Mobile:NEWS 2003年12月18日 06:49 PM 更新

900iシリーズは「505i」にどこまで追いついたか

バッテリーの持ちや端末機能についても、「FOMAだから……」という妥協なく作られた「900iシリーズ」。重さや端末機能を比較しながら概観していこう。

 究極のiモードをうたう900iシリーズは、端末機能だけでなく、待受時間やエリアなどでも505i(PDC)相当を目指す。

 900i(きゅうまるまるあい)シリーズの基本機能はどこまで505iに追いついたのか。


左からD900i(ピンク)、F900i(ライムグリーン)、N900i(オレンジ)、P900i(ブラック×クリアホワイト)、SH900i(シルバー)

重さも待受時間も2G並に〜地下鉄もFOMAエリア化

 これまでのFOMAの課題といえば、1)バッテリーの持ち 2)エリアの狭さ 3)端末バリエーション の三つが常に挙げられていた。

 まずバッテリーの持ちでは、移動時の連続待受時間で300時間以上を達成した。320時間から500時間に達している505iと比べても、ほぼ遜色ない持ち時間といえる。

機種連続待受時間連続通話時間連続TV電話時間
D900i300時間140分70分
F900i300時間140分90分
N900i300時間140分90分
P900i300時間140分90分
SH900i300時間120分80分
N2102V(参考)200時間130分90分
N2051(参考)180時間130分
N2002(参考)55時間90分

 それどころか、他社の3G──例えばKDDIのCDMA 1xと比較してもバッテリーが持つ。夏野氏は、競合他社の3Gのスペックも記載した下記のスライドを見せ、900iシリーズが505i並になってきたことを強調した。


「3Gと呼ばれる機種は好調と呼ばれる他社も含めて、300時間を超える機種はない」(夏野氏)。このグラフでは他社に合わせて、静止時の連続待受時間を記載したという

 サービスエリアは予定通り拡大を進めている。2004年3月には、人口カバー率で全国99%に達すると共に、2003年12月末には、都営地下鉄4路線45駅でFOMAを使えるよう整備する。さらに、営団地下鉄についても2004年から順次サービスを開始する。

デザイナーの意志がかなり現れた3Gケータイ

 最後の課題だった端末バリエーションについては、900i5機種「N900i」「P900i」「F900i」「SH900i」「D900i」が2004年2月に発売され、春先には派生モデル「F900iT」「P900iV」(12月18日の記事参照)が投入されることで、完全に解決されそうだ。

 夏野氏は900iのポイントとして三つを挙げた。一つは“自慢したくなる携帯”だ。「200万人、300万人に使ってもらえる携帯のデザインは、単に奇抜なデザインではなく、微妙なバランスが重要」(同)。

 クラウンではなくアルファロメオ──になったかどうかはともかく(11月17日の記事参照)、「iモードチームが最初にやったのはデザイナーとのミーティング。N900iはNEC側は通ると思わなかったデザインを、絶対これにしてくれ、と伝えたもの。Pも一番ドコモっぽくないデザインにしてください、というリクエストでこういう個性的なデザインを出してもらった(P900iの記事参照)。デザイナーの意志がかなり現れた3Gケータイ」と夏野氏は、デザインへのこだわりを話した。

2Mピクセルクラス3機種。全機種QVGA

 端末スペック面では、1)メガピクセル以上のカメラ 2)QVGA液晶 3)外部メモリカード をそれぞれ備えた。

機種カメラ記録画素数液晶メモリカード
D900i100万スーパーCCDハニカム192万2.2インチTFDメモリースティックPRO Duo
F900i128万CCD123万2.2インチTFTminiSD
N900i100万スーパーCCDハニカム200万2.2インチTFTminiSD
P900i128万CCD AF付き123万2.4インチTFTminiSD
SH900i202万CCD AF付き200万2.4インチCGSminiSD

 各機種とも、オートフォーカス(AF)あるいはマクロ切り替えスイッチを備え、QRコードの読み取りに対応している。テレビリモコンにもなる赤外線送受信機能も全機種搭載した。

 なお背面ディスプレイについては、メーカーによって方向性が分かれた。機種によっては背面液晶で着モーションを再生できないものもある。

機種背面ディスプレイその他
D900i1.1インチ6万5536色TFT
F900i1インチ4色有機EL背面では着モーション再生不可
N900i0.96インチ4096色STN縦長。背面では着モーション再生不可
P900i1インチ4096色STN
SH900i1.2インチ6万5536色TFT




関連記事
▼ 究極のiモード〜FOMA「900i」5機種が発表
2004年2月には、FOMAの新シリーズ「900i」が登場する。カメラや端末の重さ、待受時間などさまざまな面で、ムーバと同等の仕様とし、コンテンツなどのサービス面では505iを上回る。

▼ “本気”のFOMA「900i」発表
NTTドコモがFOMA「900iシリーズ」5機種を発表。iアプリやFlashが大容量化、全端末が有効100万画素以上のカメラを搭載するなど、505iシリーズを上回る“本気”の3G端末となった。

▼ “au買うのはちょっと待って”とドコモ、榎氏
このところ純増数が落ちこんでいるドコモ。この事態をよほど気にしているのか、iモード事業本部長の榎啓一氏は、“キャリア替えは来年2月のFOMAを見てからにしてほしい”とコメントした。

▼ 次期FOMA「x900i」は“イケてる”端末
来年頭に登場する次期FOMAは、これまでの4桁型番から現行iモード同様に型番も変更。機能的にPDCを上回るだけでなく、デザインにも注力する。イメージは「クラウンじゃなくてアルファロメオ」──“高級”から“カッコイイ”を目指す。

▼ 次期FOMAは「1月に入ったら間もなく」〜立川社長
505iシリーズを上回る機能を持つとされる、次期FOMAの投入スケジュールについて、ドコモの立川社長が言及した。「506i」シリーズの投入も明言した。

▼ 年明け発売。次期FOMAの概要明かされる
ドラクエ、ファイナルファンタジーのiモード移植発表会で、ドコモは次期FOMAの概要を明かした。5〜6機種が予定されており、発売は年明けの2004年早々。iアプリなどのスペックは「505i」「506i」を超えるという。


関連リンク
▼ ドコモ ニュースリリース

[斎藤健二, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!