11月、ソウル――デジタルコンテンツの未来は見えるか?(1/2)デジタルコンテンツのトレードショウ「DICON2003」が、2003年11月にソウルで開催される。ネットワークゲーム人気で注目される韓国では今、モバイルコンテンツが動き始めているという。DICON2003の主催者である韓国文化コンテンツ振興院の担当者に話を聞いた。
日本にも上陸した韓国産ネットワークゲーム「リネージュ」や「ラグナロク」の大ヒットで知られるように、韓国はブロードバンドコンテンツの開発・普及で先行している。 その韓国・ソウルで、昨年に引き続きDICON2003が、11月13日から15日の3日間、開催される。アニメや映像分野から、ブロードバンドやモバイルに向けたさまざまなデジタルコンテンツを対象にした、総合的なトレードショウだ。 このほどその宣伝のために、DICON2003の主催者である、韓国文化コンテンツ振興院・国際マーケティング部のシニアマネージャーであるチョウ・ハセオ(Cho Ha Seob)氏と、同マネージャーのカン・シンドン(Kang Shin Dong)氏が来日。同東京事務所長のパク・ソンヒ(Park, Song Hee)氏や、DICON2003でのコンファレンスやフォーラム運営に協力している、ITベンチャーmobile cultureのCEOであるリー・サンイ(Rhee Sang Y)氏らを交え、韓国におけるブロードバンドコンテンツやモバイルコンテンツの現状、そしてDICON2003の方向性や位置付けなどについて話を聞いた。
DICON2003のロゴ
もともとコンテンツ産業という意味では出遅れていた韓国で、ネットゲームをはじめとしたブロードバンドコンテンツが日本以上に花開いた理由は二つあるという。 「一つはインフラです。キム・ヨンサム政権の94年ころから7年計画でブロードバンドインフラ構築を国を挙げて進めてきました。当初はKT(Korean Telecom、日本ではNTT相当する)が独占しておりなかなかうまくいかなかったのですが、その後民間7社が集まって設立したHanaro Telecomなどが参入して競争が生まれ、一気にインフラの整備が進みました」(チョウ氏)。 「Hanaroはアパート・マンションへの工事を積極的に進め、7年計画のところ、わずか5年でADSL普及率が70%に達しました。ただその時点ではまだコンテンツがそれほどあったわけではありません。次はコンテンツだ、ということで、90年代末から政府が多種のサポートプログラムを用意。力を入れているところです」(同氏)。 そして二つ目の理由が、97年、韓国を襲った金融危機だった。多くの人がリストラされ、若い人も就職できなくなった。その結果、こうした人たちがデジタルコンテンツの分野に流れ、5、6人のグループによるベンチャー企業がたくさん起業されたからだ。 現在、ブロードバンド向けのオリジナルコンテンツを作成しているのは、その多くがこうした人たちが作ったベンチャー企業なのだそうだ。
その韓国では今、蓄えたブロードバンドコンテンツをモバイルコンテンツへと移植し、新たなビジネスを起こそうという動きが始まりつつあるという。 日本でも大量のモバイルコンテンツは作られているのは周知のことだ。だが、実際に確実に利益を生み出しているビジネスと言えば、着メロとキャラクターの待ち受け画面、それにゲームぐらいだ。あとはうまく収益に結びついていないコンテンツビジネスが大半を占めている。韓国ではどうなのだろうか?
[大出裕之, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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