Mobile:NEWS 2003年7月25日 10:11 PM 更新

携帯電話に写真付きのデータベース〜「J-T010」のポケットデータベース

J-フォンの東芝製端末「J-T010」に搭載された「ポケットデータベース」。カメラで撮った写真やメール、メモリダイヤルなど、端末内データの有効活用を狙ったこの機能を試した。

 撮った写真を生かすための機能としてよく見かけるのが絵日記などのソフト。J-フォンの東芝製端末「J-T010」は、その一歩先をいく「ポケットデータベース機能」を搭載した。

 ポケットデータベースは、これまで撮りだめた写真や送受信したメール、メモリダイヤルデータなどを使って、携帯電話の中に画像付きデータベースを作成できる機能。例えば友達からメールで送られたおいしい店の情報と自分の撮影した食べ物のデータを組み合わせて、自分だけのレストランガイドを作るなどといったことができる。

 ここでは作成の容易さや、端末内のデータ連携、操作性などを試してみた。

端末内データとの連携を考えた仕様

 ポケットデータベースの作成は、1)プリセットされたテンプレートを使う 2)任意の属性をレイアウトしたテンプレートを作って使う の2つの方法がある。

 端末側に用意されるテンプレートは「お店リスト」「人物」「欲しい物リスト」「写真日記」「メモ」の5つ。お気に入りのお店や名刺などのデータベースを手軽に作りたいなら、これらを使えばいい。

 オリジナルのテンプレートを作成する場合は、「日付」「電話番号」「Eメールアドレス」「URL」「ランク」「価格」「テキスト」「画像」8種類の属性を組み合わせてテンプレートをレイアウトする。

 それぞれの属性には、携帯電話との連携を意識した機能が付いている。例えば「Eメールアドレス」では、データベースに入力したアドレスがMail toと連動するようになっていて、閲覧時にはデータベース内から宛先入りのメール作成画面にアクセスできる。入力時には端末内のメモリダイヤルやメールボックスからデータを引用できる──といった具合だ。


任意のデータベースを作成する際のインタフェース。任意の属性を選ぶと上から順にレイアウトされる。1つのテンプレートには「日付」が2つまで、テキストは3つまで、ほかの項目は1つずつ設定できるが、表示画面の大きさを超えてレイアウトすることはできない。


でき上がったデータベースに情報を入力する際のインタフェース。「価格」の項目で作った入力エリアは、文字種を変更しなくても数字が入力されるようになっており、「ランク」も表示されたものから選ぶだけで済む。作成したデータベースの閲覧時には、電話の場合はデータベース経由で発信でき、メールはアドレス入りのメール作成画面にアクセスできる

 データベースは本体とメモリカード上にそれぞれ最大100件まで作成可能。1つのデータベースには最大500件のカードを登録できる。保存先は本体内メモリ、SDカードのいずれでもよく、後から本体やSDカードに移動したり、コピーしたりも可能だ。

 画像データはデータベース内に持つ仕組みのようで、外部メモリに置いてある画像を使って本体メモリ内のデータベースにレコードを作製し、そのあとメモリカードを抜いても画像がきちんと表示された。

ポケットデータベースの検索機能は

 ポケットデータベースには当然ながら検索機能も用意されており、データベースを構成する属性に基づいた検索が行える。

 ほとんどが、検索フィールドに入れた任意の文字を含むレコードを検索する仕組みだが、「日付」「価格」の属性の場合は、以前や以降、以上や以下の検索も可能だ。ただしこの場合、「以前」と「同日」など複数の要素を合わせた検索はできない


検索のインタフェース(左)。属性が「日付」「価格」のフィールドを作った場合は、任意の日付や日時を入力したあとに、画面のような選択肢が出る

閲覧時の速さは少々もたつき気味

 端末内データを有効利用するための連携の仕組みは、なかなかよくできているポケットデータベースだが、使う際の動作は少々もたつき気味な感がある。

 50ページのデータを登録したポケットデータベースの閲覧を試してみると、方向キーを押して次のデータベースを表示させるのには1秒弱の時間がかかる。SDカードに置いた場合はさらに少し遅くなる。データ10枚と50枚のデータベースの表示速度はそれほど変化がなかったが、作成限界の500枚まで作ったら結果は異なるかもしれない。

 検索は、いくつかの検索項目を入力して「実行」を押すと、最初の検索結果となるレコードが表示され、矢印キーで次の検索結果が表示される仕組み。最初の検索結果が表示されるまでの速度はデータ10枚のものも50枚のものも2秒弱ぐらい。次の検索結果の表示にかかるのは1秒弱程度だ。

速度改善とPCとの連携に期待

 ポケットデータベースは、テンプレート作成もそれほど難しくなく、作成後の入力も手軽に行える。入力や閲覧時の端末機能との連携もよくできており、個々のデータベースには数字4文字のパスワードを使ったセキュリティもかけられるなど、さまざまな用途に利用できそうな印象を受けた。

 今後期待したいのは、操作速度の向上とPCとの連携。特にPCとの連携は、SDカードが付いていてPCにデータを持っていきやすいだけに期待したいところだ。出先では携帯で、家ではPCでデータベース編集ができると、さらに使える機能になりそうだ。



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関連リンク
▼ 東芝「J-T010」サイト
▼ J-フォン

[後藤祥子, ITmedia]

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