動き出した「UWB」のデモに注目低消費電力で、高速無線通信を実現する技術「UWB」(Ultra Wide Band)。いつ頃商用化され、市場が立ち上がってくるのか気になるところだが、CEATEC JAPAN 2003会場では、UWBの動作デモを見ることができる。
低消費電力で、高速無線通信を実現する技術「UWB」(Ultra Wide Band)。いつ頃商用化され、市場が立ち上がってくるのか気になるところだが、CEATEC JAPAN 2003会場では、UWBの動作デモを見ることができる。 太陽誘電のブースでは、来場者に向けて実際にUWBの実演を行っている。米Xtreme Spectrumが開発したチップを用い、3.1〜10.6GHz帯を利用して、常時90Mbpsを超える速度の無線通信を実現していた。
ケース内の、中央上部に設置されているのがUWBの送信モジュール
中央には、UWBのRFチップが見える(クリックで拡大)。太陽誘電は、バンドストップフィルタやバンドパスフィルタ、アンテナなどのUWB関連モジュールを開発している
ガラスケースの中にあるのが、受信モジュールだ
さすがの通信速度。「エラーコレクションなどを考えても、75Mbpsは出る」(説明員) 太陽誘電の説明員は、今後はデモシステムの小型化を図ると説明する。「1年後には、PCカード程度の大きさにしたい。おそらく可能だろう」。 UWBは現状、802.15.3aで仕様が固められている段階(記事参照)。ドラフトでは、10メートルで110Mbpsを実現するモードと、4メートルで200Mbpsを実現するモードなどが用意されている。ほかに、400Mbps超を実現するオプションも策定される見通しだ。 「まだ規格が固まっていないが、とりあえず電波法に触れない仕様のものが先行して出てくることもありえる。規格が策定されると同時に市場に出てくるのかもしれないが、モジュールメーカーとしては開発を進める」(説明員)。
一方、TDKブースではUWB通信機の評価システムが、デモ展示されていた。
測定器の先端に、小さな通信モジュールが貼り付けられているのが分かる UWBでは広帯域を利用する代わり、ほかの無線伝送システムとの干渉を避けるために、厳しい出力制限が課せられている。本システムは、開発したUWBシステムがこの制限をクリアしているかどうか、測定するものだ。
写真でいうと、GPS衛星が利用している周波数帯である974MHz帯において、放射ノイズレベルが−75dbを上回ってしまっている。このようにして評価を進めるわけだ。 同社説明員は、UWB開発を考えている企業が、ブースを訪れてくれるのを期待すると話す。業界の立ち上がり状況を問うと、まさにこの出展で、感触を確かめたいと話した。
関連記事 UWBの形はさまざま――802.15.3aへの採用に向けて討議 IEEEが次なる無線パーソナルネットワーク標準の仕様案を決定するのは6月以降。だがIntelによると、提出されている仕様案の実に95%が「UWB」を採用している 超低消費電力・高速通信──「UWB」とは何か? 消費電力はBluetoothの4分の1で、通信速度は500Mbps──そんな無線通信を可能にするのが、超広帯域を利用する「Ultrawideband」(UWB)だ。Intelは実際の機器をデモすると共に、UWBへの期待と課題を語った。 “夢の無線通信技術”――「UWB」の現状 超低消費電力で100Mbps以上の高速通信が行えるという次世代の無線通信技術「UWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)」。通信総合研究所(CRL)が開催した研究報告会で、UWBの特徴や各国の取り組み状況、実用化に向けての課題などが紹介された [杉浦正武, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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