Mobile:NEWS 2003年8月22日 06:41 PM 更新

日本から台湾へ。海を渡った携帯/PHSの現地事情(1/3)

日本とのローミングが可能になるなど、台湾で人気が出てきたPHS。同じく日本生まれのiモードと比べて、どっちが現地でメジャーになったのだろう。

 台湾の携帯電話は、他のアジア地域(日本・韓国を除く)と同様、GSM方式が使われている()。端末を提供するメーカーは、MotorolaやNokia、Sony Ericssonといった日本でも馴染みのある欧米組を始め、韓国のSamsungやSEWON、日本のPanasonicやMitsubishi、そしてBenQやDBTEL、OKWAPなどの台湾製品と、実に国際色豊かである。

 親日派が多いと思われている台湾で、日本製品が人気かといえば必ずしもそうではない。やはりGSM発祥の地、欧州勢の選択肢の多さにはかなわない。では、日本から渡った自信作「iモード」と、日本で敗色濃厚だった「PHS」の人気のほどはどうなのだろう。実際に確かめるために、現地の携帯ショップを回ってみた。

iモード「和信電訊(KG Telecom)」

 台湾でiモードのサービスを提供するのは、大手移動体通信事業者である和信電訊(KGテレコム)(2002年6月の記事参照)。ドコモからライセンスを受けて、おなじみの「i-mode」の名称とロゴを使っている。日本のPDC+パケット網と違い、GSM1800+GRPS(用語参照)ネットワークで構成される。

 一般の携帯ショップで、和信電訊の携帯電話(SIM)を扱ってはいるものの、iモードに関しては日本のドコモショップにあたる「i-mode専門店」が担当することになっている。台北市の中には、こうしたショップが12店舗ある。市の中心部、新光三越デパートのそばにある直営店「北區旗艦服務中心」では、朝10時から夜8時半まで営業をするなど、日本の状況と似ているようだ。

 ではiモードの普及状況はどうか。太平洋SOGOの近くにある、とあるショップをのぞいてみた。平日の日中とはいえ、客はおらず閑散としている。一向に売れている気配はない。街中でもメールをチェックしながら歩く若者の姿はない。だが、和信電訊によれば2003年5月にiモードの加入者数は10万を超えたという。


台北復興特約服務中心。和信電訊ショップの店先に「i-mode専門店」の表示がある。もちろんiモード以外も扱っている

2003年4月の時点で店頭にあったのは、NEC製の「N530i」と(日本では見かけない)東芝製の「T535i」

現在は、NECから最新機種として「N550i」(欧州「N22i」の中国語版)が追加発売されている。N530iに比べ、液晶が256色から4096色へ、着信音が16和音から40和音へと向上した

 さらに同社では、2003年の第2四半期に「iアプリ」「iエリア」「MMS」の投入を予定しており、2003年末には20万加入を達成するいう楽観的な見方をしている。確かに同社のWebページを見た限りでは、若者にアピールできているように見受けられるのだが、誰が使っているのかという実態を掴むには、もう少し様子を見るのが妥当と思われる。もっとも、業界関係者だけで10万人とは考えにくいのだが。

 ところでその和信電訊に、同業の遠伝電信(Far EasTone)と合併するというリリースが出ている。両者が合併しても、業界トップの台湾大哥大(泛亜電信を含む)、第二位の中華電信に次ぐ第三位の位置でしかないのだが、加入者数では上位に迫るものとなり、ビッグ3となることはiモードにとっても追い風になる。

 だが、和信電訊の約20%の株を所有するドコモは、実はこの合併に消極的とも伝えられており、来るべき3Gの展開を含めて今後の動向は予断を許さない状況だ。

PHS「大衆電信(FITEL)」

[江戸川, ITmedia]

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