Mobile:NEWS 2003年6月2日 08:44 AM 更新

「D505i」徹底攻略〜メール編

「D505i」のメールの特徴は、QVGA液晶に対応した高精細なフォントを使い1画面300文字以上の表示が可能なこと。返信時に、元メールを閲覧しながら文章が入力できる点も見逃せない

 ドコモの「505iシリーズ」第1弾である三菱電機製の「D505i」(特集参照)。今回は基本機能の1つである、メール機能について見ていく。


 まずはメール関係のショートカットから。閉じた状態で側面の「コピー・ライト」ボタンを長押しすると、メールの「センター問い合わせ」が行われる。待ち受け画面からも、メールボタンを短押しして現れる「メールメニュー」の先頭に「センター問い合わせ」があるため、簡単にメールチェックが行える。

 新規メール作成は「メール」ボタンの長押し。ただし後述するがここからiショットメールは送れない。

 受信メールの閲覧は、[メール]−[十字キーの下]でフォルダ一覧が表示される。各メールフォルダは数字キーによるショートカットなどはなく、十字キーで移動する。

液晶QVGA化で閲覧しやすいメール

 D505iで受信したメールを見て感動するのは、その情報量の多さだ。2.2型QVGA(240×320ピクセル)のメイン液晶のピクセル数は、従来の約4倍。

 用意されるフォントは12/16/24/30ドットの4種類ある。「通常」に分類される24ドットフォントを使っても、表示文字数は10文字×9行と従来同様で、なおかつ滑らかで美しい。12ドットフォント利用時には、なんと20文字×17行表示となり、1画面に300文字以上が表示される。実に、1メール最大255文字のiモードメールの全文が1画面に表示されてしまう計算だ。

 メール表示中に、フォントサイズを変更できるのもうれしい。[メニュー]−[表示切替]とワンタッチ……というわけではないが、メールの内容によって調整できる。


iモードメールの4種類の画面。4種類の文字フォントだけでなく、文字の種類も「通常」「丸文字型」「明朝」と3種類用意される。携帯では珍しい明朝も雰囲気があって面白い

 もっとも、フォントサイズは柔軟に設定できるとは言い難い。メール閲覧時のサイズは独立して設定できるがそのほかの場面では設定したサイズが一律に適用されるシーンが多い。

 例えば返信時だ。D505iでは、メールの返信文を書く際に、元メールを表示させたまま執筆が可能。この機能は画期的であり非常に便利なのだが、フォントサイズは固定。全体を一望したい元メールは標準サイズで表示され、自分の入力文字のほうは設定した小さな文字になってしまう。

 メール一覧時やiモードのBookmark、iモード閲覧時もフォントサイズ変更できないのが辛い。例えばメール一覧は「1行表示」時で6メール、Bookmarkは9つしか表示されない。従来の端末の表示数に比べれば情報量は多いのだが、メールの高精細表示を見てしまうと、残念でならない。


iモード閲覧時は10文字×10行。1画面100文字という十分に多い情報量だが、1画面に300文字以上が表示されるメール閲覧時と比較してしまうと、どうしても“文字が大きい”“もっと情報量を増やしてほしい”と感じてしまう

シームレスではないメール新規作成

 D505iのメール作成は、いま1つシームレスではない。まず新規であれ返信であれ、最初に「iモードメール」なのか「iショットメール」なのかを指定しなくてはならない。

 つまり、「とりあえずメールを作成したけどやっぱり画像を付けて送りたい」といったことができない。画像が添付されていなければiモードメール、添付されていればiショットメール、そう端末が自動的に判断してくれるのが自然だ。


メール新規作成の流れ。iモードメールかiショットメールかは先に選択する。宛先入力欄はそのまま決定するとメールアドレス直接入力となる

 メールアドレスの入力方法にも残念な点がある。メール作成時、「宛先」欄を押すとメールアドレス直接入力の画面になる。[サブメニュー]を押すことで、アドレス帳から検索したりメールグループから選択したりできるが、いわゆる「メールアドレス履歴」を使うことはできない。

