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2003年10月2日　11:21 PM 更新

Palm、IBMのランタイムでJava対応強化

新しく発表されたPalmのTungstenでは、IBMのWebsphere Micro Environmentを無料でダウンロードできる。また今後のモデルでは、このランタイムがROMに書き込まれる予定だ。

　新型「Tungsten」「Zire」のただのオマケではない。Palmは10月1日、今後TungstenにWebsphere Micro Environment（IBMのJava MIDPランタイム）を搭載して配布する包括的な複数年契約をIBMと結んだと発表した。

　この提携により、数百万人に上る世界中のJava開発者がPalmデバイス向けに最適化されたJavaランタイム環境を利用できるようになる。

　Palmのビジネスソリューションズ部門シニアディレクター、ジョナサン・オークス氏は、internetnews.comの取材を受け、「つまり、10月1日以降発売されるTungstenを購入したユーザーなら誰でも、無料でJava仮想マシン（JVM）をダウンロードできることになる」と説明した。Palmによると、「Tungsten T3」「Tungsten E」の購入者はリンクから同梱されたCDのダウンロード機能にアクセスできる。Zire 71と既存のTungsten所有者は、MIDPランタイムを購入できる。その料金についてPalmは公表しなかったが、1シート当たり5ドル99セント程度になるはずだとオークス氏は語っている。今後のモデルでは、ROMにランタイムが書き込まれる。

　Palmは1日、ビジネスユーザー、個人ユーザーのニーズに合わせたTungsten T3（399ドル）、Tungsten E（199ドル）、Zire 21（99ドル）を発売。同社が提供しているTungstenとしては、ほかにオリジナルのTungsten T、GSM/GPRS機能を備えたTungsten W、Wi-Fi対応のTungsten Cなどがある。

　また、同社はPalm向けWebsphere Micro Environment用開発キットの最終調整中だと話している。このキットを使うことで、開発者はソフト開発とデバッグをさらに簡単に進められる。

　「IBMとの契約で最も興味を引かれる点は、当社のエンジニアがPalm向けの最適化を確実にすべく、作業を密に共同して進めたことだ。このため、一体型キーボードや5方向ナビゲーションのような機能が完全にサポートされた」とオークス氏。

　Palmによると、エンジニアと品質確認担当者のチームは、契約を最大限に活用するべくIBMのチームと協力しているという。

　Palm、IBMの両社は最近、頻繁に連絡を取り合っている。Java Websphere Micro Environmentをめぐる契約以外でも、IBM従業員が「かなりたくさん」テストチームに参加した上に、ビジネスツールの中心としてPlamデバイスを利用しているという。

　Palm副社長は「IBMは早くも当社最大の顧客の1つとなってきた」と評している。

　オークス氏はさらに、同社が来年早々にもARMプロセッサにネイティブ対応したJVMを発表する計画だと話した。

　「JVMが直接プロセッサに働き掛けられるようにすることは重要だ。そうすることで効率と速度を高められる」と同氏。

　Palmソフト部門のPalmSourceも、開発者向けツールボックスの対応プログラミング言語の拡大を進めている。PalmSourceは先週、Borland Softwareの協力を得てC++をPalmデバイス向けに拡張した。

　BorlandはPalmSource向けソフト開発キットのライセンスを受けており、新たにリリースした「Borland C++BuilderX Integrated Development Environment（IDE）」ならびに最新のC++向けソリューション「Borland Application Lifecycle Management（ALM）」でPalm OS開発をサポートすると表明している。

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