Mobile:NEWS 2003年10月23日 05:31 PM 更新

DDIポケット、通信している機器の特定を可能に

ネットワークを通じて、通信元の機器を特定する技術をDDIポケットが開発。ユーザーがPDAから通信しているのか、PCから通信しているのかISP側が判別できる。まずはMVNO向けに提供する。

 DDIポケットはSI事業者のASPACと共同で、ネットワーク上でユーザーの利用機器を特定できるシステムを開発した。これにより、従来難しかった「機器に応じた料金設定」が可能になる。


DDIポケット本体ではなく、まずはMVNO向けに提供する。DDIポケットは認証技術とネットワークを貸し出す形だ

 AirH"などの定額制データ通信サービスは、PCで利用されることを前提に料金を決めているが、PCよりも利用するトラフィックが少ないPDAや家電では、より安価な料金体系を設定できる。


DDIポケットが示した、利用機器ごとの利用データ量。現在定額制PHSの料金体系はPCを想定して決められているが、トラフィックが10分の1以下となるPDA向けならば、料金を下げることができる

 通信キャリアは、予想されるトラフィック量に応じた設備を置き、設備量に応じた基本料金・通信料金を設定する。トラフィック量が少ないことが想定できれば、それだけ安価なプランを提供できることになる。

 PCで使ってもPDAで使っても、これまで利用料金が同一だったのは「キャリアから見たときに、ユーザーがどんな端末を使っているのか分からなかったから」(DDIポケット)。今回の認証システムを使えば、「機器に応じたフレキシブルな料金体系を実現できる」(同)。

 ただし当初はDDIポケット自体ではなく、So-netなどMVNO(仮想移動体通信事業者、用語)に、提供していく。第一弾としては、PDA向けのサービスが提供されるもようだ(10月23日の記事参照)。

PPP接続時に機器情報を送信

 利用機器の認定は、機器側(PDAや家電など)に専用ソフトモジュールを組み込み、ISP側も専用の認証サーバを置くことで行う。専用ソフトモジュールは、機器の種類(PDAの機種名など)と個体番号(製造番号など)を読み取り、PPPダイヤルアップ時に暗号化して送信する。情報を受け取ったISP側では、通信先の機器の種類などが特定できる。

 既存の機器をアップデートすることでソフトモジュールを組み込むことも技術的には可能と考えられるが、なりすましの問題などを考慮して、あらかじめ組み込んだ状態で機器は出荷される──つまり、既存の機器では利用できない。

 これまでも、PDAと端末をセットで販売し制限をかければ、利用機器を特定することも可能だった。専用のPDAと専用の通信カードの組み合わせでしか通信できなくするような仕組みだ。しかしDDIポケットのシステムでは、認証の仕組みを機器側に持たせることでPHSカードの自由度が増した。



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関連リンク
▼ DDIポケット
▼ アジアパシフィックシステム総研

[斎藤健二, ITmedia]

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