Mobile:NEWS 2003年8月11日 05:29 PM 更新

半透過型液晶【はんとうかがたえきしょう】


 半透過型液晶は、透過型液晶(用語参照)と反射型液晶(用語参照)の特長を併せ持った、現時点で携帯電話に最も多く採用されている液晶デバイスである。半透過型液晶では、液晶の奥にマジックミラーのような板を配し、さらにその後ろにバックライトを置いた構造を持つ。

 外光が強い場所では、外光をマジックミラーで反射して反射型液晶のように利用する。逆に外光のない暗い場所では、バックライトを光源としてマジックミラーを通過させ、透過型液晶のような表示を行う。つまり、マジックミラーの一部が透過部で、一部が反射部の役目を持っているわけだ。

 だが、トータル面積が変わらないのだから、その分だけ透過部の面積が少ないということになる。それはすなわち、透過型液晶に比べてバックライトの透過率が低くなり、色の再現性が落ちることを意味する。しかし、単純にバックライトを強くして消費電力を上げるわけにはいかない。そこで重要になってくるのが、カラーフィルタの存在である。


カラーフィルタの働き(凸版印刷サイトより)

 半透過型液晶では、消費電力を抑えるに明るめのカラーフィルタを使っている。つまり光の透過をより促すためだが、色の再現性を高めるには、厚みのあるカラーフィルタの使用が求められる。カメラ付き携帯電話の高画質化に伴って、消費電力とカラーフィルタのバランスを保つのが難しくなったとされ、各メーカーの悩みの種でもあるようだ。

 いいとこ取りの半透過型液晶だけに、透過型よりも消費電力が少なく、また反射型よりも明るく見やすいという、双方のメリットを十分に生かしたデバイスに仕上がっている。だが、反射率を上げると色の再現性が低下するため、最近ではどちらかといえば透過型液晶に近いチューニングが施されているという。



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[江戸川, ITmedia]

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