 では「メールアドレス履歴」がないかというと、実は待ち受け画面から十字キーの右を長押ししたり、リダイヤル画面からさらに右を押すと「メールアドレス履歴」が表示される。メールメニューの中にも「メールリダイヤル」「メール着信履歴」がある。せっかく用意されている履歴だが、新規メール作成や、返信時に「あの人にも合わせて送信しておこう」といった時には使えない。

 これが問題となるのは、iショットメール送信時だ。カメラを起動して撮影し、そのままiショットメールを作成する機能を当然D505iは備えている。ところが、その送信先にメールアドレス履歴を使えないのだ。カタログの○×表記ならば、「メールアドレス履歴あり」となるところだが、その使い勝手には疑問が残る。

 評価したいのは、電話の着信履歴、発信履歴を表示させて「メール」ボタンを押すと、アドレス帳に登録されたメールアドレス宛に新規メールが作成されることだ。ソニー・エリクソン製端末に見られる「EV Link」と似た機能だ。ただし、メールアドレス履歴を表示させて「発話」ボタンを押しても電話をかけることはできない。

iショット関連機能

 写真付きのメール──iショットメール送信時に進行状態を示すバーが表示される点、電話番号通知がオフであっても、iショット送信が行える点は評価できる。

 複数の写真撮影サイズがありながら、手動でサイズをiショット(S)またはiショット(L)に変更しないとiショット送信ができないのはマイナス点(5月30日の記事参照)。また、iショットの送信メールを確認すると、どの画像を添付したかが分かるが、それがファイル名で表記されているのはいただけない。D505iではファイル名を確認するには、画像一覧から[画像情報]を選び、一番下までスクロールさせなくてはならないからだ。

メール受信通知機能は水準以下

 メール着信時に鳴るメロディを相手ごとに変える設定は、D505iの場合、アドレス帳のグループ(50まで)ごとに設定する。ユーザーごとの設定は特に行えない。

 メール受信時のメロディ音量は、電話着信時の設定と連動しており、「電話着信は大きく、メールは小さく」といったことが行えない。

 メールを受信した際には、待ち受け画面に代わって「新しいメッセージがあります」の画面が表示されるが、約10秒後には消えてしまう。“未読メールがあると定期的にランプが点滅する”(2月19日の記事参照)といった設定もなく、その後は待ち受け画面にメールマークが表示されているだけだ。メールの着信を見逃す可能性もある。

 「新しいメッセージがあります」の画面から、決定ボタンを押すと受信メールの画面が表示される。ただし、未読メールのあるフォルダにフォーカスが変更されるといった工夫はないため、自動フォルダ分けをしている場合はいちいち十字キーでフォルダを変えなくてはならない(未読メールのあるとフォルダの色は変わるようになっている)。

キーワード指定可能なメール自動フォルダ分け

 D505iでは受信したメールの自動フォルダ分けが可能だ。作成できるフォルダは送信・受信共に50個。フォルダ分けは受信時、送信時に行われ、それぞれ100件までルールを設定できる。

 ルールの内容は、メールアドレス、題名に含まれるキーワード、アドレス帳のグループ。さらに条件外のメールを特定のフォルダにすべて振り分けることもできる。「F504i」にあったようなアドレス帳に登録されていないメールアドレスの振り分け(2002年5月の記事参照)はできない。


 従来機に比べるとかなり強化されたが、自動フォルダ分けについてはシリーズの中でも並であり、特に強力とは言えないだろう。

 いったんフォルダ分けしてしまったら、再振り分けすることはできないため、「受信メールに○子さんからのメールがたまったから、振り分けを設定して別フォルダに分ける」といったことは行えない。ただし、メールの選択移動・選択削除機能は持っているため、フォルダ間の移動は容易だ。



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[斎藤健二, ITmedia]

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