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2003年5月12日　07:56 PM 更新

メールの送信数で部屋が進化〜ケータイポストペット

ピンクのテディベアを始め10種のキャラクターがメールを運んでくれる「ポストペット」。5月中にも登場予定の「ケータイポストペット」は、メールの送信数に合わせて進化する部屋などオリジナル機能も用意される

　PCの中で飼っているペットがメールを運んでくれる──メールのやりとりに育成シミュレーション的な要素を盛り込んで大ヒットしたのが1997年に登場した「ポストペット」だ。

　ソフトの累計出荷数107万本、PCへのバンドル800万台を数えるこのソフトは、2002年12月に最新バージョンの「PostPet V3」が登場（2002年9月18日の記事参照）、既に約10万プログラム配布されるなど、依然高い人気を誇っている。

　そんな中登場するのが「ケータイポストペット」。これまでPCやMac、Windows CEユーザーしか楽しめなかったペットによるメールのやりとりを、携帯電話で可能にするものだ。

　ペットによるメールのやりとりは、505iシリーズやJ-SH53に搭載される拡張されたアプリが、端末内部のアドレス帳やメールソフトと連携可能になったことから実現した。そのためドコモやJ-フォンドメインの、いつも使っているメールアドレスでペットメールの送受信ができ、アドレス帳も端末内部のものをそのまま利用できる。

　対応機種は、NTTドコモが発売する「505iシリーズ」（4月8日の記事参照）と、J-フォンの容量が拡張されたJavaが搭載される「J-SH53」（4月24日の記事参照）。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO505i」(4月8日の記事参照)には、3週間利用可能なバージョン(ポストマンによるメールの送受信、友達のペットの世話機能、送受信メールの閲覧機能は3週間後も利用可能)がプリインストールされるという。

ケータイポストペットの画面。3Dで表現されたモモが、さまざまな表情を見せる

　ペットによるメールのやりとりは、505iシリーズ同士、505iシリーズとJ-SH53との間だけでなく、PCやMac版の「PostPet V3」との間でも行える。ケータイポストペットとのやりとりを可能にするPostPet V3用のアップデータは「5月19日−20日ごろには配布される予定」（ソニーコミュニケーションネットワークOnline Interactive Entertainnment BUプロモーショングループの樋山城氏）。ケータイポストペットの提供に先駆けて配布が開始される。

携帯電話オリジナルの要素も

　「10種類から選べるペットがメールを運ぶ」という基本的な仕様はPC版と同様だが、ケータイポストペットのオリジナル機能もいくつか搭載されている。

　1つは「お部屋のグレードアップ」。初期状態ではペットのすまいは洞窟だが、メール送信数が増えると部屋が進化し、木造の部屋、未来テイストの部屋というように7段階まで進化する。また部屋のバリエーションも毎月新しいものが配信される予定だ。

　PC版に比べて世話の種類が豊富なのもケータイポストペットオリジナルの機能。「かわいがる」「おやつ」「いぢめる」「その他」の4つの世話の下に、それぞれ5つの「お世話項目」を設定できるようになっており、このうちの3つが毎月新しいものに更新される仕組みだ。

メインメニュー（左）と世話メニュー（右）なお、世話メニューは開発中のもので、本サービス開始時には若干の変更もある

かわいがる	◎	なでる
	◎	くすぐる
	○	ほめる
	○	抱きしめる
	○	なめる
おやつ	◎	宇宙食
	◎	キャンディー
	○	ビール
	○	タン塩
	○	バッタ
いぢめる	◎	つねる
	◎	目隠し
	○	しまう
	○	つつく
	○	指摘する
その他	◎	エステへGO
	◎	ヨガ教室へGO
	○	空手教室へGO
	○	おとこ塾へGO
	○	小学校へGO

◎は固定メニュー、○が更新されるメニュー

　またユニークなのは、iモードのマイメニュー登録やJ-フォンの「ユーザー登録」を解除しても、一部機能は引き続き利用できる点。ポストマンによるメール送信やポストペットユーザーからのペットメールの受信に限って継続して利用できるのだ。これは、「ポストペットは使う相手がいてこそ楽しめるもの。普及させるには多くの端末にインストールしてもらう必要がある」（樋山氏）という戦略的な意味合いもあるようだ。

最初にペットを選ぶときにに個性が出るのもPC版と同様。育て方によって「こども」「おとな」「老人」など4つの方向に性格が分かれるという（左）。訪問してきたペットをかまってあげると、戻ったときに報告する（中）。おやつをやったりなでたりすると出てくるリアクション画面（右）。なお、ペットを送り出すと相手が受け取るまで戻ってこないのもPC版と同じ仕様。相手がポストペットユーザーではなかった場合には、1時間目処で戻るようになっているという

既存ユーザーと10代ユーザーをターゲットに

　PCおよびMac版のPostPet V3ユーザーは、20代から30代が中心で、男女比は4:6と若干女性ユーザーが多いという。ケータイポストペットでは「まずは既存ユーザーの取り込みを目指す」と樋山氏。加えて、PCを使っていない10代後半などの若年層にもアプローチしたい考えだ。同社ではドコモとJ-フォン合わせて5万契約を目標にしている。

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[後藤祥子, ITmedia]

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