マクロモードだときちんとピントが合い、かなりシャープに撮れる。これはなかなか。
ロウソク下の撮影はあまり得意ではなさそう。
ホワイトバランスは全部オートにしてある。炎の回りに妙な縦縞が出ていることや偽色ノイズの多さが気になるデキ。あまり暗いシーンで撮ることは考えてない設計かなと思う。夜景モードにするとかなり滑らかになるがブレやすいので注意。ライトをつけると少し明るくなるが、ノイズの出方は変わらず。暗いと偽色ノイズが素直に出てくるタイプの絵作りといっていいだろう。
そんなわけで、かなり素直な絵作りをしているカメラ付きケータイだ。ディテールを見ると無理に200万画素にする必要はなかったかなという気はするし、200万画素カメラ付きケータイの中でトップの画質というわけでもない。でも実用的な絵を出してくれるのでまあそこそこ使えるといっていい。
ただし、オートホワイトバランスの精度だけは改善してほしいと思う。カメラ付きケータイは本職デジカメと違ってユーザーがいちいちホワイトバランスを補正したりしないのが普通で、フルオートでどこまで気持ちいい絵を出せるかが勝負だからだ。
でも個人的にはこの端末は好きである。自分で買ったからというわけではないが、使ってみるといいところはたくさんある。
その筆頭は「速さ」。200万画素の最高画質モード(だいたい500Kバイト以上になる)でminiSDに保存した場合、シャッターを切って「保存」可能になるまではほんの一瞬、保存を押してminiSDカードに保存完了するまでが約2秒とすごく快適なのだ。本職デジカメ並みに快適といっていい。ここまで快適に使えるカメラ付きケータイはなかなかない。
また、320×240ピクセル以下は本体メモリに、VGA以上は(miniSDカードがささっていれば)自動的にminiSDカードに記録されるという仕様もいい。記録先をいちいとセットしなくていいのだ。
外部記録メディアはminiSDで、背面にスロットがある。200万画素モードのファインで撮りたいなら64Mバイトクラスのカードを用意したほうがいいかも |
本体メモリに記録された写真は自動的にカレンダーにチェックが入るので、カレンダーを見ながら「この日に撮った写真は見る」という見方もできる。普段は320×240ピクセルくらいにセットして、何でも撮りまくれば、自動写真日記のように使えるのだ。これはカメラ付きケータイとして清く正しい方向であり、面白いアイデアだと思う。本体内蔵メモリも10Mバイト以上あるのでQVGAならかなりの枚数を貯められるしね。
使い勝手は最高にいいし、画質もそう悪くないので、「オートホワイトバランスと直線の歪みだけは改善してね」──というのが結論だ。
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