Mobile:NEWS 2003年8月22日 03:39 PM 更新

呼び出し音がメロディに〜ドコモ「メロディコール」

NTTドコモは携帯電話の呼び出し音に、音楽や音声を設定できる新サービス「メロディコール」を提供する。着信メロディとは違い、電話をかけた側がメロディを聞くことができる。9月1日から。

 NTTドコモは9月1日から、携帯電話の呼び出し音に、音楽や音声を設定可能にするサービス「メロディコール」を提供する。着メロと異なり、相手が出るまでの間、電話をかけた側が音楽を聴くことができる。

 これまで「プルルルル……」と鳴っていた呼び出し音を、音楽や音声に変える、ネットワーク側のサービス。、呼び出し中、最大15秒ほどのクラシックやポップスなどの音楽が繰り返し流れる。着信側のユーザーが申し込みを行い、料金は月額100円から。


 クロスメディアビジネス部の黒田偉之担当部長は、「呼び出し中はイライラしがちだが、待ち時間を楽しむ、長く感じさせない効果がある。つながったときの話のきっかけにもなればうれしい」と効果に期待する。今年度末までに200万契約を見込んでいる。

 契約を申し込むのは着信する側になる。楽曲の設定などをiモードで行うため、iモード対応のFOMAおよびmovaが対象。メロディを聞くことができるのも、FOMAとmovaの契約者(FOMAのTV電話を除く)となる。

 月額100円のベーシックコースと、200円のエンジョイコースが用意される。ベーシックコースは20曲程度の「クラシックやオリジナルのクラブ風の音楽」から楽曲を選び、エンジョイコースでは約3000曲の最新ポップスなどから選択できる(当初は約500曲。今年度末には約3000曲を予定)。エンジョイコースでは、月に3曲まで変更が可能となっている。

 ユーザーは3曲まで楽曲を選択でき、各曲ごとに10人まで相手の電話番号を設定できる。この設定した相手からの電話の場合、楽曲が流れることになる。


設定時の利用イメージ

 申し込みはiモード(「iメニュー」-「メニューリスト」-「ドコモeサイト」)やドコモのWebサイト、電話(ドコモの携帯電話は151、一般電話は0120-800-000)のほか、ドコモ取扱店で行える。

 ドコモではメロディコールのサービス開始に伴い、9月1日から10月31日までキャンペーンを実施する。キャンペーン期間中に「エンジョイコース」に契約すると、月額利用料半額でサービスを利用できる。


サービスロゴ。サービスのイメージは、メロディコールサイトの「電話をかけてくれたあの人に、あなたが出るまで音楽を聞かせてあげる」という説明が分かりやすい

韓国で大人気のRing Back Toneの日本版

 このメロディコール、韓国や香港で流行しているサービスの日本版だ。ドコモによると、韓国では2002年5月から開始され、現在は国内の3キャリアすべてが対応、開始後10カ月で約800万人(全体の約25%)が利用する人気サービスに育っている。

 国内では初めてとなるメロディコールだが、韓国というお手本があるだけに、大ヒットが予感される。ただし、課題もないわけではない。

 一つは、音楽を聴かせられる相手が限定される点だ。韓国では他キャリアからの着信をはじめ、固定電話からでも楽曲を聴くことができる。メロディコールでは、あらかじめ指定したドコモの携帯ユーザーだけが対象だ。  ドコモの黒田氏は「韓国では、(いきなり楽曲が流れて)間違い電話などと間違えるなど、混乱があった。サービスが認知されるまで混乱を避けるため、当面はコントロールできるユーザーを対象とする。将来的には、誰からかかってきても(音楽が流れる)という形にしたい」と話す。もちろん、インフラの容量や、「固定電話の場合、呼び出し音が制度として決められている」という問題をクリアする必要がある。


端末などに依存しない、完全にネットワーク側のサービス。現在のところはドコモユーザーでなければ音楽を聴けないが、技術的には他キャリアからの着信や固定電話からの着信にもすぐに対応できるという

 音質は、着メロなどに比べれば悪い。サーバ側の元楽曲は32KbpsのADPCMで持っているが、携帯電話の通話用の回線を使って楽曲を流すだけに厳しい部分だ。ちょうど、電話をかけて音楽を視聴するサービスの音質を想像すれば、近い。もちろん、ハーフレートのPDC、フルレートのPDC、FOMAの順で音質が上がる。

 楽曲がどこまでそろうかも課題の一つ。着メロと異なり、ボーカル付き楽曲は原盤権の扱いがややこしいことは、著名アーティストが抜け落ちているauの「着うた」を見ても明らかだ。

 メロディコールのサービスは「ネットワークサービスの一番大事な根幹のところ。基本的にはすべてドコモで提供していく」と、コンテンツプロバイダーにプラットフォームとして開放していくことには消極的。

 著作権については「基本的にはJASRACとの話し合いの最中」(黒田氏)。同氏は「ストリーミングサービスが参考例」とし、着メロのようなダウンロード型とは異なり、月額固定料金をベースとした著作権処理に落ち着くもようだ。JASRACはコメントを控えているが、同協会の最近の動向を見る限りでは話し合いは前向きに進んでいると思われる。

 いくつかの課題はあるものの、画期的な楽曲サービスであることは間違いない。いったん火がつけば、爆発的な普及も期待される。



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[斎藤健二&後藤祥子, ITmedia]

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