Mobile:KEYWORD 2003年6月3日 07:05 PM 更新

ボタン電池【ぼたんでんち】

各種電池の中でも小型機器に活用されている「ボタン電池」について、今回は解説する

 ボタン電池は、腕時計や玩具などに使われる、小さく薄い円形電池の総称。形状が小さなボタンのように見えることから付いた名前で、ボタン形電池とも呼ばれる。


ボタン電池の構造図(図版:http://www.maxell.co.jp/products/industrial/battery/lr/images/lr_danmen.gifより)

 ボタン電池は、使われている内部の物質によって、それぞれ性能や特長が異なる。ボタン電池の種類としては、アルカリボタン電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池などに分けられる。製造コストの安価なアルカリボタン電池(LR)は、ミニゲーム機や電卓、電子体温計など、広範囲に使われる。酸化銀電池(SR)は電圧が安定しており、腕時計などに適している。単に空気電池と略されることもある空気亜鉛電池(PR)は、小さいながらも大容量であり、補聴器やポケットベルなどに使われる。

 ボタン電池に似た円形の形状で、リチウム電池タイプのものを特にコイン電池、あるいはコイン型電池と呼ぶ。つまり、ボタン電池とコイン電池は厳密には異なるものを指している。コイン型のリチウム電池は、PDAのメモリバックアップ電池として使われることが多い。

 ボタン電池やコイン電池には、アルファベットと数字が刻印されているが、これは電池の形状や種類を表したもの。最初の1文字が電池の種類、2文字目が電池の形状(R=円筒型、F=角型)、その次の2つの数字が電池の直径、最後の2つの数字が電池の厚さを表している。たとえば、CR1216ならば、二酸化マンガンリチウム電池で、直径12ミリ、厚さ1.6ミリの、円形という意味になる。

 なお、ボタン電池の一種である水銀電池については、環境保全の観点から1996年末をもって、国内メーカーからの出荷が終了している。水銀電池を使用する現存機器は、アダプターなどを利用して代用電池を使用するしかない。

電池名称記号公称電圧正極活物質負極活物質電解液
ボタン電池
アルカリ電池LR1.5V二酸化マンガン亜鉛アルカリ金属水酸化物、水
空気亜鉛電池PR1.4V酸素亜鉛アルカリ金属水酸化物、水
酸化銀電池SR1.55V酸化銀亜鉛アルカリ金属水酸化物、水
コイン電池(リチウム電池)
フッ化黒鉛リチウム電池BR3Vフッ化黒鉛リチウムリチウム塩、非水有機溶媒
二酸化マンガンリチウム電池CR3V二酸化マンガンリチウムリチウム塩、非水有機溶媒
酸化銅リチウム電池GR1.5V酸化銅リチウムリチウム塩、非水有機溶媒

関連リンク
▼ 社団法人 電池工業会
▼ 電池のQ&A ボタン電池

[江戸川, ITmedia]

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