次世代XScale「Bulverde」の三つの特徴Intelは次世代XScaleに、三つの大きな機能追加を行った。このコードネーム「Bulverde」は、ワイヤレスMMX、ワイヤレスSpeed Stepをサポートし、カメラの接続を容易にするクイックキャプチャーインタフェースを備える。
Intelは9月18日、ワイヤレス端末向けの次世代アプリケーションプロセッサ「Bulverde」の概要を明らかにした。次世代のXScaleプロセッサと位置づけられるBulverdeは、ハイエンドの携帯電話やPDA向けのCPUで「2004年の携帯電話/PDAで何ができるのか、再定義するもの」だという。 Bulverdeがターゲットとする、2004年の携帯電話/PDAは次のような端末だ。携帯電話は、LinuxやSymbian OS、Pocket PCなどフル機能のOSを搭載し、QVGAカラーディスプレイに無線LAN(802.11b)、動画対応カメラを搭載。テレビ電話も行える。PDAはVGAディスプレイやWebブラウジング機能に加え、動画対応のカメラやGPSにも対応する。
こうしたハイエンドの端末に十分な性能を提供するため、Bulverdeには大きく三つの機能が追加された。ワイヤレスMMX、ワイヤレスSpeed Step、クイックキャプチャーインタフェースだ。 まずワイヤレスMMXは、マルチメディア処理を高速化するSIMD演算を行う命令セットだ。IA-32プロセッサに実装されている「MMX」と互換性があり、「PCからワイヤレス端末への移植を簡単にする」(Intel)ためのもの。概要はIDF Fall 2000で触れられていた(2002年9月の記事参照)。 ワイヤレスMMXを使うことで、「動画のデコードでは最大50%の性能アップ。エンコードではXScaleのみに比べて2倍から3倍のパフォーマンスアップ」(Intel)となり、併せて低消費電力化も実現する。例えばQCIFサイズのテレビ電話の動画、音声を処理するのに必要なCPUコアの消費電力は、秒間15コマ時で78ミリワット、30コマ時でも120ミリワットに抑えられる(208MHz動作時)。
ワイヤレスSpeed Stepは、周波数と電圧の両方を動的に変化させることで消費電力を抑える仕組みだ。従来のXScaleプロセッサでは周波数のみを変えられたが、電圧も可変とすることで、さらに低消費電力とした。5種類のモードが用意され、消費電力を重視する場合とレスポンスタイムを重視する場合とで柔軟に使い分けることができる。
クイックキャプチャーインタフェースは、世界中で急激に増加するカメラの接続を容易にするための仕組み。通常カメラモジュールは映像処理用DSPを備えているが、Bulverdeはこのカメラ用のDSPを内蔵することで、カメラのコスト削減を可能とする。 4Mピクセル(2048×2048ピクセル)までのCMOS/CCDセンサーを接続でき、ワイヤレスMMXと内蔵DSPを使ってカラーバランスやノイズ除去、ホワイトバランス、ガンマ修正などを行える。 またCPUをバイパスして、カメラ画像をディスプレイに直接表示する高速なプレビュー機能をサポートする。QVGAで秒間30コマ、VGAで秒間15コマの表示が可能。「CPUを使わないので低消費電力」(Intel)
なお、Bulverdeの登場時期については明らかにされていない。
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