Mobile:NEWS 2003年10月1日 03:38 AM 更新

3Dモデル同士のテレビ電話も〜ロシア発の3D変換エンジン

1枚の画像から3Dモデルを生成する変換エンジン「SeeStorm Avator」。ロシア発のこのシステムは、3Dモデル同士でのテレビ電話も可能にするという。

 iショット(L)サイズの1枚の写真から生まれた3Dモデルが言葉に合わせて口を動かしたり表情を変えたりする──。ロシアのSeeStormが、そんな3Dモデル変換エンジン「SeeStorm Avator」を開発した(8月29日の記事参照)。

 3Dモデルはオリジナル画像とキャラクター画像の合成も可能。生身の自分を丸出しにするのは恥ずかしいが、ちょっとだけなら……というシャイなユーザーのニーズにも応えてくれるユニークなものだ。

 アジアを皮切りに、世界の携帯電話市場にこのエンジンを普及させたいと考えるSeeStormのCEO、アンドリュー・スビリデンコ氏がSeeStorm Avatorの持つ可能性について語った。

携帯電話を意識した新機能を開発中

 そもそもSeeStorm Avatorは、PCのインスタントメッセージソフト向けに4年前から開発が始まったという。PC向けにはアメリカなどで売り込んだこともあったが、IMなどの課金体系が明確でなかったためうまくいかず、そうした仕組みが確立されているアジアの携帯電話市場を中心としたターゲットにシフトした。「まずは、日本のコンテンツプロバイダを通じて主要3キャリアでサービスを展開したい」。韓国の大手通信キャリアとも話が進行中で、シンガポール、香港、中国などへの進出も狙う。

 書き出しフォーマットも、エイチアイの3DポリゴンエンジンMascot Capsule EngineやドコモのDoja 3.0、J-フォンのJSCL、auのBREW 2.0に対応するところまで開発が進んでいると話す。

 今後の機能追加も、携帯電話を意識したものが多い。「カメラが付いていない端末でも3Dモデルを使えるよう、声から感情を読み取ってモデルの表情に反映させる機能や別人の声と自分の声を合成させる機能を開発している」。

 面白いのは、内蔵カメラがとらえた表情をそのまま3Dモデルに反映させる機能。テレビ電話で3Dモデル同士が話すようなことも可能になるという。「これらの機能は来年度中には完成する予定」。


ほかの画像と合成して3D化できるのも特徴。ちょっとしたコスプレ気分を味わえそうだ。今後は声の合成にも対応予定

3Dモデル生成の速さがポイント

 SeeStorm Avator特徴の一つに挙げられるのが、3Dモデル生成の速さ。これに貢献しているのが、顔の輪郭やパーツを検出してスプライン化するプロセスの自動化だという。「他社製品では10分ぐらいかかるところが2−3秒で済む」。


左が元画像。送信された画像はかなり細かく各パーツのポイントが自動検出されスプラインデータが生成される(中)。右は3Dモデル化されたもの

 また、3Dモデルの生成や、顔のパーツの自動検出、せりふにモデルの口の動きをシンクロさせるリップシンク、データストリーミングなど、生成エンジンにかかわる技術すべてをSeeStorm内で開発したのも強みだとスビリデンコ氏。「競合するEyematic(8月20日の記事参照)やLife LXなどは、ばらばらに特許を持っているが、われわれはすべてのソースを社内で開発している」。

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▼ SeeStorm

[後藤祥子, ITmedia]

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