Mobile:NEWS 2003年4月17日 10:43 PM 更新

High rateは来年9月ごろか〜Bluetooth高速化のめど

Bluetoothは、既存製品との互換性を維持しつつ高速化を図るMiddle rateと、通信方式そのものを変えて高速化するHigh rateの2つが策定されると見られていた。High rateの策定は2004年に、Middle rateはその1機能として提供される可能性が出てきた

 Bluetoothの高速化は、2つの規格が策定に向けて動いている。1つは従来の周波数ホッピングを使い既存製品との相互接続性を維持しつつ、2M−3Mbpsまで引き上げる「Middle rate」と、直接拡散方式を使い、現行のBluetooth 1.xに10Mbpsの高速伝送を付加する「High rate」だ。

 Middle rateは、Bluetooth 1.2の規格として策定されると見られていたが、Bluetooth Expoでセミナーを行ったBTQの酒井五雄氏(3月4日の記事参照)によれば、1.2とは別に策定されるようだ。「ほかの策定項目はファームウェアの書き換えで対応できる。1.2はこの項目でまとめてしまおうというふうになってしまったと聞いている」。


セミナーに登場したBTQの酒井五雄氏。セミナー会場は立ち見が出る大入りだった。Bluetooth 1.2は「今年の9月頃にVer.0.95がリリースされる見込み」だという

 また2M−3Mbpsの通信は「Hight rateの一部機能として提示されるかもしれない」と、ロードマップの変更もありうることを示唆した。なおHigh rateのリリース時期は、「来年の9月ぐらいになるのでは」と見ている。


現行のBluetoothで採用されている周波数ホッピングは、無線LANとの干渉による弊害が指摘されていた。High rateは、無線LANなどと同じ直接拡散方式を採用。無線LANが使っていない周波数帯を使うため、干渉が起きず、高速化も図れる

 Bluetoothはプロファイルの策定が進み、チップの価格も低廉化したことから、「今年こそ普及へ」と言われる(1月21日の記事参照)。その特徴は低消費電力で複数デバイスを無線接続できることだが、通信速度は最大721Kbpsとそれほど速いわけではない。

 データストリーミングを可能にするAV Profileや、既存のネットワーク内に組み込んでデータのやりとりを行えるPAN Profileなどがデバイスに搭載されると、現行の通信速度では力不足。そのためBluetoothにも高速化が求められている。

  • Bluetooth 1.2の概要

Fast connection
Adaptive frequency hopping
Enhanced SCO
Annonymity Mode
Multicast capability
Enhanced sound quality

Bluetooth 1.2では、Bluetooth機器同士の接続を迅速にする「Faster connection」や、ビットレートの劣化を見てどこかでぶつかっていると思われるチャンネルを次のホッピングから避けるという最適化の仕組み「Adaptive frequency hopping」は必須機能として盛り込まれる



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[後藤祥子, ITmedia]

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