Mobile&Movie 第68回
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作品名 | 人生は時々晴れ(ALL OR NOTHING) |
監督 | マイク・リー |
制作年・製作国 | 2002年英仏合作 |
ロンドンの集合住宅に住むフィルとその家族。タクシー運転手をしているフィルの収入だけでは生活できず、妻のペニーもスーパーのレジ係として働いています。目下の悩みは、一日中家でごろごろしている息子のローリー。仕事をするよう勧めても、反抗的な態度に出るばかり。ペニーがきつく注意をすると、さらに悪態をつき、手に負えません。父であるフィルに息子の教育を頼んだところで、どうにもならないとペニーは諦めています。ローリーとは反対に、老人ホームで働くレイチェルは無口でおとなしい娘。
集合住宅には、フィルと同じタクシー会社で働くロンや、ペニーのスーパーの同僚モーリンなどが住んでおり、それぞれが日常に追い立てられるように生活していました。ペニーは家族の中にいても、隣人の中にいても、虚ろな気持ちを抑えることができません。今の暮らしは変えられず、心の空洞だけが大きくなっているような日々でした。
そんなある日、フィルは風変わりな女性をタクシーに乗せます。その女客は急いでいましたが、渋滞でなかなか車は進みません。ふとしたきっかけから、家族のこと、人生のことを、車中で語りだしたフィル。女客との会話の中で、自分でも気付かずに、心に溜まっていた重い塊を少しずつ吐き出していったのでした。
その頃ローリーが倒れ、スーパーで働いていたペニーに連絡が入ります。病院へ運んでくれたのは、近所のモーリン。取り乱しながらもペニーは、フィルの携帯に電話をかけます。しかし、何度かけても電話は通じません。
「出てよ、フィル」
病院へ向かう途中で、フィルのタクシー会社に連絡しますが
「なぜかわからないが、無線も切れているんだ」
と会社の人に言われ、落胆します。
「大事なときに……」
ペニーは泣きながら、何度もフィルに電話をしますが、いっこうに出てくれません。病院へ着き、チューブにつながれ横たわる衰弱したローリーの姿を見て、ペニーは動揺を隠せません。モーリンやレイチェルに支えられながら、ローリーの回復を祈るばかり。こんな時に行方不明になっているフィルに、ペニーは腹を立てます
「どこに行ってたの!」
やっとつながったフィルの携帯電話に、ペニーは怒鳴ります。
「何だ?」
事情が何もわからないフィル。
「ずっと呼び出してたのに!」
ペニーの怒りは止まりません。
「ローリーが倒れたの! 何してるのよ!早く病院に来て!」
フィルはペニーに激しく罵られ、自分の無力さを痛感します。それでも、ペニーは日頃の鬱憤を吐き出すように、非難し続けます。ローリーの発作がきっかけで、今まで見ないようにしてきた家族の溝が、浮かび上がってしまったのです。フィルとペニーの激しい口論を、ただ黙って見つめるレイチェル。家族はこのままバラバラになってしまうのでしょうか。フィルとペニーは、お互いの気持ちをすべてぶつけあって結論を出します。
フィルが携帯電話の電源を切って、向かった先は海でした。砂浜でひとり、フィルは何を想っていたのでしょう。仕事の途中でふと海を見たくなる気持ちは分からなくもないですが、大事な連絡を逃さないように留守電はオンにしておきましょう。
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