Mobile:NEWS 2003年5月26日 10:29 PM 更新

マンガン乾電池【まんがんかんでんち】

今回紹介するのは、3種類の電池だ。最先端の電子機器に使う電池といえばアルカリ乾電池とリチウムイオン充電池が有名だが、そのほかの電池もそれぞれ独特な特徴を持っている

 マンガン乾電池は、繰り返しの放電・充電をせずに使う一次電池。家電などに使うことを目的とした、最も安価な電池としてコンビニなどで売られている。マンガン乾電池と比較されることの多いアルカリ乾電池は、正式にはアルカリマンガン乾電池と呼ばれ、このマンガン乾電池を元にしている。

 マンガン乾電池では、正極の活物質に二酸化マンガン、負極の活物質に亜鉛、電解液には塩化亜鉛、または塩化アンモニウムを使っている。公称電圧は1.5Vで、機器が必要とする電圧や電流に応じて、複数の乾電池を並列や直列にして使う場合がある。乾電池という呼び名のとおり、それまでの液漏れする構造の電池を改良し、液体を使っているが漏れない電池、すなわち「乾いた電池」としたもの。

 マンガン乾電池の原型は、1868年にフランスのルクランシェが開発したルクランシェ電池。それまでに開発されていたダニエル電池では、使用の際に水素ガスが発生し、それがやがて電流を妨げてしまうという問題があった。ルクランシェ電池は、二酸化マンガンを用いることにより水素ガスを酸化させ(水に変え)、水素ガスの発生を抑えることに成功した。これをきっかけに長時間利用可能な電池が誕生し、その後の実用化に道を切り開いたとされている。

 マンガン乾電池は、放電が進んだ後にしばらく休ませると電圧が回復するという特性があり、短時間の使用を繰り返すものや時々使用するものなど、小電流で長期間に渡って使われるものに向いている。具体的には、非常用の懐中電灯やラジオなどが該当する。一方で、マンガン乾電池の欠点としては、電流が大きいほど電圧が下がるのが早くなり、早く消耗してしまうこと。したがって、大きな電流を流す機器には適さない。乾電池の使えるデジカメに、マンガン電池を使うとすぐに放電してしまうのはこのためだ。

 これまで乾電池の主役として用いられてきたマンガン電池だが、現在ではアルカリ乾電池に主役の座を譲っている。アルカリ乾電池は、電解液に水酸化カリウムを用いた一次電池で、マンガン乾電池よりも容量が大きく、寿命も長いという特長を持つ。

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[江戸川, ITmedia]

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