Mobile:NEWS 2003年6月16日 05:58 PM 更新

FOMA、TV電話標準搭載で普及目指す

6月15日付で50万契約を達成したFOMAのうち、6割がTV電話機能付き端末。アクティブにTV電話を使うユーザーは、月額2000円をTV電話代に費やしている。ドコモはTV電話を標準搭載することでFOMAの更なる普及を狙う。

 ドコモが6月16日に発表した新しい3機種のFOMAは、すべてTV電話対応だ(6月16日の記事参照)。営業本部販売部販売担当部長の島崎敦氏は「TV電話を標準機能に」と話し、普及を図る。


営業本部販売部販売担当部長の島崎敦氏

簡易TV電話機能搭載

 7月以降、秋あたりの発売を予定している新型FOMA「F2102V」「N2102V」は、型名に“V”が付いていることからも分かるように、TV電話対応。ただしこちらは「簡易TV電話」と呼ばれていたものだ(2002年12月の記事参照)。

 簡易TV電話といっても、通常秒間15コマのフレームレートが10−15コマと少々落ちるだけ。「暗いところや動きが速い映像はコマが落ちる可能性があるが、大差はない」(説明員)。

 メリットは端末のコストを抑えられる点だ。従来専用チップを使って、映像の符号化(圧縮)を行っていたが簡易TV電話ではソフト処理で行う。チップを必要としない分低価格化が可能となる。

案外利用されているTV電話

 FOMAの訴求にあたっては、TV電話が大きな武器になりそうだ。まず「電話として使ってPDCと遜色なくしていく」と島崎氏は話す。既に全国で93%の人口カバー率を達成しており、2004年3月には99%に達する見込み。懸念される屋内も、現在206カ所のIMCS(屋内基地局)を2004年3月には1600カ所に増やす予定だ。「PDCも当初は屋内が弱かった。FOMAは、PDCの時よりも4年くらい前倒ししたペースだ」(同氏)。

 屋内基地局の増加には、この6月から設置が始まる小型基地局を新開発したことが大きい。大きさは従来機の約30分の1、価格は10分の1。写真を見れば分かるように、デスクトップPC程度の大きさしかない。


写真右が小型基地局。脇に置かれているのがタバコの箱だという。小ささがうかがえる

 エリアが整備され電話機としてPDCと同等に利用できるようになって、FOMA独自の機能が生きてくる。

 その筆頭TV電話は、ユーザーの間ではかなり活用されているようだ。6月15日の段階で50万契約に達したFOMAの内訳は、TV電話対応機が6割だという。

 ではTV電話機能はどれくらい使われているのか。ドコモによると、「実際にTV電話を使っているユーザーをピックアップすると、ARPUのうち5分の1くらい、2000円をTV電話に使っている」(説明員)。TV電話対応FOMAユーザーだが、TV電話を使ったことがないというユーザーを除いた数値ではあるが、かなり利用率は大きい。TV電話対応機種を増やすことで、利用が促進される可能性もある。


今年1月の「2051シリーズ」(2002年12月の記事参照)の発売を機に上向きに転じたFOMA契約数は、3月の「P2102V」のヒットで急上昇(3月21日の記事参照)。現在、最新機種である「N2701」(5月27日の記事参照)が投入されたばかりだ



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関連リンク
▼ ニュースリリース
▼ NTTドコモ

[斎藤健二, ITmedia]

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