Mobile:NEWS 2003年6月26日 01:25 AM 更新

Symbian OS、そして「Series 60」とは何か(1/2)

Symbian OSとNokiaのUI、Series 60の組み合わせが、世界のスマートフォン市場で急速にシェアを伸ばそうとしている。Symbian OSそしてSeries 60とは何か。

 次世代携帯電話向けのOSを巡って、競争が激化してきた。中でも、最有力と見られているのが、SymbianのSymbian OS(用語)だ。6月25日、都内で「Forum Nokia Symbian・S60アプリケーション開発セミナー」が開催され、Symbian OS、そしてSeries 60プラットフォームの最新動向が紹介された。

オープンプラットフォームとしてのSymbian OS

 Symbian OSは、「カーナビで使うためではなく、携帯で使うために開発されたOSだ」とシンビアンのテクニカルディレクターである小西一弘氏は説明する。

 「単にPDAのOSを持ってきても、ちょっと変な携帯になる」(小西氏)。元々はSymbian OSもPSIONというPDA向けのOSだったが、現在は携帯電話に特化したOSとして地位を確立した。


Symbian OSの構造。PDA向けのOSと最も異なるのは「TSYと呼ばれる部分だ。ベースバンドとアプリケーションプロセッサをつなぐ役割をするもので、電話らしい動きをさせている」(小西氏)


広くライセンスされる標準的なOSとしては、Symbian OSのシェアは大きい。携帯電話メーカー各社のジョイントベンチャーとして生まれたSymbianの株主には、Nokia、Motorolaをはじめ、Sony Ericsson、Siemens、Panasonic、Samsungなど大手海外メーカーが名を連ねる。Symbian OSのライセンス先にも大メーカーが並び、各社のシェアを合計すると、世界シェアで8割にも達する

 Symbian OSの特徴の1つは、「一種のPCのような世界」(小西氏)をもたらすオープンプラットフォームであることだ。将来に渡ってサポートする標準APIを定め、ソフトウェアの互換性を保持する。「Symbian OSは、きっちりAPIを守ればどの端末でも動く」(小西氏)。

 現在の携帯電話のOSのほとんどはカスタムメイド──そのメーカー独自のものだ。ところが端末の高機能化が進むにつれ、開発期間とコスト、そしてリスクの多くはソフトウェアが負うようになってきている。標準的なOSを使うことで、バグも減らせるし、世界中のアプリケーションを利用できるようになる。携帯電話メーカーがSymbian OSに注目する理由の1つはそこにある。

※ネイティブアプリケーションをダウンロードして実行できるのがSymbian OSの最大の特徴と言えるが、「ドコモさんは、まだオープンプラットフォームという考え方をお持ちになっていない。ダウンロードして楽しむという考え方は日本にはない。(Symbian OS搭載の)F2051もダウンロードできるのはJavaだけだ」(小西氏)。

 実際、Symbian OS採用端末の数は急拡大している。2000年にEricssonが「R380」がSymbian製OSを搭載したのを皮切りに、「Nokia 9210」「Nokia 7650」Sony Ericssonの「P800」などが登場。日本でも、富士通製の「F2051」、もうじき登場する「F2102V」(6月16日の記事参照)がSymbian OSを搭載する。

※初出で「R380]がSymbian OS v6.0搭載としましたが、最初のv6.0搭載端末は「Nokia 9210」になります。お詫びして訂正させていただきます。

 出荷台数もうなぎ登りだ。Nokiaのミドルレンジ「Nokia 3650」は、「月産で軽く100万台。これがうなぎ登りの貢献機種」(小西氏)。現在、出荷済みの製品は4社15製品。その後も開発中のものが10社21製品、仕様策定中のものは9社17製品があると小西氏は言う。

Symbian OSのUIの中核──Series 60

[斎藤健二, ITmedia]

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