファインは同じ撮影サイズでファインのほうが高画質という位置づけだ。メールに添付する場合にはそれぞれ撮影時間は26秒、17秒、10秒だ。

 SDカードへ保存する場合にはファイン、スーパーファインの選択になり、ファインが高品質に相当する。なおスーパーファインだけは独自の保存形式で、拡張子は「.sdv」。調べたかぎりではPC上で再生できるソフトは見つけられなかった。スーパーファイン以外であればPhilipsの提供する「Platform4 Player」プレイヤーで再生が可能だ。

読者から「.sdv」ファイルの拡張子を「.3gp」に書き換えれば閲覧可能という情報が寄せられた。編集部でもこの方法で閲覧可能になることを確認した

「長時間」の動画のサンプル(3gpファイル、クリックしてダウンロード。要Philipsの「Platform4 Player」

「標準」の動画のサンプル(3gpファイル、クリックしてダウンロード。要Philipsの「Platform4 Player」

「高品質」の動画のサンプル(3gpファイル、クリックしてダウンロード。要Philipsの「Platform4 Player」

「高品質」で撮影中にズームした動画のサンプル(3gpファイル、クリックしてダウンロード。要Philipsの「Platform4 Player」

 撮影した動画は流れるようにスムーズとまでいわないまでも、動画として楽しめるレベル。スーパーファインの画質はP2101Vで再生しても格段にいいことは分かるので、ぜひPCで再生可能なプレイヤーソフトの公開を望みたい。

多機能が楽しいビジュアルタイプFOMA

 P2101Vで気になったのは、SDカードに保存した静止画や動画を直接メールに添付できない(一度本体メモリにインポートする)、動画再生時にSDカードへのアクセスに時間がかかるなど、SDカードにまつわる部分。もちろん改善を望みたい部分ではあるが、がまんできないほどではない。

 一連の「P」のカメラ内蔵端末はサムネイルに対応していなかったが、P2101Vでは一覧の下部に選択している静止画/動画(先頭の静止画)が表示されるようになった。次の機種ではぜひ本格的なサムネイル表示への対応を望みたい。

 静止画、動画共に保存も素早くきびきびした動作は魅力。独自の撮影スタイルは好みが分かれる部分でもあるが、従来の「P」に見られたソフトウェア面の不満も大幅に改善されており、完成度の高いビジュアル端末に仕上がっている。



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▼ パナソニック モバイルコミュニケーションズ

[坪山博貴, ITmedia]

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