2003年度、8割は1x対応に〜KDDI、小野寺社長KDDIは、既に48%に達している3G端末の比率を、2003年度は80%まで持っていく。1x端末では、利用パケット数が上昇しており、今後もデータARPUの増加が期待される
KDDIは5月8日、2002年度の決算を発表した。KDDI全体としては、営業収益は約2%減の2兆7853億円ながら、営業利益は前年比38%増の1407億円を確保。減収増益となった。au事業では、営業利益は増加して1兆6263億円ながら、営業利益は約6%減の538億円となり、増収減益だった。 au事業では、一時費用であるPDC関連費用556億円、PDCのランニングコスト240億円が大きい。PDCサービスを完全に停止した2003年度は「増収増益が期待できる」(小野寺正社長)。 また多額の費用である販売コミッション(インセンティブ、4月18日の記事参照)についても、順次減らしていく。2002年度の販売コミッションは合計4050億円。端末1台当たり4万円を費やしていた。2003年度は、1台当たり3万6000円を見込み、合計では3200億円に減らす。
au事業では、3Gへの転換が順調に推移したのを受けて2003年度は利益を確保していく。「ブランド力を強化すれば、コミッションを使わずにユーザー数を増やせるだろう」(小野寺氏)。 契約数は、2004年3月末で185万1000増の1590万を見込む。現在、CDMA2000 1xの比率は48.2%だが、2003年度末には約80%とする計画。今年秋にサービス開始を予定しているCDMA2000 1x EV-DOについては「数十万台にとどまるだろう」(小野寺氏)と予測している(3月28日の記事参照)。
今回、通信モジュールの契約数予想も新たに公開された。2004年3月末で55万台を予想する。通信カーナビなどに搭載される通信モジュールは、非音声市場での利用として伸びが期待されている。既にセコムの「ココセコム」(用語)、パイオニアの「Air Navi」(2002年9月の記事参照)、トヨタの「G-BOOK」などでKDDIの通信モジュールが採用されている。 「現在、トラフィックのピークは夜にある。モジュールの多くは、設備に余裕のある日中に使われるため、売り上げ面では大きくないが、利益には大きな影響がある」と小野寺氏は通信モジュールを評す。メインの市場は自動車市場だ。
auユーザーのパケット利用は、CDMA2000 1xのスタートと共に増加している。「ムービーメールや着うたなど、データ量をたくさん使うサービスが伸びている」(小野寺氏)。 2003年3月の実績では、1x平均が540パケット/日だったのに対し、ムービーメール対応機では930パケット/日とほぼ倍。着うたのダウンロード回数も、3月実績で約180万回/月に達したという。 ただしパケット利用量が伸びているほどには、データARPUは伸びていない。小野寺氏は「パケット通信の割引サービスのため。しかし割引しても1xユーザーはデータARPUが高い」とした。
1xユーザーはデータARPUだけでなく、音声ARPUも高い
MoU(Monthly minitues of Use)は漸減傾向にあるが、パケット数は1xの導入を機に上昇している
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