Mobile:NEWS 2003年9月8日 05:19 PM 更新

cdmaOneが使える、PHSも交渉中〜タイっていったいどんな国?

auの国際ローミングに追加された国、タイ。アジアのローミング先としては、4カ国目となるこの国とは、DDIポケットがPHSのローミングを交渉中とも伝えられる。

 2003年8月8日、auの国際ローミングサービス「GLOBAL PASSPORT」(グローバルパスポート)の利用可能地域にタイが加わった。アジアの中では、韓国、香港、中国についで4カ所目。

 だが、これまでの国(地域)と比べると、タイについては今ひとつどんな国なのか伝わってこない。DDIポケットのPHSも台湾についでタイでの国際ローミングを検討中だという。意外と重要な拠点になりそうなタイにスポットを当ててみる。

タイという国

 タイは、正式にはタイ王国(Kingdom of Thailand)と呼ばれ、その名のとおり「王様」のいる国である。立憲君主制で、在位56年になるプーミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世王)が元首を務めている。内政はタクシン・シナワット首相の下、タイ愛国党を中心として安定政権が続いている。日本と友好関係にあるのはもちろんだが、タイの王室と日本の皇室の間でも交流がある。

 タイの首都はバンコク。だがこれはあくまでも通称でしかない。正しくは「クルンテープ・マハーナコーン・ポーウォーン・ラタナコーシン・マヒンタラーユタヤー・マハーディロクポップ・ノッパラッタナ・ラーチャターニー・プリーロム・ウドム・ラーチャニウェート・マハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカティッティヤ・ウィサヌカム・プラシット」という。現地の人はクルンテープと略すようだ。

 バンコクは、成田から飛行機で約6時間の距離にある。日本との時差は2時間で、バンコクの午前10時が日本の正午となる。筆者らが前回タイを訪問したのが1月中旬。到着が深夜12時にもかかわらず気温は30度近くでかなり蒸し暑かった。それもそのはずで、タイは北緯30度付近の熱帯に位置している。もっとも暑い時期が4月ごろで、ときおり40度を超えるらしい。1月〜2月が一番過ごしやすく、観光にはベストシーズンとなる。

 公用語はタイ語で、ほとんどの国民が日常的に使用しているという。また地域によってはラオ語、クメール語、中国語、マレー語なども使われている。

タイの携帯電話会社

 始めにタイの電話会社について触れておこう。そもそもは、国内電話を担当するタイ電話公社(TOT)と、国際電話と郵便を担当するタイ通信公社(CAT)の2公社が存在していた。2000年に両社の民営化が決定され、TOT、CAT通信、CAT郵便の3社と持株会社に再編された。だが実際はまだ民営化が完了しておらず、TOTとCATがそれぞれの領域の民間企業に事業権を与える形になっている。ちなみに、KDDIはCATとグローバルパスポートのローミング契約を交わしている。

 タイの携帯電話は、タクシン首相が創業しシンガポールテレコムが資本参加したAIS(Advanced Information Service)、ノルウェーテレコムが資本参加したDTAC(Total Access Communication)、2002年3月にテレコムアジアを母体として新規参入したTA Orangeの3社が中心となって、GSM900/1800のサービスを行っている。

会社名サービス名プリペイドサービス名事業権方式
AISDigital GSM 2WATTSOne-2-CallTOTGSM900
DTACWorld Phone 1800DpromptCATGSM1800
TA OrangeOrangeJust TalkCATGSM1800

 その他、携帯電話のシステムとは異なるPCT(Personal Communication Telephone)というサービスを固定電話会社のテレコムアジアが行っている。このPCTはバンコク市内のみ使用可能で、日本のPHSを基にしたシステムだ。携帯電話より基本料金や通話料は安いが、基本的に固定電話の子機として使用する。おそらくDDIポケットのPHSは、バンコク市内でのみ使えるようになるのだろう。

タイ人は携帯電話が好き?

 ところで、空港まで迎えにきてくれたタイ人が、筆者らの携帯を見て「日本の携帯は大きいね。僕のはこんなに小さいよ」と自分の携帯を見せてくれた。確かに小さくて軽い。だが液晶はモノクロ、着信音も単音でスペックだけを見ればずいぶんと劣っている。

 すると、私たちの話を聞いていた近くのご婦人が、自分の携帯の方がもっと新しいぞと言わんばかりに差し出してくる。嬉しそうに話している彼らの様子を見ると、みな携帯電話が好きなのだろうと思えてくる。

 実際に現地で知人に聞いたところ、タイ人の携帯電話に対する情熱はものすごく、中でも若者の一番の関心は携帯電話にあるらしい。1カ月ごとに新機種に交換したり、国内にはない機種を求めてシンガポールやマレーシアにまで行く人もいるとか。タイの工場で働く人の1カ月分の給料(約2万円)にあたるほどの高い機種でも、飛ぶように売れているという。にわかには信じられない話である。

 町を歩いてみて気づいたことがある。もともとGSM端末の多くにはマナーモードに相当する機能がなく、またそうした(着信音を止めておく)習慣もない。そのため、電車の中で着信音が鳴った場合、そのまま出て通話する人がほとんどだ。もっとも、大きな声で話す人は皆無で、実際あまり気にならなかった。

 それならば、と電車の中でJフォン「V-N701」を出したところ、どうやら真っ赤で大きい折り畳みの携帯が珍しかったらしく、乗客が一斉に注目してしまった。これにはさすがに恥ずかしくなったので早々にカバンの中にしまったが、確かにタイで見かけた携帯は黒やシルバーが多く、若者でもスケルトンがいいところ。ピンク、ブルーといった日本のような色はまず見かけない。


良番のSIMカードを売る携帯ショップ。電話番号の好みも日本とは少し違うようだ

写真で見る、タイの風景


駅のホームでは携帯電話で話してる人をよく見かけた。あまりにも本体が小さいので話しているのに気が付かない場合が多い。ただし、日本のようにメールをやっている人は見かけなかった


バンコクではバスの車体や看板など至るところで携帯電話の広告を目にする。2年前に開通したスカイトレインという電車の車体もこのとおり


携帯型ライターが流行っているらしく、露店でよく見かける。アンテナを押すと火がつきバックライトが青く光るというもの


大都会の顔を見せるバンコクを、ホテルより見下ろす


その一方、町を歩いていると突然こんなシーンに出会うことになる


スターバックスもどこかエキゾチックなたたずまいだ

 さて、多少はタイへの親近感がわいてくるとうれしいのだが、いかがだろうか。タイのケータイ事情についてはこの後、VGSの使用レポートと、GSMプリペイドの購入体験をまとめているところなので、近いうちに続報としてお伝えしたい。



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関連リンク
▼ AIS(英語)
▼ DTAC(英語)
▼ Orange(英語)
▼ CAT(タイ語)
▼ PCT Phone(タイ語)

[鈴木晴代&江戸川, ITmedia]

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