Mobile:NEWS 2003年11月25日 07:37 PM 更新

800MHz帯もFOMAに〜FOMA「x900i」の次

伸びが好調なFOMA。ドコモは端末の性能面でPDCから世代交代を進めるだけでなく、ネットワーク/インフラ面でも改良を進める。2004年から早くも周波数帯を拡張、コアネットワークもIP化し、2005年にはHSDPAを導入する計画。

 505iシリーズを凌ぐ性能を持つ次期FOMA「x900i」で、メインストリームのFOMAへの転換を図るドコモ(11月17日の記事参照)。その後も、次々とFOMAを強化し、普及を促進する。

 2004年以降、まず夏をめどに計画しているのが非接触ICチップ「FeliCa」の搭載だ(10月27日の記事参照)。鉄道定期券や電子マネーのプラットフォームとして使われているFeliCaを携帯に載せこむことで、利用シーンの拡大を図る。

800MHz帯もFOMAに

 続いて、2004年度前半に予定しているのが、800MHz帯を使ったFOMAの展開だ。FOMAはこれまで2GHz帯を利用しており、現在ドコモが50xシリーズ2xxシリーズで利用しているのが800Mz帯。今後、地方を中心に800MHz帯をPDCからFOMAに切り替え、基地局ひとつで広範なエリアをカバーする。2GHz帯は都市部の密度向上を主眼としていく。


 そもそも2GHz帯だけでは、4500万を数えるドコモユーザーのすべてを収容するのは不可能。いずれ、現在メインで使っている800MHz帯をFOMAに切り替えることが必要だといわれてきた。

 これに合わせて、800MHz/2GHzデュアルの端末も用意する。これは「N2701」のように、PDCとFOMAのデュアルではなく、複数の帯域を使ったFOMA端末となるもようだ。

 同時期に、海外のGSM圏でも利用できる、W-CDMA/GSMのデュアル端末も投入する。海外の提携キャリアとデータローミングを行い、GPRSネットワーク上でiモードを利用可能にする。

コアネットワークのIP化〜2004年度中

 また、2004年度末までにはコアネットワークのIP化を進め、コスト削減を図る。

 これまでFOMAコアネットワークでは、音声だけでなくパケットもATM網を使って処理されていた(9月19日の記事参照)。新コアネットワークでは、IPルータとWDMを組み合わせることでパケットについてはATMをほとんど使わなくなる。コアネットワークコストは従来の10分の1になるとしている。


 コアネットワークのIP化を進めるのは、パケットトラフィックの増大が見込まれるからだ。現在FOMAはパケット料金の割引オプション「パケットパック」を用意しているが、FOMAが普及するにつれてパケットパックの利用が増えている。

 2003年9月時点でFOMAユーザーの8割近くが何らかのパケットパックに加入しており、「パケットパック40」以上の加入者も3割近くいる。


HSDPA〜2005年前半

 続いて2005年前半の導入に向け研究を進めているのが、データ専用の無線ネットワーク方式「HSDPA」の導入だ(3月31日の記事参照)。

 通信速度を保証していた従来のW-CDMAに対し、HSDPAではピーク速度を重視。データに特化することで、ビット単価が従来の10分の1、平均2〜3Mbpsの下り通信速度を実現するという。CDMA2000 1x EV-DO同様に、電波状況に応じて速度が大きく変わり、ピーク速度は14Mbpsに達するという。HSDPAの導入についてドコモは、現行基地局にHSDPAカードを追加・交換しソフトウェア変更を行うだけで対応可能だとしている。

テレビ電話のアクティブユーザーは17%に

 現在のFOMAはテレビ電話機能を“標準”と位置づけているが(6月16日の記事参照)、その甲斐ももあってテレビ電話の利用は着実に増えているようだ。2003年9月時点のテレビ電話アクティブユーザー比率は17.3%と上昇傾向にある。

 とはいえ、ドコモは2003年6月の時点でテレビ電話対応端末比率が6割だとしており、“テレビ電話機能は付いているが使っていない”ユーザーがまだまだいることが予想される。

 1カ月あたりのテレビ電話通話時間(発信・着信含む)も、増えてきたとはいえ2分から3分程度であり、200分を超える音声通話と比べると、まだこれからの機能の感は否めない。




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[斎藤健二, ITmedia]

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