Mobile:NEWS 2003年11月4日 02:23 PM 更新

ケータイ新市場を狙うユーリードの「DesignWire」(1/2)

映像関連のソフトメーカーとして知られるユーリードが、マルチキャリア対応の携帯サイト作成ソフトを発表した。非常に面白い着眼点だと思うが、成功までのハードルは決して低くはない。

顔  先週水曜日の夕方、筆者は東京湾に浮かんでいた。普段からヒドいことばっかり書いてるから、ついに某社の刺客にヤラレて水死体になったのかと思われるかもしれない。だが、そうではない。

 ユーリードの新製品「DesignWire」のプレス発表会が、「東京湾でのサンセットクルージングを楽しみながら」という趣旨で、船上で行なわれたのである。もっともちょうど夕日がいい頃はプレゼンテーションの真っ最中で、結果的には「ビミョーに気持ち悪く揺れる部屋」に缶詰にされていただけであったのだが……。

 各メディアにもそろそろプレスリリースが載ることだろうと思うが、DesignWireは、ケータイWEBコンテンツ制作ツールだ。略称ではDWとなり、WEB制作ツールとしてもっとも著名なマクロメディアのDreamWeaverと同じになるが、これはあえて狙ってぶつけたものだろう。

 ユーリードは、映像や画像関連のソフトウェアメーカーとして知られているが、WEBコンテンツのようなテキストベースのツールは珍しい。だが同社は、さまざまなフォーマットにも即対応する技術力を持っている。映像にしても、いつも新フォーマットにいち早く対応してきた。その足回りの良さが、このケータイコンテンツツールへの導線となっていることは、間違いないだろう。

全キャリアに対応の心意気

 ユーリードシステムズの下村慶一社長によれば、DesignWireのアイデアは既に2年前から暖めてきたものだという。実際の開発は台湾本社だが、そのマーケットは完全に日本向けである。ワールドワイド製品ではあるが、もっとも早くリリースされるのは日本語版だ。それだけ日本のケータイコンテンツは、伸びる要素を含んでいる。だいたい電車でも路上でも、しょっちゅうケータイをいじくっているのは日本人ぐらいであろう。

 日本のケータイWEBには、キャリアの違いから3種類の方式がある。i-mode、Vodafone live!、EZwebだ。記述方法は基本的にHTMLベースではあるものの、それぞれに拡張されていたり制限されていたりと、いわゆるインターネットのWEBとは似て非なる世界である。もちろんユーザー層もかなり違うと見なくてはならない。さらにケータイの機種や世代によって微妙に機能差があり、実態は非常に複雑だ。これを全部まとめて面倒見ようというわけだから、今も大変だが今後も大変手間のかかる製品であろう。

 DisignWireの中身は、大きく三つのアプリケーションに分かれている。実際にコンテンツ制作を行なうデザインツールの「DesignWire」、サイト構造管理や各キャリア方式への変換を行なう「WebSite」、作成したコンテンツを端末に近い形で表示する「PreviewSimulator」だ。

 「DesignWire」の画面構成は、一般的なWEBコンテンツ制作ツールとほとんど同じだ。編集画面とソース画面に分かれており、頻度の高いタグ類はボタンになっている。決定的に違うのは、最初にどのデバイス用のページにするかを決めるところだ。今のところ五つのデバイスがあるが、これは今後増えていくことになるだろう。


「DesignWire」の新規ページは、デバイスを選ぶことから始まる

 ケータイサイトを立ち上げるとは言っても、まったくゼロから作り上げるのはリソースの無駄であるから、最初のとっかかりとしては、既存のWEBサイトを構成している要素を取り込むことになる。DesignWireでは、IEに表示したコンテンツの文章や画像をドラッグ&ドロップすることで、ケータイWEBに変換しながら取り込む機能を持っている。画像は自動的にサイズ変換され、タグ記述で問題がある部分は指摘される。


ドラッグ&ドロップでWEBコンテンツが変換できる

[小寺信良, ITmedia]

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