Mobile:NEWS 2003年5月27日 02:02 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
「D505i」はメガピクセルデジカメとして使えるか(1/2)

ドコモが505iシリーズの第1弾として市場に投入したのが、最大記録画素数123万画素相当の「D505i」。100万画素クラスのデジタルカメラと画質を比較、メガピクセルデジカメとしてどうなのかをチェックした

 いよいよメガピクセル携帯が出てきた。第1弾としてここで取り上げるのは、63万画素のスーパーCCDハニカムを搭載し、123万画素相当の画像が記録できるNTTドコモの三菱電機製端末「D505i」だ。

 カメラ付きケータイのメガピクセル化は、今までのケータイにカメラが付いたのとはちょっと話が違う。今までのケータイ+カメラは、カメラをケータイが取り込むことによってうまく融合し、人気を博した。

 それはケータイのカラー液晶モニタを活用するためのカメラであり、ケータイのデータ通信機能を活用するためのカメラであって、逆に言えば写真を表示できるモニタや画像ファイルをも送受信できるデータ通信機能がそれに見合ったデータ入力装置としてのカメラを求めていたのである。

 これがメガピクセルになると話が変わってくる。液晶モニタやケータイのデータ通信機能にとってメガピクセルは明らかなオーバースペックであり、現段階ではケータイに見合う存在ではなくなる。

 そこで新しい概念が導入された。「ケータイにカメラ機能がついた」のではなく、「デジカメとケータイが1つのボディに納まった」という考え方だ。カメラはカメラ。ケータイはケータイ。合体してはいるものの、両者を独立した存在としても扱えるようにしようというわけだ。

 それがドコモの505iシリーズ(特集参照)やJ-フォンの「J-SH53」(4月24日の記事参照)、auの「A5401CA」(5月14日の記事参照)といったメガピクセルケータイだ。となると、カメラはカメラとして評価しなきゃいけない。そこで今回はデジカメの中でもっともメガピクセルケータイに近いカメラ性能を持つカシオの初代EXILIM「EX-S1」(2002年5月13日の記事参照)と画質を比べてみることにした。

 初代EXILIMは2002年春に登場した120万画素CCDを搭載したカードサイズデジカメだが、ピント合わせの機構がないパンフォーカスモデルで、レンズも非常に小さくて薄いためスペック的にも比較対象にできるのだ。初代EXILIMに匹敵する性能が得られていれば、D505iはメガピクセルデジカメとしても使えるケータイってことになる。


D505iのメガピクセルデジカメ機能

 デジカメのレビュー風にいえばD505iは「単焦点でパンフォーカスのレンズに1/4.2インチサイズの65万画素富士写真フイルム製『スーパーCCDハニカム』を搭載している」となる。

 63万画素ではあるが、スーパーCCDハニカムは富士写真フイルム独自の構造を持つCCDで、ひとつひとつの画素を段違いに斜めに配列することでそれぞれの画素を大きく取れ、画像生成時に上下左右の画素を補完することで倍の画素数の画像を作り出すという特徴がある。だから63万画素のCCDでありながら最終的に出力する画像は123万画素に相当する1280×960ピクセルになるわけだ。

 補完という作業が入るため、斜め方向の細部の描写に弱いという特徴がある。実質的には普通の63万画素CCDよりはハイクオリティだが、120万画素CCDよりは劣ると考えておけばいいだろう。これをメガピクセルデジカメといえるかどうかは苦しいところで、出力解像度で解釈するなら問題ない。

 1280×960ピクセルといえば、いわゆる「130万画素デジカメ」と同じ解像度。昨年一世を風靡した初代EXILIM「EX-S1」や初代のCyber-shot「U10」と同じで、3〜4年前の主力デジカメと同じだ。

 メガピクセルクラスになるとどうしてもCCDもレンズも大きくなるので奥行きが欲しくなる。そこでD505iは厚みを取れるヒンジ部にカメラを持ってきた。ユニークなのはそのカメラの方向。

 端末を開いたときにレンズが内側を向くのである。つまり、開いたときには自分撮りしかできないのだ。その代わり閉じたときにレンズが底面を向き、底面に設けられた穴から向こうを撮影できるようになっている。

 つまり、フリップを閉じたときは普通に横位置で構えて使うデジカメとして、開いたときは自分撮りデジカメとして使えるという仕組みなのだ。


 これは面白い──けれどもいささか「考え落ち」的なのが残念。想像するに「閉じているときは横位置で普通のデジカメ」として、「開いているときは縦位置で自分撮りをしてコミュニケーションに」使おうというコンセプトだ。

 でもデジカメとして使うときのほうが高い解像度で撮りたいだろうに、1インチの小さくて発色もそれほどよくないサブモニタを見ながら撮らねばならず、操作もシャッターとライトのオン/オフしかできることがない。閉じているので明るさやホワイトバランスの設定もできない。

 開いているときの自分撮りはQVGAのすごくきれいな液晶モニタを見ながら撮れるが、高い解像度は不要なことが多いし、ヒンジ部だとどうしても顔を下から見上げる格好になるので美人に撮るには工夫がいる。

 なんともアンバランスなのである。ちなみに、閉じた状態で細かいセッティングをしたいときは、いったん開いてカメラ設定を変更して、また閉じて撮影するという手間がかかる。これはちょっといただけない。

 でもカメラ設定を開くと、オープン時とクローズ時で別のセッティングができるようになっている。これはいいアイデアだ。クローズ時はメガピクセルモードで、オープン時は「iショット(L)」で、とセットしておけば簡単に「デジカメ」と「カメラ付ケータイ」を使い分けられるからだ。

[荻窪圭, ITmedia]

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