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2003年6月11日 00:02 AM 更新
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野田幾子のFOMA日記
FOMAって使えるの?
「FOMAは動画がサクサク動く」「データ通信が驚くほど速い」「通話料が高い」──携帯電話の専門家ではない私はFOMAにそんなイメージを持っていた。「そろそろFOMA?」という声も聞こえる中、毎日FOMAを使ってみた印象をお伝えしたい
「そろそろFOMA?」という声も聞こえてくるなど、にわかに注目され始めたFOMA。興味は引かれるものなんとなく別世界のものだと思っていた。まったくもって偏見なのだがFOMAには「(端末が)でかくてバッテリーが持たない。テレビ電話ができるらしいけど、相手の顔を見ながら電話するのなんて恥ずかしいなぁ」という印象を持っていたのだ。
そんなある日、ZDNet Mobile編集部からFOMA端末が送りつけられた。「フツーの携帯電話ユーザーの野田さんにFOMAを使ってみてほしい」というのだ。まずはテレビ電話ができる「P2101V」(2001年6月27日の記事参照)を使ってみるというミッションが下された。
初めてのFOMAは(良くも悪くも)驚くことばかり
「ちゃんとの普段使いの携帯として使ってね」と託された初めてのFOMA。「おぉ、これがウワサの!」と包みを開いてみると──。
「で、デカイ!」。
思わず声に出してしまったくらい、でかくて厚くて重かったのだ。104×56×35ミリ、重量約150グラムのスゴいヤツ。開いたときの長さは、家で使っている固定電話の子機なみという「携帯したくなくなる」大きさには驚かされた。
しかし電話の基本の通話を試すと「ウッ、なんだこの音の良さは!!」。まるで固定電話のように音がクリアなのだ。試しに都内(渋谷〜代々木上原〜代田橋近辺)でのタクシーの移動中、20分ほど通話してみたが、スピードが上がってもとぎれることがなく、快適に通話できた。
「これがFOMAの実力ってやつ?」。
同じ折りたたみ型の「SH251i」と比べても、幅は大きく厚い(左)。携帯界のボブ・サップか?──それぐらい大きく感じるが、大きいがゆえに思いのほか電話しやすい(右)。それにしてもFOMAの音のよさにはビックリ!
通信速度が速いから、着メロのダウンロードにもほとんどストレスを感じない。すっかりFOMAの通信速度に慣れきってしまったころ、久々にSH251iを使って通信してみると、あまりのノロさにイライラしてしまう。速度はつくづく魔物なんだと実感。「もう戻れない」と思う部分だ。
しかし同時に「アレ?」と思うこともいくつかあった。
動画を撮って再生してみたものの、なんかカクカクしているのですが……。こんなの、私がイメージしてるFOMAと違う!
PDCにはあるiモードサイトが、FOMAで見あたらないのはなぜ? 例えば着メロサイト。「J-POP/インディーズ」のカテゴリーのサイト登録数は、携帯電話端末では42サイト、FOMAでは37サイト。「TV/CM/映画」カテゴリーでは、携帯電話が22サイトもあるのにFOMAは17サイトだ。個人的には、「FOMAだったらもっときれいな音で聞けるよね」と楽しみにしていたゲーム音楽サイト「エニックスeメロディ」がFOMAでは見あたらないのが実に、実に無念であった。ドラクエ4の音楽、ここでしか手に入らないのに……。
FOMAはPDCよりも、対応しているiモードサービスが少ない。SH251iで活躍していた「エニックスeメロディ」や「シティバンク」が使えないないのにもしょんぼり。「同じドコモなのに、そんなことがあっていいの?」
1日持ち歩く(メールの送受信に数回使用)だけで、ヘタすると夜にはバッテリーがなくなる(2002年2月8日の記事参照)。仕方がないので、ただでさえ重いFOMAと一緒に充電器を持ち歩くハメに。
未来的なイメージのFOMAだから、レンズもどこかのボタンを押せば、オートでウィーンと回転するものだと思っていた。「どのボタンを押せばこちらを向くのだろう」とあちこち触りまくった私がバカだった……。FOMAといえどもそこは手動で、目的の方向へくるっと回すのだった。
──このように、H"と「SH251i」しか使ってこなかった身には、FOMAの何もかもがすべて新鮮に思える。
ただ、電車で取り出して使おうとすると、あまりのデカさに注目を集めるのがどうにも恥ずかしい。唯一最後まで慣れることができなかったところだ。
すごいよ、新FOMA!
そうこうしているうちに、今度は新しいFOMA「P2102V」(3月21日の記事参照)がやってきた。
「ち、小さい! 普通の携帯並みじゃん」。
P2101Vと並べて比べると、縦横の大きさと(104×50ミリ)重さ(約133グラム)は、実はほとんど変わらない。厚みが35ミリから25ミリ、そう1センチも薄くなったことで、かなりスマートに使えるサイズになったようだ。
左から、SH251i、ストレート型H"端末、P2101V、P2102V。P2101VとP2102Vを比べた場合、実は縦横のサイズは新旧ほぼ同じ(むしろP2102Vの方が縦長)。厚みがP2101Vの約4分の3になっているのが「普通の携帯と同じじゃん!」という印象を抱かせたようだ
バッテリーの持ちの良さも予想以上。1度フル充電すれば2日間はなんとか持つように生まれ変わっていた。もう持ち歩いていた充電器ともおさらばだ。「お前はもう家で私の帰りを待っていればいいのだよ」。
本気で「携帯」したくなったP2102Vなのだが、1つだけ気になることが。どうも、屋内での電波状況がよろしくないのだ。特にiモード。主に都内・新宿区内で使用していたが、アンテナが3本立っている状態なのにもかかわらず5〜6回に1度は「iモード接続に失敗しました」というダイアログが出てくる。
また、有明のホール内で使用していたときは、ほかのiモード携帯電話端末がちゃんと電波を拾って通話もiモードもできるのに、FOMA端末はず〜っと「圏外」のまま。その場にいる全員が使えないならまだしも、同じドコモの端末なのに、この差は何なの──と悲しくなってしまう。
「使いたい!」と思ったときに使えないと、予想以上のストレスが溜まってしまう。屋内で通話や通信がつながりにくいんじゃ(つかえない)なぁとしょんぼり。ドコモは屋内の通信環境の改善を急ぐと話しているが、せめて携帯電話端末でつながるところはFOMAも使わせてやってください。
さて、まだまだやることはいっぱい。パケット料金がホントに安いのか気になるし、テレビ電話も試してみたい(2001年6月29日の記事参照)。次回にご期待ください。
通信環境のよくないところでは、写真のような画面が延々と続き、最終的には「接続できない」と言われてしまう。PDCなら使える屋内でこれが出ると切ない気分に。「FOMAなのにさ……」と悔しさもひとしお
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[野田幾子, ITmedia]
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