Mobile:NEWS 2003年7月17日 00:29 AM 更新

PHSを捨てて無線LANを選んだNEW CLIEの判断は?(1/2)

5月の「経営方針説明会」(経営方針よりもPSXの電撃発表が記憶に残っているが)の席上で、モックが紹介されたNew CLIE。このNew CLIEがUX-50として早くも登場。「携帯AV機器とモバイルITの融合」を目指したNew CLIEの答えは「PHSを捨てて無線LAN」だった。

 モックのNew CLIEを見たときに、記者が一番気に入ってしまったのが、片手にすっぽり収まる小さな筐体。そのサイズをそのまま受け継いだかのようなUX-50のカタログサイズは、幅103×奥行き86.5×厚さ17.9ミリで重さ175グラム。参考までにゲームボーイアドバンスSPの寸法は幅84×奥行き82×厚さ24.3ミリで重さ142グラム。


デザインが重視されているUX-50ということで、カラーバリエーションの存在が気になるところだが、ソニーはこの件について「現在予定なし」。ただし、「ユーザーからの希望が多ければ、当然対応していくことになるだろう」とも述べているので、期待は持てそうだ


搭載されたキーボードは、従来のCLIEよりもピッチが広がり打ちやすくなっている。ただし、実際に使ってみるとかなり硬いタッチで、ある程度力を入れないと入力が認識されない。「触れる」オペレーションに慣れているCLIEユーザーには、やや使いにくいのではないだろうか

 記者発表会でUX-50の説明を行った吉田雅信氏(IT&モバイルソリューションズネットワークカンパニー ハンドヘルドコンピュータカンパニープレジデント)は、「製品企画においてとくに重要視されたのが、デザイン、パフォーマンス、バッテリー駆動といった相反する3要素の両立にあった」と語る。

 この問題を解決したブレイクスルーが、新しく開発された統合型CPU「Handheld Engine」だ。一つのダイにCPU、DRAM、グラフィックエンジン、インタフェースコントローラなどを集積して、UX-50の小型化を可能にしている。

 CPUにはARM962のコアが使われているが、その動作クロックは123MHz。これまでのCLIEと比べても動作クロックが低く抑えられているが、このおかげで消費電力が抑えられ、長時間のバッテリー駆動を可能にしている。しかし、一方でUX-50の処理能力に疑問を感じるユーザーもいるだろう。


記者発表会でUX-50を手にして説明を行う吉田雅信氏


UX-50のバッテリー容量は従来製品の70%となっているが、Handheld Engineの省電力化によって駆動時間は逆に延びている。公称値は「通常使用で約14日」となっているが、ソニーが行った連続動作テストでは、動画連続再生で5時間、音楽連続再生で7時間というデータが出ている


拡張バッテリーはクレードルのように筐体底面に取り付ける。重さは89gで駆動時間は3倍に。予想実売価格は約1万3000円

 Handheld Engineは、DRAMに64ビットインタフェースを採用し、メモリバス幅も128ビットとかなり広い。このため、123MHz動作時でなんと7.68Gバイト/sという広い帯域幅を確保できている。

 動画やサウンドのエンコード、デコード処理がCLIEで考えられる「最も重い処理」だが、このような処理のパフォーマンスに影響する「データの帯域幅」が広いおかげで、低いCPUクロックにも関わらずパフォーマンスは高くなる、というのがソニーの見解だ。

[長浜和也, ITmedia]

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