Mobile:NEWS 2003年10月16日 10:56 PM 更新
IDG

PalmSourceのデビッド・ネイゲルCEO、3Gを語る

Apple、AT&Tで技術のトップを務め、現在はPalmSourceのCEOであるデビッド・ネイゲル氏が3Gの可能性について語った。(IDG)

 デビッド・ネイゲル氏はルーツに戻ってきた。一応は、であるが。最初の携帯コンピュータデバイスの一つ、Newtonを立ち上げたApple Computerで研究開発担当副社長を務めていたネイゲル氏は、今ではPalmのOS部門を別会社にしたPalmSourceの舵を取っている。

 しかし、PDAとほぼ同義の社名を持つ会社を経営しているネイゲル氏にとって、Appleでの経験だけが役立っているわけではなく、その後の経歴が大きく貢献している。それは、AT&T Labsの最高経営責任者とAT&Tの最高技術責任者を務めたことだ。ネイゲル氏はこの時期に無線技術への理解を深め、この分野はMicrosoftやSymbianといったライバル企業との戦いに勝ち抜いていくためには必須の技術なのだと語る。

 「2Gデジタル・モバイル・ネットワークから3Gモバイル・ブロードバンド・ネットワークへの移行により、われわれはかつてないチャンスを得ることになる」と、ジュネーブで開催されているTelecom World 2003カンファレンスと並行し、10月15日に行ったインタビューでネイゲル氏は答えた。「2Gではソフトウェア流通モデルの道が閉ざされていた。組み込み型だったからだ。新しい3G環境では他のプレイヤーにも開かれている」と同氏。

 ネイゲル氏によれば、一般ユーザー向けも企業ユーザー向けの両方の分野においてアプリケーションをめぐる戦いが起きるという。「最も多くの、そして最良のものを提供したところが勝者となるだろう」と同氏。「『キラーアプリ』となるのは『多様性』だ」とネイゲル氏は結論づける。

 PalmSourceの強みはオープンプラットフォームであることで、27万5000以上のソフトウェアデベロッパーが20万本以上のアプリケーションを開発している、とネイゲル氏は主張する。「オープンプラットフォームは、サードパーティの開発を募るのにとても効率的だ」とネイゲル氏。「同じ価格のソフトウェアプラットフォームで、アプリケーションで選択の余地がないものと豊富な中から選べるもののどちらを選ぶかと聞かれたら、分かる人ならば選択肢が豊富なほうを選ぶだろう」と同氏。

 Linuxに関しては、オープンではあるが、「アーキテクチャー的に複雑で、人が操作するには複雑すぎる」がネイゲル氏の評。「Linuxをコンシューマー製品として手なずけることが可能かどうか、私には判断しかねる」と同氏は述べた。

 Linuxを使うことの難しさはこういうところにある。香港のGroup Sense (GSL) はLinuxをベースに18カ月もかけてスマートフォンを作ろうとしていた。「われわれのOSを使ったら、彼らにとって最初の携帯電話であるにもかかわらず、7カ月で作り終えた」とネイゲル氏。「GSLとわれわれのライセンスパートナーがスマートフォンを作っているのは、時間と労力を費やす必要がなく、ドライバは既に用意されており、われわれのシリコンプロバイダーがチップに組み込んでいる、というのも理由の一部だ。だからパートナー企業はわれわれのチップに関して『どう動かす』ということを考え込む必要はないのだ」と同氏。

 自社OSの新しいバージョンに関し、ネイゲル氏はさまざまな「ワイヤレススタック」を統合するつもりだと語った。これにより、ライセンスパートナーはスマートフォンを開発するときに自分でスタックを組み込む必要がなくなる。

 PalmSourceは拡大する3G市場をめぐってMicrosoft、Symbianとしのぎを削っているが、ネイゲル氏によれば、どの会社も自社の強い顧客ベースにより市場に参入しているという。Microsoftは企業分野で強いポジションを維持しており、SymbianはNokiaの支持もあり、携帯電話の分野に強い。PalmSourceには、Palm製品を使っている3000万人のインストールベースがついている、と同氏。

 「これは、われわれすべてが参入できる新しい分野だ」とネイゲル氏。「今後2年くらいは大きな変遷があると予測している」と同氏。

 変遷という言葉は、ネイゲル氏によく似合う。ネイゲル氏はその経歴のうちほとんどにおいて科学技術者として過ごしたが、彼のIT企業としては最初の職場においては、特にその言葉が似付かわしい。「Appleは優れたビジネスモデルによって打ち負かされていた」と、Appleにおける最後の時期を回想する。「われわれは、自分たちのテクノロジーのほうが優れているといつも話していたが、彼ら、マイクロソフトのほうがビジネスモデルとしてはいいものだったのだ。不幸なことだが」とネイゲル氏。

 そして、自身の新しいチャレンジについては? 「すばらしい」とネイゲル氏。「私は自分の過去の仕事からコンバージェンスについてたくさんのことを学んだ。使いやすくなるはずだが、時には苦痛なこともある。それでも私のようなエンジニアにとって、人々の生活にインパクトを与えるデバイスを作ることができるというのはすばらしいことだ」とネイゲル氏は語った。

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