ダウンロード課金をいかに生かすか〜ナムコ新技術の積極的な採用や海外展開の早さで知られるナムコが、各サイトの契約者数の推移を公開。どのような手法でさらなる契約者アップを狙うのか、構想を話した。
ナムコといえば、数々の名作ゲームの携帯Javaアプリケーション化だけではない。着メロダウンロード「メロキャラ」や写メールを使った「立体☆写メランド」など、いち早く新技術を使ったコンテンツに挑戦するのが持ち味だ。 8月29日、ナムコの携帯コンテンツ部門を率いるWMCカンパニープレジデントの石村繁一氏が、mobidec 2003で講演を行った。 石村氏は、新しもの好きの社風が反面、飽きっぽさにもつながる部分があると話す。別の言い方をすれば、新技術への即座の対応は、必ずしも契約者の恒常的な増加にはつながらない。例として、同社のサイトの契約者数の推移を提示し、すべてのサービスが右肩上がりで成長しているわけではないことを示した。
左はiモード創生期からの歴史を誇る「ナムコiランド」の契約者数推移。途中、大きく急上昇している部分が「503iが出てパックマンを配信したタイミング」だ。右側は、単独ゲームのサイト。「いったん遊んだ後は、衰退の一途」(石村氏) しかし、これは同社の問題というよりも携帯コンテンツに携わるほとんどのサイトが問題としていることだろう。「たいていのサイトが、こういう推移を示す」と石村氏。 こうしたサイトの成長と衰退のパターンを見てきた中から、同社は新しい試みを考え始めている。下のグラフは、月額課金のサイトの契約者数の推移に、「ダウンロード課金でやった売り上げを換算して追加してみたもの(赤線)」だ。
「30〜40本のソフトを抱えるサイトでは、もう1本追加しても、急激に契約者数が増えないのがジレンマ。新作ゲームはまずはダウンロード課金で提供して、落ち着いてきたら月額課金に入れる。“月額課金で契約したほうがお得ですよ”とアピールできる」。石村氏は、試算の結果からこのようなシナリオを練っているという。 ただし、基本は月額課金だと石村氏は話す。海外キャリアはゲームダウンロード一本あたりいくら……というダウンロード課金が基本だが、「(月額課金は)大きく増えない代わりに、急激には減らない」。月額課金をベースに、ダウンロード課金をどううまく組み合わせるかが、マネジメントの腕の見せ所となるようだ。
ナムコが運営するサイト全体では右肩上がりを堅持。Javaでゲームを提供できるようになった503iから、契約者数が倍増したことが見て取れる
なお、数多くのゲームサイトを運営する同社では、「グレートロボ」「グレートロボA」のように、「登録しているユーザーの半分以上がFOMA」というようなサイトも現れてきている。パケット通信が頻繁に起こるゲームのため、ユーザーがコストの安いFOMAに乗り換えているわけだ。 ドコモの夏野氏も話すように、2G向けコンテンツは505iがそろそろ限界(8月29日の記事参照)。それを肌身に感じているのはゲームのコンテンツプロバイダかもしれない。 「503iのころは1ゲーム20円くらいでダウンロードできたのに、今は200円、300円かかってしまう。心が痛い。思う存分ダウンロードしてもらえるのは、3G時代からかもしれない」(石村氏)
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