Mobile:NEWS 2003年4月14日 08:11 PM 更新

次は光学ズーム〜進化止まらぬ携帯カメラ

携帯電話向けの光学ズームレンズユニットの開発が進んでいる。ミノルタコンポーネンツ、東芝、マクニカなどが、2倍程度の光学ズームを可能にするモジュールを開発中。ただし、製品への搭載へはまだ課題が残っている

 11万画素から始まった携帯電話内蔵のカメラは、今やメガピクセルオーバーまで画素数を増やしてきた。世界最高となる「SO505i」に搭載された130万画素CCDでは、レンズ付きフィルムに迫る写真撮影を可能とする(4月8日の記事参照)。

 しかし、一般のデジタルカメラと比べると足りないのが“光学ズーム”だ。普及機でも光学3倍ズームが普通のデジカメと異なり、携帯電話のズームはデジタル方式のみ。大サイズではズームできなかったり、ズームできても画質が落ちたりする。

開発進む、携帯向け光学ズーム

 マクニカは携帯向けの光学ズームレンズを開発(4月7日の記事参照)。4月9日から開催されていた「センサ総合展2003」に出展した。

 「小ささとシンプル性を追求した」(FDK)というように、10ミリという厚さと容積1.1ccという小型化が特徴。2倍のズームは、テレ側とワイド側の2点でピントが合うようになっている。

 他社製品との差別化は、実はマクロ機能にある。複数の焦点距離に調節できるフォーカスコントロール機能を持ち、3センチまで寄れる。「2ポイントのズームにすることで、マクロという付加価値を付けられた」(FDK)。2003年夏にサンプル出荷を開始する。


マクニカブースでは、ズームの模様をビデオ撮影した動画で紹介していた。ピントが合うのはテレ側とワイド側の2点

 ミノルタコンポーネンツは、2倍光学ズームレンズモジュールを2004年1月以降量産の予定だ。サイズは10×15×9ミリで、重さは1.2グラム。3群3枚のレンズ構成で、1/6型あるいは1/7型の受光素子に対応する。既にサンプル出荷を終えており、改良を進めている状況だ。

 東芝は、2002年の2月に携帯向け光学ズームユニットの基本的な開発を完了。「現在、小型化に取り組んでいる」(東芝)状況だ。量産の目処などは明らかになっていない。試作品は、光学2.5倍ズームで、光学ユニットの大きさは10×14×16ミリ。モジュールの厚みは18ミリだという。受光素子は1/4型に対応する。

課題は厚み

 現行のカメラモジュールの厚みは約7ミリ。携帯電話向けのモジュールは、低消費電力と共に、小型化が求められる。

 ところが光学ズームレンズモジュールは、いずれも厚みが10ミリ程度だ。各社が改良を求められる中心点は小型化にある。

 また、光学ズームレンズの開発が始まった当初から見ると、急速に受光素子の高画素化が進んでいる。各ズームレンズモジュールが対応する1/7型は、11万画素や31万画素のサイズだ。31万画素で光学ズームを付けるのと、130万画素でデジタルズームにするのと、どちらがいいかは悩む部分になりそうだ。


マクニカのカメラモジュール。厚みが10ミリあるため、背面への搭載ではなく、ヒンジ部への内蔵を想定している



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関連リンク
▼ マクニカ
▼ ミノルタコンポーネンツ
▼ ミノルタコンポーネンツ 超小型光学ズームユニット
▼ 東芝

[斎藤健二, ITmedia]

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