Mobile:NEWS 2003年9月22日 07:37 PM 更新

各国の端末がよりどりみどり〜香港携帯電話事情(1/2)

さまざまな国の人々が行きかう香港。早くから携帯電話が普及していたこの地で最も普及しているのはGSM方式だ。国際都市だけあって携帯電話は各国のものを選び放題。買い替えユーザーも多く、市場は活気にあふれている。

 狭いエリアに人口が密集し、基地局を配置しやすい状況にあったことから携帯電話の普及が早かった香港。中国への玄関口ともいえる土地柄と海外からの来訪者の多さのせいか、世界標準ともいえるGSM方式が普及している。

 携帯電話普及率でも香港は世界トップクラスで、人口631万人に対しポストペイド契約の携帯電話加入数が2003年7月時点で420万7千契約(普及率66%)、さらにプリペイドSIMユーザーを含めた加入数は656万5千契約。普及率で見ると100%超えという状態になっている(OFTA調べ)。

 GSM方式が主流の香港では、SIMカードを差し替えるだけでオペレータ(キャリア)の乗り換えができてしまう。各オペレータは熾烈な値下げ競争などでユーザーの獲得合戦を行ってきたわけだが、この値下げ競争も極限に達した感がある。今後は3G展開によるマルチメディアサービスの提供など、サービス面での差別化を図ることが業界の鍵を握ることになっていくのだろう。

欧州製、日本製、中国製……端末ラインアップが豊富な香港

 香港では、東西からさまざまなメーカーのGSM方式携帯電話が流入し、新品・中古を問わず販売されている。中国本土に生産ラインを置いているNOKIAやSONY ERICSSONをはじめ、NECやシャープ、松下といった日本メーカー製、SIEMENSやALCATELなどの欧州メーカー製、PANDA(熊猫)ブランドなどの中国独自ブランドなどラインアップは実に豊富だ。また同じNOKIA製端末でも、中国本土で生産されたモデルや、純粋なフィンランド製、さらに中国語表示ができない欧州向けの並行輸入端末まで揃っている。

 日本ではカメラ付きの携帯電話端末が大流行しているが、香港でもカメラ付きモデルはかなりの種類が出回るようになった。端末も個性的なものが多く、折りたたみ一辺倒の日本とは大きな違いだ。日本メーカーでいえば、たとえば松下(Panasonic)が超小型タイプのGSM方式モデル「EB-GD55」「EB-GD60」などを投入している。超小型タイプのこのモデルは香港の若者を中心に大ヒットしているようで、ネックストラップを使って首からこのモデルをアクセサリーとしてぶら下げている人を多数見かけた。

 これら新興GSM端末メーカーに対して、老舗ブランドNOKIAも依然として根強い人気を誇っている。その理由を港中文大学大学院でニューメディアの研究をしている李樹彦氏は、「モデルチェンジを経てもユーザビリティを変更していないNOKIAは、買い換えても違和感なく操作できるのが人気。NOKIAからほかのメーカーに乗り換えると、あらゆる操作で戸惑うことになり、一度他メーカー端末を購入したユーザーでもNOKIAを買い直すケースが多い。とくに年齢層の高いユーザーほど、使い勝手が変わらないNOKIAを好む傾向がある」と分析する。

 以前はNOKIAと並んでシェアを2分していたMOTOROLAは、今では影をひそめてしまった印象を受ける。今でも多くのモデルをラインナップしているが、北米で設計された端末と韓国メーカーからOEM供給されている端末とでユーザビリティが異なっており、端末デザインにも統一が見られない。これがブランド自体の魅力を失ってしまっているようにも見えるし、実際に使い勝手でも不満を覚えることになるのだろう。


松下製の人気モデルEB-GD55(写真中央)。左はSH505i、右はP503i。その小ささがお分かりいただけるだろうか。同じサイズでカラー液晶を搭載したEB-GD60も大人気

[木暮祐一, ITmedia]

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