EV-DOは当初TCPストリーミング〜KDDI研究所ESEC(組込みシステム開発技術展)の基調講演でKDDI研究所の浅見氏が講演。EV-DOやソフト無線への取り組みなど、今後の技術動向を話した。
KDDI研究所の浅見徹所長がESEC(組込みシステム開発技術展)の基調講演で7月9日、KDDIの今後の技術戦略を話した。 今年11月を目処に、KDDIは最大2.4Mbpsと言われるデータ専用通信方式「CDMA2000 1x EV-DO」のサービスを開始する(3月28日の記事参照)。高速なデータ通信を生かしたさまざまなアプリケーションが想定されるが、TV電話のようなリアルタイム映像は難しい。 「EV-DOはADSL的なベストエフォートなサービス。UDP系のサービスはなかなか厳しい。当初はTCPのストリーミングになるのではないか」(浅見氏)。 EV-DOは、電波状況のいいユーザーを優先してデータを送ることで全体の転送効率を上げる。もちろん電波状況が悪いからといって通信ができないわけではないが、「場所によっては300Kとか600Kbps」まで速度が落ちる可能性がある。 動画の送受信機能「ムービーメール」を全機種標準機能と位置づけるなど(5月14日の記事参照)、積極的に動画対応を進めるKDDIだが、リアルタイム性が要求される通信については、FOMAのようなW-CDMAのほうが有利だ。
また、開発を進めているソフトウェア無線についてはも、重要性を強調。ソフト無線は、現在ハードウェアで行っている無線処理をDSPなどプログラムで行う仕組みで、ハードウェアの変更なしに新しい通信方式に対応できる(6月6日の記事参照)。 狙いの一つは、今年末から始まる地上波デジタル放送への対応だ。「携帯電話がCDMAなのに対して、(地上波の)TVはOFDM(用語)。(新しい無線方式が登場すると)そのたびに新しいチップを載せていかなくてはならない」 二つ目は、耐用年数の長い製品にも無線機器が搭載された場合を想定する。「通信機器の(技術的な)寿命は短いので、自動車に載せた場合に困る」 浅見氏は、現在DSPやFPGAで動作しているソフト無線が、「長い目で見ると、標準OSの中に入れていくべきではないか」と話す。まだ開発は緒に付いたばかりだが、「通信のソフトウェア化はぜひ進めていきたい」。
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