ドコモのメロディコールが50万人突破「プルルルル」という呼び出し音の代わりに、音楽やボイスを聴かせるサービス「メロディコール」。スタートから2カ月経たずして、50万契約を突破した。今後、Webでの操作性の改善や音質の向上を図り、年度内の100万契約を目指す。
電話をかけてくれた人に音楽を聴かせるサービス、ドコモのメロディコールが、10月29日、スタートから2カ月経たずして50万契約を突破した。一般ユーザーへの認知はまだこれからだが、このペースと数字に驚く方も多いのではないだろうか。 「日本では全く初めてのサービスだった。正直いってどれだけいくかは不透明だったが、目標以上だ」と、ドコモの営業促進担当部長 市川正明氏は胸を張る。
当初500曲程度だった楽曲も、トータルで752曲まで増加した。音楽だけでなくボイス系のコンテンツも人気だ。 「音楽系の人気が高い。ただし、もともとはほとんど音楽系だと思っていたが、ボイス系が想像以上に使われている」(クロスメディアビジネス部のサービス推進担当部長の黒田偉之氏) 全体の7割を占める音楽系のコンテンツの現在の目玉は「ゆず」。「歩行者優先」や「濃」などのヒットソングが提供されている。ほかにも「日本シリーズが終わってしまったが、ダイエーの応援歌。選手それぞれの応援歌も全部載せた。時期に応じて話題性のあるものと、音楽的なもの、特集を組めるものを順次載せていきたい」と、黒田氏は方針を話す。 ボイス系では、加藤あいやケンシロウが人気だ。「おまえは既に電話している」「あたたたたたたたたたたたた……」といったボイスを、電話に出るまでの間、相手に流せるわけだ。「音楽だけではなくて、一発ギャグ的な話のタネになるようなコンテンツも重要」(黒田氏)という考えだ。
韓国では大人気コンテンツだったとはいえ、リングバックトーンを使ったコンテンツサービスは日本初。ユーザーも、まずは新サービスに敏感なアクティブ層が多かったようだ。 「高校生と20代くらい、たぶんそのあたりが多い。またFOMAユーザーの契約率が高いのが特徴。アクティブな方が多いためではないか」(市川氏) メロディコールは、契約したユーザーが楽しむというよりも、電話してきた人に音楽を聴かせるサービスだ。現在は、音楽を聴かせる相手の電話番号をあらかじめ登録しておく必要があるため、サービスを利用しているユーザーはある程度固まっていると想像される。 「50万突破」と聞いても、周りに使っている人が一人もいない、という人もいれば、“周りはみんな使っている”という人もいる──。いわゆる、クラスターがいくつもある状況だろう。 ここから、一般のユーザーにもサービスを認知させていくことについては、ドコモも楽観視はしていない。 「ブレークするポイントである100万契約まで、もう一仕掛け、二仕掛け必要だと思っている。アクティブな層は、最初話題性でたくさん入ってきていただいたが、次の層につなげるための仕掛けを作っていきたい。そこが勝負」と市川氏。
次なる仕掛けはどのようなものになるのか。 まずは「操作法を直そうと思っている。まず簡単に直せるところから直す。例えば、電話帳と音源の結びつけ」だと黒田氏。スタート当初のメロディコールの操作性は確かに分かりやすいものではなかった。 さらに、これまで月間3曲しか利用できなかった「エンジョイコース」に、設定回数に制限をなくしたコンテンツ群を追加する。NICKELBACKやJUNKIE XLの楽曲が既に自由に設定できるようになっており、11月1日から正式に開始。「順次増やしたり、入れ替えをしていく予定」だと言う。 音質の改善も行っていく。着メロや着うたなど端末自体から音が鳴るサービスと違い、メロディコールはドコモのサーバ側で音源を持っている。携帯の音声回線を通して楽曲を鳴らすため、音質はかなり苦しい。「当初よりもチューニングが進んできて、だいぶ聞きやすくはなってきている」と黒田氏は言うが、ユーザーが納得してから契約できるようにするため視聴も可能にした。 今後、大きく展開するにあたっては、対象ユーザーの幅をどうするかが重要になる。現在のところ、登録したドコモの携帯電話からしかメロディコールを聴くことはできないからだ。「auやボーダフォンからも使えないのか? という問い合わせも多数頂いている」(黒田氏) 力強いスタートダッシュを見せたメロディコール。auの着うたなど、音楽関係のコンテンツが盛り上がる中、ドコモならではのサービスとして、黒田氏は今後の普及に期待する。 「今年度内の100万契約突破はぜひ実現したい」(黒田氏)
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